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メタル専用(!)ヘッドフォン「HEAVYS」簡易レビュー

 2022年1月にKickstarterにてクラウドファンディングを行っていた、ヘヴィメタル専用という尖りまくった趣旨で開発されたヘッドフォン「HEAVYS」をご存じだろうか。

https://www.kickstarter.com/projects/heavys/heavys-headphones-engineered-for-heavy-metal?lang=ja

 先日、この製品版が1年半越しに届いたので、早速聴いてみた。
 まだエイジングも済んでない段階だけど、色々と聴き比べたりしたので、簡単にレビューなどを。


外箱。結構簡素。


折りたたんだ状態でも結構大きい。


今時珍しい、基本的なボタンは全部物理スイッチ。

 外観はヘヴィメタル専用を謳うだけあって無骨で堅牢なイメージ。重量もそれなり(255g)なので、長時間着用は厳しいかも、と思ったけど、意外に快適。

 ライン出力とBluetoothに対応し、ラインは2.5mmピンとUSB-Cが使える。今回はBluetoothを使ってのレビューなのであしからず。

 電源、ANC、Bluetoothのオンオフ、曲の前後送り、音量調節など一通りのスイッチが揃っている。また、今後アップデートで専用アプリが出来るとアナウンスされている(恐らくイコライザーなどが搭載されると思われる)。

 見た目通りの密閉型で、ドライバーはDynamic形式が片側4基。2基が中低域、2基が高域用ツイーターらしい。

 その他の諸元は以下のリンク先を参照して欲しい。

 肝心の音だが、ヘヴィメタル専用と銘打つだけあって確かにメタル楽曲との親和性は高いが、総合すると「低音寄りの万能機種」という印象。

 音の空間分解能が良く、音源にもよるが低音のアタックが強くなり、各楽器の輪郭がはっきりする。結果として、メタル音源だとドラムとベースの存在感が増し、ギターの音も明瞭になり、ライブハウスで聴くような迫力が感じられる。

 じゃあメタル以外はどうかというと、上記の恩恵を受けてどんなジャンルでもライブ感が出る。特にアタックの重要なEDM、ヒップホップ系は恩恵が大きい。ジャズも特にピアノトリオのような一つ一つの楽器の存在感が強い曲は室内の少し離れた位置で各楽器を聴くようなリッチな感覚になる。

 ボーカルにもなかなか強く、たとえばSarah Brightmanのような低音~高音まで歌い上げる歌も、クリアで透き通るような声を表現できているように思う。総じて歌が曲に埋もれることがなく、例えばブレスや細かいビブラートもかなり(普段聞き逃しているものも)しっかり聞こえるのが新鮮。

 一応欠点としては、音源によってこの音の分離が「曲が遠く聞こえる」原因になる。元の音源の録音レベルが低いと顕著にこもって聞こえる。こればっかりは仕方ないかもしれない。


多分この2つ飛び出したのがツイーター。

 と言うわけで、簡単ながら「HEAVYS」のファーストインプレッション・レビューでした。

 Kickstarterのearly bird(最初の支援者グループ)は149ドル(2万円ちょっと)だったのだけど、正直この値段で買えるヘッドフォンのレベルではない。

 現在はプレオーダー期間とのことで、ケースとケーブル込みで259ドル(約38000円)となっている。恐らくこの値段で適正価格だろう。それくらいの音である。

 もし気になったら、以下の公式ページでオーダーを受けているので、そちらを参照して欲しい。

 それでは、良い音楽体験を!

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