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第10章 伯父と私

先にお伝えしておくが、ここに書いている「伯父」とは、第3章及び第4章の登場人物である伯父ではない。ここで書くのは、母の姉の配偶者の「伯父」だ。つまり、血は繋がっていない。(第3章及び第4章の伯父は、母の兄のことである)
本文における「伯父」とは、全てこの伯父(義理)のことだと思って読んでほしい。

伯父は実に面白くて型破りで、奇想天外な人であった。私は伯父との楽しい思い出もあるが、どちらかというと、やり合った記憶の方が多い。このことを説明しようとすると、相当過去まで遡って説明しないと、読者は理解できないだろう。なのでそれはまたの機会に書こうかな。(笑)
実は、書こうとしたのだが、どう足掻いてもうまく書けなかった。話が脱線して、何を言いたいのか自分でさえも分からなくなる。こんなことは初めてだ。きっと、この当時のいろんな思い出や記憶、感情が入り乱れて、私に書くことを許さないのだろう。そんな時は頑張って無理やり書いて誤解の生じるヘンテコな文章になっても無念だし、きちんと“書ける状態”に、自分の精神が落ち着くまで待っているのが得策かな、という結論に至った。

なので、この章では、簡単に伯父のことを知ってもらおうと思う。
伯父は、新婚当初、家にお金を生活費として幾らか渡し、残りを自分の遊興費として使うような生活を続けていた。また朝「行ってきます」と家を出たきり、十日間ほども帰宅しなかった、との逸話もある。
伯父は高校を卒業後、定年退職するまで40年以上警察官としての職務を全うした。しかしプライベートでの姿しか知らない私には、一生懸命職務を全うしたとはとても思えない。(失礼!)

伯父は多趣味な人だ。そして、何をするにも“形”から入る。趣味とはつまり、旅行、釣り、ゴルフ、囲碁、卓球、テニス、スキーだ。但しこれは私の知っている範囲だけのものであり、知らない趣味も合わせるともっとあるのではないだろうか。
全てにおいて“形”から入るので、実家の納屋で預かっている伯父の遺品は、ゴルフセットやスキーの板・ストックをはじめ、全てのスポーツで使ったウェア、靴、釣り道具など、とても多い。釣りに飽きたらそれ以降は全くせず、次の趣味へ、飽きたらまた次の趣味へ…と渡り歩いた。

優しい一面もあった。入退院を繰り返す私に、プレゼントを手に見舞いに来てくれた。今でも実家にある、ピンク色のピエロのオルゴール。あれは、O病院に入院した時にくれたものだ。
その他、お誕生日、クリスマス、ホワイトデー、ありとあらゆる記念日の思い出がある。
また、しょっちゅう宴会をした家庭に育ったことはこれまでに書いたが、宴会の常連でもあった伯父とは、宴会が終わった後、何度もカラオケに行き、演歌合戦をしたり、マイクの奪い合いになったりもした。
一緒に旅行にも行った。沖縄や伊勢志摩、城崎にも行ったし、山陰地方にも行った。祖父が亡くなった後には、(既に他界していた)祖母の故郷である大分を経由し、熊本にも行き、みんなでワイワイ観光した。観光地での運転は、ペーパードライバーばかりの私達家族の中で唯一の適任であった伯父が、いつも名乗りをあげてくれていた。

晩年、私と伯父はやり合うことが多かった。それは、伯母が重い鬱になり入退院を繰り返し、妹である私の母が気分転換にといろんなところへ連れ出し、ようやく回復し、という生活を十年以上も続けてきて、伯父は【遊び】の手を休めることはあっても、またそれを再開し伯母への寄り添い方が足りないと感じたからである。(寂しがり屋の伯母は、年を重ねるにつれ一人にされるのが苦痛だった)

十月末に伯父は心臓からくる突然死で帰らぬ人になった。
一言で言うと、『自分の思うように、したいように生きた人』。周りにはこう見えるのだが、当の本人はもっとやりたいことをしたかった、と思っているのに違いない。人間とは、そういうものであるように思う。

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読み返せば読み返すほど支離滅裂で稚拙な文章になってしまった。でも、これが今の私の精一杯なのだ。書いては消し消しては書いてを繰り返したが、経つのは日にちばかりで、どうにも仕方がないので、恥を偲んでこの拙い子どものような文章を世に晒そうと決意した。また、機会があれば手を加えるだろう。いつも訪ねてくださる読者様にはどうか気長に待っていていただきたい。私の文章力は、本当にどうにかならないものか。穴があったら入りたい気持ちである。

話には聞いていたが、本当に白バイに乗っていたみたいだ。(!)
私は、この葬儀の場面でやっと実感した次第である。
おじちゃん、ごめんな。こんな真面目に仕事してたの、ほんまに知らんかったんよ。
いつもあんなにおちゃらけていたやん。
迎えに来るのはまだ早いで!
みんながそちらに行くまで、気長に待っててな。

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