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第二回イノハナ参加を終えて

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自己紹介&概要

 初めましての方は初めまして、そうでない方はイバラシティなどではお世話になりました。Eno.347で参加していたユーリのPL、クローバーです。主に栗鼠ゲと呼ばれる定期更新ゲームに参加することが多い、ゲーム好きな人間でありRPに全力振りしながらもシステム部分もしっかり遊ぼうとするマンです。
 今回はイバラシティの更新が実質終了状態になっていたため、ちょうど手すきかつ何かRPをがっつりやりたいなと考えていたところ、イノハナ開催の知らせを受け取り、以前から名前を聞いてて知り合いさんの悲鳴を見たりして興味はあったので参加してみようかなと。
 そして参加した結果、非常に濃厚かつ楽しい思い出としてイノハナを終えれたので記録がてら今回のnoteを書くことにしました。

イノハナとは

 フタハナと呼ばれる島に招待状を受け取った人々が集い、最後の二人=フタハナとなるまで互いに殺し合いをして生き残ることができれば、参加者の願いが叶うといった内容のデスサバイバルゲームとなっています。通常のルールでは参加者はスキルの取得に武器などの収集・合成といった形で自分のPCを強化していくのですが、今回は違います。通常と同じく登録受付が終わったあと、参加者には1〜2つの異能がランダムに配布され、その異能だけを頼りにデスサバイバルゲームを生き抜いていくことが目標となっていました。
 この配布される異能は非常に差が大きいものであり、ものによっては戦闘すらろくにできずサポートにしか回れないようなものから、条件を満たせば誰も太刀打ちできないステータスとなって蹂躙ができてしまうもの、そもそも死亡しないなどといった多種多様な異能が存在しました。
 また通常ルールと異なる前提として「一般的な世界の一般人であること」がPCの仕様とされているため、島にくるまでは異能など一切もたない現実世界に存在する人間と変わりないPCを作成することが望まれていました。

PC作成へ

 そんなイノハナに参加するにあたって私も「一般的な世界の一般人であること」を念頭に置いてPCを作成することとなりました。特に今回は初参加なのもあってどのようなキャラクターで行くかは悩みました。悩みすぎて準備期間(異能が配布される前にPC同士が交流をする時間であり、登録受付時間でもある)ぎりぎりに登録するハメになってしまい、他のPCとまるで接点のないまま本戦が始まってしまう結果に。
 本戦についてはひとまず置いといて、今回のPCであるユーリを作成にあたっては「今までやったことない性格を演じる」ことを意識しました。過去にTRPGや栗鼠ゲなどに参加したPCたちは、全体的に温和かつ善人タイプなのが多かったのと、今回はPvP推奨のゲームであるため理由があれば殺人を犯しても平気なキャラクター像にしようと思ったのです。善人よりも悪人よりであればダーティな方向へ走っても演じてるPLも行動の経緯に納得がいきますし、積極的に他者へと襲撃を仕掛ける理由にもなるだろうと考えていました。ええ、そうです、実は初期の案だと嬉々として他人を殺害するキャラクターにしようとしていたのですが、なぜか最終的にライブしているPCが誕生していて首を傾げていました。どうしてこうなった。

アイサカ・ユーリについて

 学校生活からドロップアウト気味な不良高校生、しかして本人の頭が悪いわけではなく過去の挫折と絶望から、世の中を冷めた目で見ているがゆえに目の前の現実と向き合えていない、どこにでもいる"普通"の人間。ただ、その内側には"普通"ではない面白い出来事や人物に興味と憧れを抱いており、それらを求めて島へやってくるのが動機となりました。
 フタハナへの願いは「アイサカ・ユーリ自身が面白い人間となる」ことだったのですが、ユーリ自身はこの願いを自覚していません。招待状のアンケートにも書いたかどうか定かではないので、願いを叶えるために行動するわけではなく、前述の面白い出来事や人物と出会うために積極的な姿勢で交流をしていくこととなりました。
 初期のユーリは善悪の天秤がまだどちらにも傾いていないフラットな状態であったため、他人に対して無礼で懐疑的でありかつ辛辣な口調、取引をする際には必ず貸し借りを要求するビジネスライクな人物となっています。その上で他人と関わった際には「面白いことがあればオレを呼べ」と口癖のように言うなど関わった人からはかなり印象に残りやすいキャラクターになったかと思います。
 また、PLとして工夫を凝らしたのはユーリ自身の言い回し。できるだけありきたりな表現を用いず、ユーリなればこその言い回しをするように努め、RP面において非常に気を使っていました。普段の口調も不良高校生をイメージして荒々しくなりながらも、常に本質を捉えようとまっすぐな対話を相手としていく、それはさながらユーリ自身が相手の鏡となるような形となっていくものでした。
 そして地の文。セリフだけではカバーしきれない部分を補填するように、しかしこちらもありきたりな表現になってしまわないよう、何度も推敲を重ねつつも短時間で繰り出していくよう努めてました。特にメッセージでのやりとりでは地の文から相手に情報を伝えて、ユーリの心情や行動を受け入れてもらいやすいよう心がけ、なぜ彼がそうするのかを理解してもらえるよう腐心した覚えがあります。

異能について

 そんなユーリに与えられた異能は「鏡の世界」。大きな特徴として左右反転したもう1つのマップ(鏡面世界)へと移動が可能になる異能でした。ただし移動するには「水の上にいる」or「鏡かミラーと名のつくものを所持する」必要があり、条件を満たしているときのみ鏡の世界へと移動することが可能でした。なおこの異能はバディを組んでいれば、その相手にも使用することができます。
 鏡面世界にいる間は、現実世界にいるPCたちから襲撃を一切受けることはなく、同じ異能もちからしか襲われないので安全に移動が可能でした。そのためこの異能を手に入れた時点でユーリの生存はほぼ確約されたようなものであり、イノハナ終了までずっと鏡面世界にいることも考えましたが交流がほぼできなくなってしまうのでやめました。
 この異能、欠点としては現実世界のPCとはメッセージを介してしか会話ができないため、全体チャットなどでの交流・情報収集がしづらく、戦闘能力も現実世界ではそこまで高いものではないため戦いに向いてません。鏡面世界にいればステータスは向上するのですが、基本襲撃を受けないため現実世界にバディを置いたままにして襲撃をする、されるでもしないと真価を発揮しづらいものでした。
 これだけを書くとそこまで便利でもないように見えますが、この異能生存に振り切っているため「鏡面世界で安全にアイテムが集められる」「暴走などが近くで起きたとき即座に避難が可能」「鏡面世界にいれば他者の異能対象から外れる(一部のぞく」といった面で非常に有用な異能でもありました。
 さらに応用としてバディ結成時、相手も条件を満たせば鏡面世界へと移動させられるので暴走状態だったり、誰かを襲撃しないといけない相手を任意で隔離するといった使い方が可能でした。なお、本戦中でこの手段は一度だけ使いました。

本戦について

 登録受付期間が終わるとPCに異能が配布され、同時に襲撃が可能となって本戦がスタートします。そして七日間のタイムリミットまでいかにして生き残るかを模索していくこととなります。同時にPCはほかのPCと交流をしていきながら自分だけのドラマを展開していくことにもなり、ここがイノハナにおける非常に楽しい部分。
 友情を築いたり、憎み合ったり、煽ったり、求愛したり、殺しあったりとできることは多種多様であり、それを突然デスゲームへと放り込まれた一般人としての価値観を激しく揺さぶられながら変遷していくことになります。
 肝なのは皆が最初は一般人の価値観を抱いていながら、現実社会を構成する善なる市民であり得たはずなのに、異能を授かってしまったばかりに力に振り回され、気づけばもはや狂人となって人を殺している。もしくは暴走などに巻き込まれて理不尽に殺される、そういったことで混迷していくPCたちの様子を楽しむことができました。
 1日経るごとに増えていく死亡者に震えたり、生きて今日を迎えれたことに喜んだり、なにもできない自分に嘆いたりと、別の定期ゲームではなかなかしづらいRPをして遊べるのが私としては非常に新鮮でした。私もPCに自殺させたり、敢えて殺されにいくなどそれはもうドラマチックになるような遊び方をガンガンやっていたり。
 他にもいろんな方とバディを組んでみたり、メッセなどでのやりとりで熱いやりとりを交わし合う、騒動が起きれば複数人で協力して解決に当たるなど、一人で遊んでいるだけでは決して味わえないような楽しさがありました。それもこれも一週間というリアルタイムでの短さが、より交流とRPの密度を濃厚にしていったのでしょう。期限が最初から短く決められているからこそ、参加者たちはこぞって積極的に関わりあおうとするので、結果として多重で多様な体験となったことかと思います。

終わりに

 正直、万人におすすめできるゲームではありません。自分のPCが理不尽に死んでも笑って受け流せるようなメンタルや、相手のRPを気楽に受け止められるぐらいの余裕さがないと毎日がとてもしんどくなってしまいます。なので参加するための精神的ハードルはかなりのものですが、そこを乗り越えられるとこれまた面白いゲームはないという、二面性の強いものであるとお考えください。
 とはいえ全部が全部良かったとは言いがたく、プレイしているなかで改善してほしい部分はちらほらとありました。UIの分かりづらさ、ルルブの内容が通常ルールのまま、PCの前提条件などにおいて不明瞭な点が多く、私以外の参加者でもプレイに戸惑いが見受けられました。RPの面でも「この情報はPCが知っていてもよいものなのか」という困惑もあり、みな手探りでボーダーラインを知ろうとしてるのはRPの妨げになってしまっているなと。
 さらに異能の格差があまりにも大きく、満足に戦うことすらできない人が多く見られてしまったのが残念なところです。自身のステータスを強化する手段は様々にあったようですが、それを知るころには手遅れなことも多かったので、この辺はルルブなどで事前に情報公開されていればもう少し全体の動き方が変わったかなと思います。しかし、互いに殺しあう以上は重要な情報をいかに集めてそれを自らの手元に置いとくなりして、有利に立ち回ろうとするのがゲームプレイの華ではありますので、この辺りは塩梅が難しいかなと。
 結果としてユーリは七日間を生き抜き、最後まで生存が叶いました。またエンゲージリングを交換しあうとまではいきませんでしたが、互いにとってかけがえのない存在となる相手を見つけて、最後の最後までユーリがユーリらしくRPし続けることができたのは大変楽しかったです。私の関与していないところで色々な騒動や、揉め事もあったようですがそこは不特定多数が参加するPvPゲームである以上どうしても避けられない部分であり、そこについては各人のRPなどに頑張ってもらうしかないかと思うところでもあります。ただ、そういう場であるからこそ一期一会な出会いがあり、二度と体験できないような思い出ができあがるのもまたフタハナだなと今回参加して思えたのも事実です。
 それでは次回のイノハナも開催されることがあれば参加してみたいと思ったところで締めといたします。

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