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存在の耐えられない軽さ ミラン・クンデラ

 チェコ出身の作家ミラン・クンデラのベストセラー現代文学「存在の耐えられない軽さ」を読みました。

 主人公トマーシュは優秀な外科医でしたが、プラハの春の政治闘争に巻き込まれ、医師の職を追われて、窓拭清掃人になって生計を立てます。そこに妻テレザと愛人サビナという二人の女性が絡み合って物語が展開します。ニーチェの永劫回帰が出てきたり、タイトルの「存在」から実存を連想させるような哲学的な内容も含まれ、恋愛だけでない奥深い内容でした。この小説では、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番「Es muss sein!(こうでなければならない)」がモチーフとして出てきて、1部、2部、5部、7部で登場します。恋愛の甘酸っぱさはもちろん、登場人物たちの運命に翻弄される様子や思い通りにいかない人生の悲しさが音楽から感じました。

 とても味わい深い内容でしたので、また再読してみたいです。

ゲヴァントハウス四重奏団
フランク・ミヒャエル・エルベン(第1ヴァイオリン)
コンラート・ズスケ(第2ヴァイオリン)
フォルカー・メッツ(ヴィオラ)
ユルンヤーコプ・ティム(チェロ)
1998録音。

参考)こんな感じの音楽です。演奏はアルバンベルクです。
https://www.youtube.com/watch?v=38DA-F1V0t8

注)2018年10月7日の過去投稿記事です。

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