見出し画像

12.ヴェルサイユ体制下の欧米諸国

ヴェルサイユ体制とワシントン体制

ヴェルサイユ体制

ヴェルサイユ条約などの一連の講和条約により形成されたヨーロッパにおける新国際秩序

・ウッドロー・ウィルソン米大統領「十四か条」・レーニン「平和に関する布告」
⇒民族自決権の原則
⇒東欧に多くの独立国
ex)ウクライナなど

・ロシア革命への対応
・帝国主義諸国による植民地支配の継続を前提
・国際連盟の設立 
⇒集団安全保障という新理念に基づく平和維持機構

ワシントン体制

ワシントン会議の結果生まれた、アジア・太平洋地域における新国際秩序

・アメリカの主導下に諸国間の協調図る
・極東・太平洋における植民地体制の維持
・中国の門戸開放とアメリカの参入機会の確保
・対外進出を図った日本の封じ込め、特に中国進出の抑制
・極東で高揚する民族運動への対処

国際協調と軍縮の進展

不戦条約

・1938年末までに当時の独立国の9割ほどの63か国が参加
・戦争の違法性の原則確定・全世界的な承認
⇒画期的
・複数の大国が批准に際し、「自衛権」に留保
ex)日本:満州事変などを自衛権の行使と主張
※自衛権の行使であるという体から「事変」という表現。実際に自衛権の行使であるかどうかは議論がある

西洋諸国の停滞

ドイツの相対的安全期(1924-29)


・シュトレーゼマンは1923.11に首相辞任
⇒しかし192910の死までが外相として共和国の安全と国際協調に貢献

シュトレーゼマン外交の意義


・賠償問題:ドーズ案締結
⇒ドイツ経済も回復基調へ
※ドーズ案:アメリカがドイツに民間資本を投資、ドイツがイギリス・フランスに賠償金支払い、イギリス・フランスがアメリカに戦債支払いという循環を目指す案

・英仏関係改善 1925.10 ロカルノ条約
・対ソ関係改善 1926.4 ベルリン条約(中立条約)
・単なる反戦平和外交ではない
⇒独ソ接近で西方列強に譲歩迫る

イタリアのファシズム

ファシズムとは


・反自由主義・反共産主義の第三の道
・大衆を政治行動に積極的に動員した行動体系
⇒国民との合意
・「ナショナリズム」と「社会主義」の結合
・一党独裁体制とカリスマ的リーダーシップの下で権威主義を運営
ex)イタリア:ファシズム、ドイツ:ナチズム
・ファシズムとのグレーゾーン
・戦前日本の軍事独裁体制
⇒単一政党による独裁やカリスマ的指導者の欠如

・スターリン時代のソ連
⇒そもそも反共産主義ではない

・スペイン:フランコ体制
⇒大衆的支持基盤を持たない反動的な国粋主義的・軍事的個人独裁体制
⇒ファシズムではなく権威主義の方が近い?
※国粋主義:自国の文化こそが最強!とする考え

まとめ


第一次世界大戦後、欧州に代わり米ソが台頭
⇒アメリカは孤立主義に回帰、ソ連は当初国際社会から排除
・ヴェルサイユ体制の矛盾(民族自決がヨーロッパ向けなど)
⇒日独伊でヴェルサイユ=ワシントン体制へ反抗
⇒ファシズムの成立・第二次世界大戦へ




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?