珍道する桂馬part12
アルゼンチンはでかい。GoogleMapで冷静に見てみるとバチカン市国の2兆倍の広さがある。
都市間移動をバスでしようとすると乗車時間が24時間くらいになったりする。もう夜行どころか全日バスだ。
流石にこれくらいの乗車時間だとバス自体も座席が広いタイプだから逆に快適まである。タブレットにダウンロードした映画見て、寝て、起きて、また映画見れば到着している。
案外バスの車窓からふと見た景色に心を惹かれたりする。
これまでトルコ、エジプト、タンザニア、アルゼンチンと放浪してきて、何度もバスに乗り、その度に未知なる世界と出会ってきた。広がる荒野、小さな集落、一面の畑、砂漠に沈む夕日、薪を担いで歩く人、巨大な川、等々。それは観光地で見るものとは別のありのままの光景。
世界は広い、そんな当たり前のことを何度も実感する。
沢山下調べして辿り着いた景色より突然現れた景色の方が印象に残るのは旅あるあるかもしれない。
目が覚めて、窓の外を見る。夜明け前特有の静けさとバスの揺れる音。この浮遊感のある時間帯が心地よい。
まぁでも宝くじ当てたら全部飛行機で移動するだろうな。ベットで寝るのが一番。
バスに24時間揺られて、バリローチェに到着。
湖畔にある穏やかな街。田舎スローライフの完成形。
もうここに住むことし考えられない。
ストリートでタンゴやってる〜
老いぼれじゃねーか。
タンゴって若い美男美女の特権じゃないの!?なんかこう官能的なダンスにちんぽを熱くするもんじゃないの!?
バリローチェは自然が無限にあるから観光方法も多種多様。ただ、バリローチェくらいになるとガイドブックにもネットにもあんまり情報がない。船で湖を爆走するアクティビティとか面白そうだった。
僕はジャオジャオのトレッキングをした。
狂。
なんというかこれまで類を見ない景色。荒涼とした山と巨大な湖。スイスとかカナダとかこんなイメージ。
美しい自然の中にいるとね、こう力が漲ってくるね。龐煖を完全理解してしまう。バリローチェでケツに薙刀刺した武神が現れたってニュースになったら多分僕です。
トレッキングルートでは背が高いけど幹が妙に細い木が多くて風が吹くとぐらぐらと揺れるのだ。現実からどんどん引き離されて魔境にでも迷い込んだ気分になる。果たして僕はどこを歩いているのだろうか。
絶景の連続でなんだかジャオジャオではずっとテンション異常だった。歩くの好きだしトレッキングは性にあっているなと改めて思った。
何よりトレッキングは人が少ないのが素晴らしい。