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2020 慰めの桜

2020年はコロナで大変な思いをされた方がたくさんいらっしゃいました。

罹患された方、エッセンシャルワーカーの皆さま、お客様無しでは成立しない飲食店などのサービス業の経営者及び従事している皆さま、コロナのせいで仕事を変えざるを得なかった方、希望溢れる春を迎えるはずだったのに、理想と現実の差にもがいている皆さま。

激変してしまった生活のことを思うと胸が痛いです。

2020年はコロナ無しでは語れない一年になってしまいました。

大学生になった子どもの入学式の中止が、緊急事態宣言発出前から早々と決まってしまいました。仕方がないと思いつつも、悔しい気持ちになりました。

子どもは、2度目の大学入学です。現役で入学し、自分でやりたい学問や大学選びをしたものの、思ったものとは違っていたらしく、1年生の後期からほとんど通っていませんでした。私はそのことを大学から電話で知りました。子どもは通っていた振りをしていたのです。

親としては子どもに問い詰めます。当然のことです。子どもは、「やりたいことが見つかったから、大学を受け直したい」と言い出しました。

2019年正月のことでした。

学力の貯金があるから一般入試は何とかなるかもしれないけど、調査書を書いてもらうためには高校にも報告しないといけないし、願書提出には間に合わない。大学を受け直すには時期が悪いと、私が却下しました。私に伝える時期も、本人の本気度も、全く伝わらなかったからです。
授業に出席するように諭して、本人もその時は納得をしてくれました。

2019年の6月に子どもは再び私に大学を受け直したいと言いました。1年時の再履修の科目がたくさんあることに加え、2年の必修科目も休んでいたらしく、このままでは試験も受けられなくなると大学から再び連絡を受け、これはもう、私が却下しても、お互いのためにはならないと理解しました。

AO入試で合格すること、失敗したら、何年かかっても大学を卒業することを約束して、受験を認めました。

頼りになるコーチのお陰もあり合格し、2年の前期で大学に退学届を提出しました。そして今年、晴れやかな気持ちで再スタートをしました。

この入学式は、私たち親子には特別な節目になるはずでした。私は子どもにどうしてもお祝いがしたかったのです。しかし、それは叶いませんでした。

今年の桜は、3月中に満開になりました。感染防止のため、キャンパスに入ることはできなくなったものの、大学のご厚意で屋外ならどうぞと、満開の桜をバックに写真を撮りました。私たちにとっては、入学式の代わりでした。たった数分でしたが、特別な時間でした。

せっかく縁があって入学したのに、卒業できなかったことは、残念でした。でも面倒見の良い大学に通わせて、良かったと思いました。そうでなければ、授業に出ていなかった事や、大学とのミスマッチに全く気が付きませんでした。
この点については大学に感謝です。このまま通わせても、授業料を無駄に払い続けるだけで、きっと卒業はできなかったかもしれません。

子どもはとても楽しそうに勉強しています。
今のところ単位も取りこぼしはしていません。
留年せずに頑張ってもらいたいです。

来年こそは大学でのキャンパスライフが叶うと良いなと思います。

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