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イラストAIとイラストレーターの今後

はじめに


「AIに多くの仕事が奪われる」そんな話が何年も前から囁かれていました。そして今、そんな話がいくつかの分野で現実のものとなっています。
 私自身もプロではありませんが、イラストを描いており、周囲には専業で活動している人も居ます。
 今「大丈夫」だと言われていた芸術の分野がAIに脅かされているのかもしれません。

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イラストとAI

 実はイラスト界隈でAIによる画像生成は何年も前から話題となっていました。

ただそのどれもが、一部背景などの強みはありつつも「AIらしさ」を強く残しており、多くのイラストレーターやそれを目指す人達も危機感を持つようなことはほとんどなく、「表情やポージングの差分の元ネタにするとかなら使えるかも」のような、AI側をフォローするような余裕さえありました。

そんな中、2021年頃からいくつかの優秀なイラストAIが登場します。有名どころだと「midjourney」「WOMBO dream」「DALL-E」などがあります。

特に「midjourney」は2022年にアメリカのコロラド州で開かれた公募展でデジタル部門で受賞した作品を生成したことでイラスト界隈で大きな話題の種となりました。

 この受賞が正当か、不正かといった議論や、もはや人間のイラストレーターは不要ではないかといったような議論がいよいよ本格化しはじめたのです。


受賞したAI「midjourney」で生成したイラスト

そしてついに今話題のAIが登場します。

NovelAIの登場

2022年10月3日。恐らく現在存在する中では最強のイラストAI、NovelAIが登場しました。(もとは名前の通り小説(novel)を生成するAIとして2021年6月15日に公開されたAIだったが、追加機能として画像生成機能が実装された)

実装当初からその完成度の高さが話題となり、今では英語版で設定値の複雑さから扱いきれなかったという人がTwitterなどのSNSを介して情報を収集し、プロ級のイラストを生成している様子が分かります。

NovelAIの画力について


 NovelAIの特徴は、アニメ的なイラストに強いという点です。先のmidjourneyなどは油絵などの写実的な雰囲気のイラストを得意としていたのに対し、NovelAIは日本のアニメーター、イラストレーターが描くようなテイストのイラストも生成することができます。
  
 その画力は圧倒的で、それまではイラストAIをある種ネタの一つとして扱っていたイラストレーターも居ましたが、現在まで二週間程度しか経過していないものの、NovelAIの画力についてネタにしているyoutube動画などは見当たりません。

 指の本数や関節の数、服のリボンなど比較的複雑な構造物に関しては誰が見てもおかしいことが多々あります。また、細かい修正の指示が出しづらいこともあり、その意味ではまだまだなのかもしれません。 
 しかしそんな弱点を踏まえてもなおイラストレーターという職を壊滅させ得るだけの破壊力がNovelAIにはあります。

 逆に顔や背景に関してはプロ級で、私がTwitterで見かけたものには絵師の中でもさらに画力に秀でた、いわゆる神絵師と呼ばれるイラストレーターと並ぶほどの出来の物もありました。(NovelAIの生成するイラストは目に既視感があることが多く、恐らくプロのイラストレーターの目の描き方を学習した結果が強く影響しているものと思われます。)

 さらに「いらすとや」のイラストをもとに高クオリティのイラストを生成することも可能なようで、実際にビフォーアフターを挙げているツイートもありました。

これにより、「ある程度の画力がないと使えないんじゃない?」という疑問に対してもNovelAIが比較的に有利な立場を取ったように思います。

イラストレーターはいなくなる?


 私個人の予想としては、「すぐには無くならない」と思っています。
ただしこれは、現在NovelAIと同等程度の画力を持っている人、あるいは既に画力などとは別にネームブランドを築いている有名イラストレーターに限った話です。
 
 無名イラストレーターや現在、あるいはこれからイラストレーターを目指す人にとっての緩やかな死刑宣告としては十分だと考えています。

 簡単なイラストの作成依頼であればAIに任せれば「安い、早い、差分も作れる」といい事がたくさんあります。そして生成されたイラストの細かい修正を仕事に飢えたイラストレーターへ依頼すれば、従来よりもはるかに安く、そして早く納品してもらうことができます。

 無名イラストレーターはAIイラスト修正屋さんになってしまうのかもしれません。

 他にもイラコンが減るということも考えられます。素人、駆け出しイラストレーターにとって自身の知名度と賞金と、その両方を得る大きな機会となるのがイラストコンテスト、イラコンです。

 イラコンには幾つか種類がありますが、大きく分けると、「イラストなどの成果物を求めている場合」と「それ以外を求めている場合」があります。

 それ以外というのは、大手ペンタブメーカーや、イラスト講座を配信している企業などが、若手の画力向上などを目指して月例で開催しているようなイラコンが該当します。

 成果物を求めている場合というのはそのまま、「よいイラスト」を求めて公募しているようなものです。なにかポスターを作りたい、イメージキャラクターを作りたい、といった場合に開催されるものです。

 金額や頻度の面でも、重要なのは後者です(ある種仕事としての依頼に近いため)。こちらの方がリターンが大きい場合が多いのが現状です。
 
 しかしただ成果物を求めるのであれば、それは人間が作ろうがAIが作ろうが関係ないと考える人は必ずいます。
 そういう人は時間も金も掛かる人間にわざわざ頼まなくなり、イラコンも開催されないか、規模や頻度を控えるということも予想されます。

 そしてイラコンが減り、イラストを自作したことすら疑われる現状では、新たにイラストレーターとして名を挙げるのは難しいかもしれません。

 その意味でこれから目指す人たちにとってイラストAIの存在は大きな懸念点であることは疑いようのない事実であるように思います。

 

最後に


急いで書いたので、誤字脱字や過不足等あるかと思いますので、後日落ち着いてからも、補足等していきたいと考えています。
 個人的には、イラスト業界に限らずAI化には下手に逆らうのではなく、差別化や両立を目指し、共存を目指すべきだと考えています。
 しかしイラストに関して言えばその上手い差別化の案すら見つからず、ただ右往左往しているように見えます。これができなければ滅びる他ありません。

 また総合的な画力に関して言えば、私自身もNovelAIに劣っていると感じています。一から描き始めるという人であれば追いつくのに、早くて3年はかかると思っています。
 先の見えないこの業界に3年を捧げる価値はあるのでしょうか。今後に注目していきたいです。

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