チープ・スリルで騒ごうぜ(2)
『チープ・スリル』の巻
●インタビュー・テキスト・写真/津田 真
――今回は黒石衿花(苗字決定!)・白河花凛の2人とジャニス・ジョプリン(ビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニー)『チープ・スリル』について。
黒石「チープ・スリル??」
――っていうタイトルのアルバムです。この連載タイトルの元ネタでもある。
黒石「ふうん」
――もう既に人ごと(笑)。どうでした?
白河「2人とも一緒だったのは、興味のない音楽を聴くのがこんなに苦痛だとは!って」
――そうかー(泣)。
黒石「全部テンポが眠くなる感じ」
白河「これってライブ音源ですか?」
――ライブアルバムです。
白河「ああ。え、当時はレコーディング方法がなかったんですか?」
――そういうことではなく。
黒石「え、ライブだったの?」
白河「歌ってる人が男か女かも判らなかった」
黒石「男でしょそれはー。え、違うの?嘘!(写真を見せられ)おじさんかと思って聴いてた」
――この頃24歳くらいかな。27歳で死んでるので。
白河「若い!死因は?」
――まあドラッグですね。その頃のよく判らない死に方は大体ドラッグ。…その頃がいつかもよく判らない?
白河「江戸時代?(一同失笑)」
黒石「(勝ち誇ったように)それはない。1800年代くらい?違う?」
スタッフ「それ江戸時代だよ!」
――平賀源内もびっくりだな。1世紀ズレてる。
黒石「全部同じに聴こえる。これロック?」
白河「叫んでるからロック」
スタッフ「それは一理ある」
――現在に至る女性ロック・シンガーの雛型ですね。
※ここで“サマータイム”を原曲と聴き較べる。
白河「同じ曲なんですか、これは。全然違う」
――同じ曲です。
黒石「全然違う」
――カバーは解釈というか、自分達の色が加わらないとやる意味ないでしょ。
白河「そうですね」
――これはかなりイッてる方。原曲を素材にしてバンドの持ち味や歌の聴かせどころを追求したらこうなった、みたいな。
白河「なるほど!シドの“妄想日記”みたいな(V系に引き寄せて理解)」
黒石「私ワン・ダイレクションでも飽きるし、日本語じゃないと」
白河「英語に限らず何語でも、判らないのがダメ」
黒石「音がV系っぽくても日本語じゃないと。別に訳して意味が判っても聴こうとは…ハローハロー♪って誰の曲ですか?」
――ビートルズの“ハロー・グッバイ”だね。
黒石「そういう曲なら聴ける」
――あ、「ハロー」は日本語並に通じるから?
黒石「うん(一同爆笑)」
白河「西野カナとか、別にどうでもいいですけど、会いたくて震えるとか共感するし」
――それがもし英語だったら?「ふーるーえる~」が「Feeling so blue~」とか。
白河「あっ、凄い一瞬で興味薄れる(笑)」
――ううむ…(黒石メモを見て)「嬉しいことがあってテンション上がってきた!って感じ」「不満を言ってるみたい」…不満をぶつけるっていうのはロックのスタート地点だね。
スタッフ「ロックは若者達の反抗の音楽として、テクも何もないけど体制や大人達をやっつけてやるぜ、っていう…」
白河「ワシらだね!アイドル情勢に当て嵌めたら同じ!」
――そう、まさに「何がAKBだ、何がスタダだ」と登場したのが、少ナショ(笑)。
白河「何で笑うんすか!(笑)」
▲黒石衿花 白河花凛(L-R)
▲里咲りさ 羊戸ひなの 黒石衿花 白河花凛 福円もち(L-R)
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