『麹』の虜。
数年前から"塩麹"が人気となり、皆さんも一度は口にしたことがあるかもしれません。少なくとも聞いたことはあると言う方は多いのではないでしょうか?我が家でも常に冷蔵庫に入っている常備調味料の一つです。
"『発酵』を知って得をする。"でも書かせていただいたように、日本特有の発酵菌と言うのがあります。それは『麹菌』です。塩麹の原料となる麹は〔米×麹菌〕から作られています。今回は『麹』について詳しく見ていきたいと思います。
1、【麹って何?】
そもそも麹とは米、麦、大豆などの穀物をコウジカビ(麹菌)によって発酵させた物を言います。一般的に多く使われているのは米麹で、塩麹や甘酒などの原料として使われています。ほかには麦麹や豆麹と言った様に、ナニとコウジカビ(麹菌)を組み合わせるかによって麹の種類が決まります。
麹はお米の周りにホワホワとしたカビのようなものが付いていて、最初に見たときは一瞬腐っているのかと思いますが、それが正しい姿です。
2、【麹がもたらす素敵な効果】
麹には女性も男性も嬉しい、健康や美容に直結する効果がたくさんあります!まず大きく分けて4つ。
①食事に関する甘味と旨味
②腸内環境改善
③美容、美肌効果
④疲労回復と細胞の活性化
これだけを見ても一気に興味が湧いてきますね!
ちなみに、麹には体への悪影響はないとされていますので、毎日家族が安心して食べられること間違いありません。
3、【麹がもっと好きになっちゃう】
『麹』をもう少し細かく見ていきましょう。私はここまで書いてきて、すでに麹の虜になってしまいました。
○甘味と旨味はなぜ生まれるのでしょうか?
それは、麹はデンプンを分解して糖に変えるアミラーゼとタンパク質をアミノ酸に分解するプロテアーゼと言う酵素をたくさん作ってくれますので、この二つの酵素が甘味と旨味の素となるのです。
○麹による腸内環境の改善とは?
消化吸収を促してくれるのも麹に含まれる消化酵素です。麹に含まれるオリゴ糖が善玉菌に吸収され、腸内で活発に動いてくれます。腸内環境が改善されると免疫力アップに繋がるのです。
○美容、美肌効果があるって本当?
アミノ酸は骨、肌、皮膚を作るのを助けてくれる酵素です。また美肌成分の一つでもあるコウジ酸が含まれているので美肌効果も期待できます。コウジ酸にはメラニン合成酵素を抑える働きがあることもあり、メラニン色素の沈着を抑えてくれる働きがあります。肌の黒ずみなどを抑える役割があるとして、今では多くの麹菌を使った美白化粧品も出ています。
○疲労回復と細胞の活性化って?
麹にはビタミンB1、B2、B6などが豊富に含まれています。特にビタミンB2は身体の成長を促し、皮膚や髪の毛、爪などの細胞の再生も促してくれます。つまり、成長期の子供の食事にも積極的に取り入れたいですね!
4、【麹を使った料理】
次に麹がもっと身近になるお話をしていきましょう!
よく、調味料の"さしすせそ"と言いますが、麹が作る"さしすせそ+み"を考えてみました。
○甘酒:〔米麹×米×水〕→甘味の調味料となる
(低温調理や冷たいおやつには砂糖の代わりに甘酒を使用することがあります。)
○塩麹:〔米麹×塩×水〕→塩味、旨味、(ほのかな)甘味の調味料となる
(お肉やお魚を塩麹に漬け込み、調理することで発酵食品を気軽に取り入れることができます。)
○酢:〔①米麹×酵母菌×アルコール発酵〕=米酢
→①を〔麦・粟・とうもろこし〕に置き替えると=穀物酢に。
他にも〔玄米〕=黒酢 〔粕〕=赤酢 〔もろみ粕〕=もろみ酢
〔もち米・高梁・粟〕=香醋(中国酢)となります。
(大まかに言うとこのようになります。酢は塩に次ぐ古い歴史的調味料と言われており、酸味を加えてくれます。)
○醤油:〔大豆・小麦×麹菌×塩×水〕→風味、塩味、臭み消し
(味噌桶に溜まった液体が美味しいことから"溜醤油〈たまりしょうゆ〉"と呼ばれたそうです。)
○みそ
:大豆×米麹×塩=味噌(日本で一番多い製法)
:大豆×麦麹×塩=麦味噌(田舎味噌と呼ばれることも)
:大豆×種菌×塩=豆味噌(赤味噌、八丁味噌)
○みりん:〔米麹×もち米×焼酎〕→香り、甘さ、照り
(アルコール分を含む調味料で、昔は飲用されていたが、江戸時代以降に調味料となったと言われています。)
ここまで読んでいただいた方は、麹が作る日本の食文化の奥の深さが伝わりましたでしょうか?
毎日、当然のようにとっている食事は、実はとても奥深く、歴史が作り上げてきたものなのです。毎日体に取り入れるものの栄養価や効果を知りながら食べるのと、何も知らずに食べるのとでは食事の楽しみ方が変わると思います!
他にも気になることをご紹介していきたいと思いますので、是非読んでみてください。
ここまでお付き合い頂きまして、ありがとうございました!
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