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抗がん剤の事(ほぼ愚痴)

2024年1月23日
血液検査の結果、先週基準値以下だった白血球数も好中球数も正常値にもどった。やっぱり発熱の影響だったのかな?
貧血気味だったけど、食事に動物性タンパク質取ってないとか生理中とかの影響が考えられるし、卵ぐらいは食べるようにしようかな?と考え中。
そしてとうとう抗がん剤開始。
点滴の部屋には歯医者さんで使うような椅子が窓向きに並んでいてそれぞれカーテンで区切られていて、お互い顔を合わせずに済むような仕様。テレビとヘッドホンが付いていたけど、私は手帳や携帯のオーディブル使うから必要なし。

抗がん剤については、色々あった。
父の癌治療で最後のたうち回って苦しむ姿を見たせいもあり、あんな姿を子どもに見せたくないという気持ちと、体のうまく働いてる機能すら痛めつける薬を果たして治療というのか?という疑問もあって抗がん剤はやりたくないと思っていた。
食生活とか運動とかそういう自分の生活改善で、良くならなくても共生はできるんじゃないか?と考えていた。

でも、夫に「抗がん剤はやらない」と告げたある日、いつも優しく気遣ってくれる夫が壊れた。私には告げずにいようと思っていた「余命半年」。自分の中に留めておいたそれを私に伝え、「短過ぎる。先生は抗がん剤する事で2〜3年に伸びるって言ってたし頼むから受けてほしい」と懇願された。

それとは別に看護師の友人にも、ステージⅣで手術もできなくなったけど、やっぱり抗がん剤は私の生きる道じゃないからやめようと思う。というメールをしたら、「逃げるな!闘え!」とメールが来た。

「逃げる?闘う?」

こんなに近しい人達でもこんなにがんに対する考え方が違うのか…と愕然とした。

私にとっては、がんも私の一部なのだ。
忌み嫌ってやっつけるようなものじゃない。
自分が生み出した、言うなれば障害児の母となったというか…。(障害を持つお子さんのお母さんがこれを見て不快に思ったらごめんなさい。うまい例えが見つからない。)
生き方考え方が180°変わって自分なりにそれと付き合う方法を模索して、そうしていったら延命はできるのではないか?私にはそう思えてならない。外から侵入してきたものでもなく、私が生み出した私の一部なのだから。

でも、子ども達にやらずに後悔するくらいならやって後悔して!って教育方針できたし、「何もやらずに判断しないでくれ。キツかったらやめたらいいから。とりあえずやってみてほしい」と夫から言われ、「そうだな」とも思ってやる事にした。
何より私以上に食べられなくなって心労で痩せていく夫を見るのはつらかった。私が抗がん剤をする事でこの人に希望が湧くならやる価値はある。そう思ってやる事にした。

せっかくやるなら前向きにやろうと、↓の本に出てきた事を参考に点滴を受ける間『ありがとうございます。副作用は最小に効果は最大になりますように』と唱えたり、オーディブルに入っている瞑想で体が回復するイメージを膨らませたりしながら受けた。

前もって受けた副作用の話は、
・冷たいものに触れるとしびれる
・吐き気
その他もろもろあるけど、代表的なのはこれということで、吐き気止めの薬が処方された。

その日の晩御飯は特に問題なく食べられたが、しびれは点滴終わって早々にトイレに入ろうと金属製のドアノブ触って感じた。痛いって程でもなく夏に涼しくなるミント系のスプレーかけられてる感覚に近いし、全然我慢できる感じじゃない?って思ったけど、もらった抗がん剤の説明パンフレット読むと、痺れさせる回数増やすほど痺れがひどくなるのでできるだけ痺れない対策をって書いてあったので、家では手袋2枚の上にゴム手袋して対策してる。冷蔵庫の中のものを取るときにその枚数ないと痺れるから(汗)

そして痺れる以外は何事もなく就寝したその夜…きたよねぇ。吐き気。うとうとすると吐き気に襲われて目が覚める。それを繰り返して朝がくる…。吐くほどじゃないけど、すやすや眠れる程でもない。お医者さんは二日酔いが続く感じって表現してたけど、そんな生優しいもんじゃない。体中の細胞が攻撃を受けてるせいか殺気立っていて血流バンバンめぐって戦闘モード。意識は疲労困憊して眠りたいけど、細胞は戦ってるから眠るわけにいかない。
その日の夜からずーっとそんな状態が続いて次の日の昼。
心配して仕事の合間に抜けてくれて、温泉まで連れていってくれた優しい夫。だけどその夫に爆発した。
「こんなの生きてない!全然納得いかない!これやって減少が見込める人の割合1〜2割って何!?それ以外の人どうなるの?こんなの私の生きる道じゃない。せめて3回は頑張ろうと思ってやってみたけど、こんなのリスクばっかり高くてリターンが低過ぎる!なんでこんなもんが厚労省の認可通ったのか謎すぎる。今まで自分の免疫あげようと色々頑張ってきた事全部薙ぎ倒されてなしにされてる!」
そんな事を言いながら車の中でわぁわぁ泣いた。

癌告知を受けてから1番泣いた。

健康な時は、それを維持するために食事、運動、睡眠を大切にって色んな所で話されるのに、がん患者になってから健康的に生きるその要素を奪われる治療を受ける。情けなくて悔しくて泣いて泣きまくった。

でも、そうやって泣く事ができたのは2日目まで。
3日目はさらに体への攻撃がはげしくなり、水を飲む事も苦しく眠る事も何もできないままただこの苦痛が終わりますようにと祈るように横にいる時間を過ごした。
子ども達に心配かけないように…なんて気力もない。廃人。

ピークが3日目だったのか、その日の夕方からやっと睡眠が取れて4日目の今日は半分くらいのお汁やいちご数個を食べられるまでに回復した。それでも吐き気止めの薬はなしではいられない。残りは明日の朝までの分しかない。どうかこのまま吐き気などなくなりますように!!

まだ副作用の真っ只中にいる私だけど、私の中でハッキリした事がある。私はこれ以上抗がん剤はしたくない。免疫系のやつならまだ別だけど、ただただ体の細胞を癌もろとも攻撃する抗がん剤は納得がいかない。私の中に怒りが生まれてしまって、それだけでも効果が半減してる気がするし私には合わないんだと思う。(つぎの診察までの日数分吐き気止めの薬もらってないって事はそれくらいで治るって事やよね?頼むよ先生〜)

もう胃が泣いて泣いて私に救いを求めている気がする。
我が子のように胃をさすりながら
「大丈夫だよ。私がついているからね。薬にはさっさと出ていってもらおうね。元気になろうね。」
そう声かけして過ごしている。
メルヘン街道まっしぐらだけど、いいのだ!
ガン告知を受けてから、私は私の体に耳を傾けながら生きていこうと決めたから!

今もこれからも抗がん剤を使って癌と闘ってる人を私は間違ってるとは思わない。それはその人が考えて選んだ道なのだから。でもそれと同様に私が選ぶ道について誰の指摘も受け入れない。
私は子であり、妻であり、母であり、誰かの友である。
それでも私の体は私だけのもの。
私は、私の体と相談してどう生きるかを選ぶ。もう誰にも私の体の事を預けたりしない。

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