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イノハナでのユーリの生き様(後半)

26日(本戦8日目)

●コココと二人だけの演奏会
 ライブが終わって翌日。ユーリは真っ先にコココへと連絡をとり安否を確認したのち、ユウキについて知ってることはないかと問いかける。するとコココは重い口を開いて、ライブの最中に何が起こっていたのかを語り出した。あの日、あの時、ユウキの幼馴染が、彼が守りたかったはずの少女が殺され、心が壊れてしまったのだと。そして、まだ花びらが残っているうちにブーケを使って脱出をしたと、コココは静かにユーリへと伝える。その言葉を聞いてユーリは安堵と同時に悔しさも沸く。
 生きて帰れただけでも良かった、などととてもではないが言えない、と。何かができたかもしれないが、もう手遅れであり取り返しなど二度とつかない。それがわかっていてもやりきれない思いが悔しさが憤りが、溢れる。だからこそ、ユーリは思う。コココを失いたくない。後悔をしないために、常に前を向くためにすぐにでもユーリは動く。
 転送装置でコココのもとへと赴いて彼はまっすぐに彼女を抱きしめる。そしてライブから自覚した自ら想いを正面からコココへとぶつけた。この想いだけは必ず伝えておきたいと、ユウキの顛末を聞いて決めたのだ。男女としてよりも、パートナーとしての想い、この島でこんなイかれた状況でも出会えた心許せる相手。この先の生涯で果たして出会えるかもわからない、そんな相手であるコココをユーリはこの瞬間、誰よりも大切に大事に本気で愛していた。
 その想いに対する返答は求めない。あくまでもユーリが伝えたかったのは想いであり、この先についてではなかったから。それでも生きて帰れたならばと願わずにはいられず、その不安を紛らわせるかのように彼は約束をひとつ彼女とする。

いつか出会えることがあったなら、二人でまた演奏をしよう。

 その約束があれば、ユーリは何度だって立ち上がれる、そう信じていたから。コココは頷いて約束をしてくれた、また一緒に演奏をしましょう、と微笑みながら。
 それから大事な話をコココから受けるユーリ。もはや臆することのない男は愉快に笑いながら話を聞いて、そして女へ言う。

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 彼はもうどこにでもいる"普通の人間"ではなかった。一週間という短い時間のなかを全力で駆け抜けて、劇的な環境にも惑わされず、その身、その心に不屈の二文字を刻み込んだ。何度折れようと倒れようと、立ち上がってやるのだと。彼女が、コココが、愛しき人がいてくれる限り。
 それからユーリは言う、今日はこのまま一緒にいてほしいと、ギターを取り出しながら。コココは微笑みながらギターの音色に合わせて歌い出した。

 PL視点ではもうかなりやりきったー!やりきったぞおらぁん!みたいに燃え尽きてました。なので翌日に起きてから驚きましたよ、脱出者リストにユウキくんたちがいるじゃないかって。私の方では彼らになにがあったのか全く把握してなかったので、向こうと繋がってたコココさんに聞いたらうわあとなるお話でしたねー(白目)
 まさかこっちじゃなくてそっちで悲劇が起きてるとか????うっそだろお前ってなりながらこれがフタハナか……と無情を噛み締めてもいました。そのせいもあって「今この瞬間をのがしたらユーリが想いを打ち明けるタイミングがない」と思い、もはやユーリが抱きしめることになんの抵抗もしないコココさんを抱きしめながら告白を決行。なおついでにチューもしたが些細な話だ、何の問題もない。そのあと他にも告白されてる相手がいるって聞いて笑いましたけどね!さすが歌姫はもてもてだなあって。

●ユウキから拙い音声が届く
 コココと二人だけのなか、静かに時間を過ごしているとひとつの通信が届いた。それは本来ならば届くはずのない相手だった。彼の心は壊れてしまい、もはやまっとうに会話できるような状態ではないと。だから今の彼にはどれだけ言葉を重ねようとなにも伝わらないかもしれないと。それなのに、どうしてか、いかなる偶然があってかユウキからの通信音声が、ユーリへと届く。
 その声には、島で出会った人々へのたくさんの感謝と嫌悪と後悔が詰められていた。幼児退行してしまったのか、聞き取るのも苦しいたどたどしい言葉たち。それを聞いてユーリは、叫んだ。お前の言葉で伝えてこい、そしてまだ借りがあるから帰ってこい、強く強く意志を込めて。そんな上部だけのガキの泣き言では心に響いてこないのだとも。本当にお前が言いたいことはなんなのかと、ユーリはあらん限りの大絶叫を端末に向けてぶつけた。
 反応が、あった。聞こえたのはわずかな言葉。だがしかしユーリの熱が確かに彼へと伝わったのと感じ、喉から血をこぼしながらもユーリは叫びを投げかけた、お前は、どうしたいのだと。

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 ああ、ようやく聞けた。彼が本当に願うことを。ゆえにユーリは満足した笑みで言葉を受け取る。必ず伝えてみせる、任せろと。それが"親友"の役目だから。

 はい、地獄みたいな気分でしたね(真顔)いや〜もうあとは終了時間を待つだけか〜はあ〜〜〜〜みたいになりながらこの後に行われる予定のライブをのんびり待ってたらこれですよ(白目)
 実はこのとき別口からもユウキくんに通信で呼びかけてほしいとメッセ来てたんですが「大絶賛本人とやりとり中ですがなにか!?!?!?」みたいな気持ちになってましたね、ええ。そしてユーリにはまだまだやることがあるみたいでこれはのんびりしてられないなって気合いを入れ直してました。

●きらライザ&ペロ+αのライブ
 全体チャットでユーリの独白語り+コココの歌

 その日の夕刻過ぎ、多くの人たちが殺し合うこともなく静かに終わりをまつなか、再びきらライザによるライブが開かれていた。そのステージにはこの島で出会い苦楽を共にしたであろう仲間たちともに立って。
 当然、多くのひとたちはライブCHの方へと意識を集中しだす。それだけ普段使われている全体CHは静かな様子であった。それがちょうどいいと言わんばかりにユーリは通信端末を握り、痛む喉と掠れた声でひとり、語り出す。

 東雲ユウキっていう、ひとりのバカの話を

 だれでもいい、誰でもいいから聞いて、知って、思ってほしい。あのバカのために、そうユーリは願って語り出す。ひとりのバカがいた、まっすぐで誰かのために走り出せるやつがいた。でも傷ついて傷ついて、最後には壊れてしまったのだと。だからこそユーリは言う、忘れちゃいけないのだと、こんなくそったれな島でも、まっすぐ走ろうとした最高のバカを。
 ユーリはそんなバカからの言葉こそ、皆に知ってほしいと叫びながら伝える。アイツはまだ願いを叶えられていないのだと、だからあのバカの願いを叶えるために島を脱出したあとは、会いに行ってやってくれと。それが自分を"親友"だなんて言うバカへとできる頼みだ、そう言って語りを終える。
 そして、ユーリの語りを継ぐようにしてコココの歌が響き渡っていった。

 PLとしてはどうやって伝えようかなって考えてたら、ライブの裏でやればいいじゃん!と閃いたのがまさにライブ始まる直前でした。もしかしたらライブの最後に乱入とかもありだったかもしれませんが、それは打ち合わせもなんもしてない状況でやることじゃないので、結果としてはこっちでやって良かったなーって。なにしろこれも全部アドリヴだったし、このときはみんなライブCHに移動してたおかげで全体CHが静かだったので、ログが流れなかったのが幸いでした。ちなみにコココさんにはこの辺、一切伝えてませんでしたので、ユーリの語りが終わったあとの歌もアドリヴだったと思いますね。おいおいまさかの生歌ですよぉこいつぁって私が一番驚いてました。

27日(本戦終了後1日目)

●カフェ teaparty にてナカちゃんとお話しタイム
 この日は殺し合い終了ということでみんなのんびりしてて、ユーリもあちこちの拠点やCHを巡り歩いて顔出したりしてました。いわゆる最後のあいさつ周りみたいな感じで。面白かったのは拠点に顔出すたびに有名人扱いされてたので「ああ、みんなライブ聴いててくれたんだな〜」って嬉しかったですねーそしてその日の最後にカフェCHであるteapartyへとお邪魔して、そこで店員のナカちゃんから"この島に来てよかったこと"を尋ねられて、いろいろとお話してました。

 ユーリが嫌いなものはなんだったのか、そしてその理由。また島にくるまではどういう日々であったのかも隠さず話してるあたり、ユーリが過去の自分に対して吹っ切れてる様子がありました。そして話はコココさんが廃墟で暴走していたころに言及。
 最初は関係ないと見過ごそうとしていた、だけどヒルフェちゃんの悲鳴が聞こえてきた瞬間、きづいたら廃墟巨人の前に立ちはだかっていた。そうユーリは続けます。どうしてそんな行動に出てしまったのか、それはユーリがユーリ自身に怒っていたから、いつまでも逃げるなと走り出したから。

 この辺、ほんとうまいこと落とし込めたなってログを見返すたびに思います。ユーリのなかには鏡のように相反する意志が存在していて、悲鳴を聞いた瞬間、かつてヒーローに憧れていた自分が駆け出した、なんて解釈ができてしまったので。そのおかげで、イノハナにおけるユーリはくそったれな状況に中指つきたてながら、誰かを助け鼓舞するために弾き叫ぶ男になれたのだろうなと。

28日(本戦終了後2日目)

●クーにメッセで一緒に演奏会へ来いと言う
 ユウキくんの幼馴染のひとり、クーくんからの突然のメッセ。なんだろうなと思っていたら襲撃事件で裏切ったとかなんとか。正直、PL視点ではあのときなにが起こってたかを一切観測できてなかったので、そっかーぐらいの気持ちしかありませんでした。というか幼馴染まだいたの?ってぐらいの気持ちのほうがでかかったかもしれない。
 それでまあクーくんの物言いがはっきりしないのでユーリぷちおこ。彼からユウキくんについての謝罪やお礼を言われると、笑いとばしてユーリはお前も一緒にユウキへ会いに来いと言ってあげたのでした。きっと一番悔やんでるのはクーくんだろうなと、言葉と態度から察していたので。それにしても痴女のもつれが激しい男だなユウキくんはってこの時のPLは思ってました。だってクーくん、女の子だと思ってたから!!!!!!!(あとから男だよって言われて初めて気づいた)

●早朝にシャネル自殺事件
 はい、深夜までみんなと全体CHで他愛もない話しをしていた最中に起きたやつです。これねーほんといきなりでびっくりしましてねーしかも早朝4時か5時ぐらい?だったので頭が回らない回らない。おかげでかなり感情的になってあーだこーだ言っちゃいましたが、あとになって思ったのは「ああユーリも誰かが傷ついて死ぬたびに苦しんでいたんだな」と。さらにはもう誰かの前であっても自分の弱音をさらけ出せるぐらいには、人を信じ出してる彼がいたことに気づけました。結果としてシャネルちゃんは友達の魔法少女によって復活し、ことなきを得ました。でも早朝にやるのは勘弁な!!!!!頭が回らねえんだ!!!!!!!

●クララに亜空間へと招待される
 これはもうなんだったんだっていう話ですね。昼過ぎぐらいにいきなり知らない子からメッセ来て、なんかミーハーなことをべらべら言われてふーんそうってなって、見せたいものがあるのでよければバディになってください!と言われて良いよってなったらあら不思議、亜空間へとご招待。
 おいおいおいおいおいおいってすげー焦りました。なんせ亜空間にいると30分後には死んじゃうって書いてあるじゃあーりませんか!しかも相手もなんか笑顔のままだし、なんか物騒なこと言い出してるしでやべーこいつやべー!って焦った挙句に「いやまて、鏡の異能で脱出できるんじゃね?」と思って実行したら亜空間から鏡の世界に移動できてしまい、そのままもう一度異能を使ったら無事帰還できたとさ。
 結局なにがしたかったんだろうと謎のままメッセは終了。一応へんなやつがいるから気をつけろと全体CHで警告はしたものの、ほんとなんだったんだろうねって。

●ワンマンソロライブ
 ユーリはこの島に来た時を思い出す。"普通"が嫌いでそんな人間になることを一番恐れていた自分を。でも今はそうじゃない、かつて憧れた"彼ら"の横に並び立てる自分となれるよう、立ち向かうと決めたことを。そのために、歌う。たった一人の貴女を思って、ギターを弾いて、歌う。そして、これからも立ち向かい続けるために、歌う。

 これも例によって例のごとく全部アドリヴでやりました(真顔)一応どんな展開にするかは考えていたので必要になるであろう画像だけは先に用意していましたが、ライブ中に歌っていた歌詞は全部即興です。なんでしょうね、事前に考えても良かったのですがどうしてもそれだと熱意が込められないなって思ってしまって、その場で考えながらやることにしました。
 なので出だしは非常に苦労したのを覚えてます、こんな始まり方でいいだろうか、この出だしで後に歌詞がつなげられるだろうかと。なにせ歌を考えたことなんて今までの人生で一度もありませんでした、歌詞を即興で考えてつなげていくなんてこともしたことありません。その上、果たしてユーリの想いはちゃんとコココさんへと伝わってくれるだろうかと、たった一人の観客である彼女へと贈るにふさわしいライブにできるだろうか、そんな不安も混じっていました。
 そんな不安も途中からは吹き飛んでいきました。考えるよりも先に文章ができあがっていくようになり、最後はもうこれしかないと決めてあったかのように綺麗に文が歌詞が組みあがっていって、そこにユーリがこの島で過ごした想いをぶち込んでいきました。この島で、"君"を見つけられた/"君"を見つけてくれた、そのことへの感謝と最大の喜びを歌に込めることができました。

 余談ですが、本当はこのライブ、コココさんには隣で聞いていただく予定だったのですが、ほんの数時間前にうっかり彼女が乗船チケットを使ってしまったことで船に乗ってしまうというハプニングがありました。いやー笑いましたね、笑うしかなかったとも言いますが。おかげで船に近い場所でライブをすることを決めたのであの時間帯、わりとユーリのライブを目撃された方も多かったようです。全体CHを使わず周辺チャットのみでの発言だったので、船近くまで来てるか船にのってないと聞こえないにも関わらず。
 もういっこだけ余談をつけると、このソロライブでユーリの名前がどういう由来だったかをやったのですが、あれ全部後付け。アイサカ・ユーリって名前も登録するとき適当に決めただけでなーんも意味とか考えてなかったんですよね!いやあ、まさか名前をネタにして最後のライブにまで引っ張ってこれるとは我ながらどうかしてますよ本当に。なんだこのネタの繋がり具合はって。

時系列まとめを終えて

 前半・中盤から時間が開いてしまったものの、改めてイノハナでの時系列をまとめながら一つ一つの出来事を見返してみると、非常に内容が濃いものであったなと。そしてそのどれもがどこかで繋がりを持っていて、最後の最後までユーリがユーリであることを示すものとなっていることが、偶然とは思えないほど運命的だったと思わずにはいられませんでした。単にそう見えるように受け止めている、もしくは解釈しているだけかもしれませんが、それほどまでにイノハナで体験した出来事の数々がユーリのPLであった私にはドラマチックなものだったのです。
 ただ、誰もがこんなドラマチックな経験をできるとは限らず、本当に私は運良く機会と人間関係に恵まれ、そしてユーリの設定と噛み合って彼が彼であるための舞台に立つことができた、幸運な人間です。もちろんそのための努力もしていましたが、常に全力かつ無我夢中でやっていたのもあって、狙ってできたことはほとんどないのです。
 イノハナを終えてPLを明かしたとき、ともにイノハナを遊ばれた方々から「かっこよかった」「歌をありがとう」など多くの言葉をいただきました。非常に嬉しかったのと同時に、そんなにもユーリは輝いていたのだなと終わったあとから実感したものです。彼が輝けたのは一人の力ではなくて、ともにあったコココさんたちのおかげでもあり、他にも大勢いた方々のおかげであることを記して、この記事は締めたいと思います。
 最後まで読んでいただき、まことにありがとうございました。

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