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BELLRING少女ハート・宇佐美萌 インタビュー

ベルハーを嫌いになりたくない

BELLRING少女ハートのメンバー宇佐美萌が、2016年2月1日の誕生日をめどに卒業することを発表した。
彼女が「インタビューとかしてください」とツイッター上で発言したことをきっかけに今回のインタビューが実現。
「就職をしたい」という理由で卒業する彼女はいま何を思っているのか。2012年からのおよそ3年間で得たベルハーでの経験や家族との関係、ファンに伝えたいことなどを話してもらった。

●インタビュー・テキスト/しずくだうみ
●写真/飯本貴子

津田 今日はよろしくお願いします。
宇佐美 お願いしまーす。
津田 そもそもはもえちさんが卒業を前に「いっぱい取材してください!」とツイッターでうかつなことをつぶやいていたのを真に受けてこういうことになりました。
宇佐美 感謝!真に受けてくれてありがとうございます。嬉しい。
津田 普通に僕がインタビューするよりも、しずくだうみさんに別の視点というか、シンガーソングライターであり、ベルハーヲタであり、最近またなんかやってるみたいな…。

――アイドル運営…
宇佐美 えっ、そうなの!?
津田 まだお披露目はしてないけど。…という感じの人から色々質問してもらったら面白いかなと思いまして。では、しずくだうみさん、どうぞ。

◆中学高校大学と行って、平凡なパソコン事務みたいな仕事をするのかなと思っていました。

――過去のインタビューを色々読んだんですが、ものすごくいい子だなーというのを最初に思って、アイドルにそこまでのめりこむほどの興味がない私も一瞬でファンにする力があるのはどうしてだろうと考えたら、やっぱり単純にすごくいい子だということに辿りつきました。
宇佐美 あはは、やったー。

――それで、読み進めていくと〈自分のやりたいことが一貫してある〉というよりも、〈色々なことに興味を持ってやってみた結果、アイドルになった〉という感じがして。
宇佐美 そんな感じ!
――子供の頃に〈将来こうなりたい〉みたいなものはなかったのかな、と思ったんだけど、どうですか?
宇佐美 なかったです!なかった、というか中学高校大学と行って、平凡なパソコン事務みたいな仕事をするのかなと思っていました。

――やっぱりそうなのですね。それは親から言われる?
宇佐美 いや、なんか自分もそう思ってたし、親も多分そう思ってた。話し合いとかはしてないんですけど、なんとなく。
――色々習い事をしていたら〈これがやりたい〉とかそういうのがなかったのが不思議だなと思ったんですが。
宇佐美 なんか、仕事にしたら嫌になる気がして。

――なるほど。就職も〈こういう仕事・職種をやってくれ〉とかを親に言われる訳ではない?
宇佐美 親は〈正社員になってくれ〉って感じで、〈一回正社員を経験しないと、世の中を知らなすぎるのでは…〉となって、〈世の中を知るには一回ちゃんと働いて〉って言われました。
――堅実な家庭なんですね。
宇佐美 そうなんですよ。

――本人としてはどう思っているんですかね?
宇佐美 私もそう思ったんですよ。普通にベルハーは大学4年でやめて、絶対就職するって思ってたんですけど、なぜかいま大学卒業したあとにやっちゃってて意味わかんないですね。なんでだろうって感じ(笑)。
――ご両親はアイドルのことについてなにか言ってきたりは?
宇佐美 何も!何も言ってこないです。

――ライブを見にきたりは?
宇佐美 したことないです!興味がなさそう。興味がないというか、学生の時は家に支障がない範囲で…という感じだったので、勉強もちゃんと最低ラインはやって、成績も最低ラインは取れてたからなにも言われなかったんだと思う。

――特に応援もしないけど、とやかくいう感じでもない。
宇佐美 うん、言わない。でも就職しないってなった時は言われました。あ、洗濯とかたまにしてくれる、衣装の。

――基本は自分で?
宇佐美 ライブのあと家に帰るのが1時とかになるとみんな寝てて、でも次の日もライブだから、洗わないとで、洗ってる間にお風呂入って、干して…というのをやってて。次の日にライブがない時は洗濯機に入れておくと洗ってくれてる(笑)。

――すごくリアルな事情が…(笑)。これは書くかどうか迷いますね(笑)。
宇佐美 家庭は円満です。でも妹とはめっちゃ喧嘩するんですよ。
――あっ、ギャルの妹…?
宇佐美 そうです。ほんとにこわくて。

――どういう感じのギャル…?
宇佐美 ハロウィンは六本木に行っちゃう感じです(笑)。ピエロのメイクしてキラキラにしてラインストーンとか貼ってて、外人と写真撮ってたりとかして…。私はその頃大阪のフェスに真っ黒なメイクをして出てました。
――対照的ですね…。

◆ヲタちゃんは、〈ズッ友〉って感じ。

――ベルハーに入ってからやりたいことというか、例えば〈大きいステージでやりたい〉とかそう中長期的な目標はありましたか?
宇佐美 演技…かな?以前に『BELLRING少女ハートの6次元ギャラクシー』(2014年5月公開)という映画を撮ってもらったんですけど、それで演技をやった時に楽しい!やりたい!と思いました。だけどライブがめっちゃ多いので、平行してできないとはずっと思ってました。

――ベルハーの活動をする中で、表現することが楽しいっていうのがひとつ続けている理由だと思うんですけど、じゃあヲタクに対してはどう思ってるのかなっていうのがすごく気になってて(笑)。
津田 直球だな(笑)。
宇佐美 なんだろう、ヲタクに対して…。嫌いな、ヲタクは、今のところいない。

――おお。
宇佐美 嫌なことをされることはあるけど、それは嫌だって言います。言えるキャラにしたっていうか、なれたので、自然と。だから楽だなって思います。
――言えないとずっと言えなくなっちゃうものね。
宇佐美 そう!

――私も割と言っちゃう(笑)。
宇佐美 言ってそう(笑)。なんか〈アイドル!〉って子だと、嫌だとか言えないじゃないですか、それは大変そうだなって思います。「だいすき!」とか言えないんですよ。言ったことないですよね?(笑) 言う気が起きないというか、言う発想にならないです、いつも。

――ヲタクは自分のことを好いてくれてるし、知ろうとしてくれててありがたいと思うし、体調が悪そうだったら心配にはなるけど…。
宇佐美 なんか、親族みたいな感じ(笑)。
――なるほど(笑)。
宇佐美 〈お母さんの兄弟の方〉って感じ(笑)。そういう距離感。〈他人〉ではないな。

――私は結構感情移入をしちゃうから、すごく疲れてたりとか、◯連勤とか言ってると大丈夫かな…ってなっちゃう。
宇佐美 確かに気になっちゃいます、私も。めっちゃ好きかもしれないです。一時的な大好きじゃなくて、長い目の好き。

――なんていうんだろう、恋愛じゃないけど愛がある、みたいな…?
宇佐美 ヲタちゃんは、〈ズッ友〉って感じ(笑)。ズッ友!ズッ友!(笑) 街で会っても、ヲタちゃんはスルーしようとするけど、ヤッホー!って言っちゃう(笑)。
――ライブハウスとか行った時にいると声かけちゃう(笑)。
宇佐美 そう!そんな感じ。…ズッ友ですね。

◆楽しみがないから、ヲタちゃんに還元できるものに使った方がいいと思って

――美容とかは気をつかってることはありますか?
宇佐美 脱毛とトリートメントをやっています。そういうのをやってる自分に酔ってる(笑)。他にお金を使うことがなくて…。楽しみがないから、ヲタちゃんに還元できるものに使った方がいいと思って。化粧品とか髪の毛とか脱毛に使わせていただいてます(笑)。

――ただのいい話だった…(笑)。化粧品は何を使ってるんですか。
宇佐美 そんなに高いのは使ってなくて…。あっ、でもファンデーションはオンリーミネラルを使ってます。通販で「3万円相当のものが8千円!」ってなってて買っちゃったんですよ。

――やばい、詐欺に引っかかる人だ(笑)。
宇佐美 えっ、これやばい!と思って、ちょうどファンデーションがなくなってたので買いました。初めてのネットショッピングがオンリーミネラルでした。

――3千円のファンデーションで高いと思っていたらダメなんだな…。
宇佐美 あっ、それセットなんですよ。

――えっ!
宇佐美 リキッドとファンデーションとブラシと…みたいな。
――あ、じゃあ変わんないや(笑)。
宇佐美 うふふ。あっ、熱心なヲタちゃんにシュウウエムラのパレットとチークをもらったりして、それを今でも使ってます、感謝!

◆最後なんだから頑張って!

宇佐美 卒業発表してから、ヲタちゃんが目に焼き付けようみたいな感じで、みんな後ろでじっと見てて超つまんないんですよ。
――なるほど(笑)。暴れると見られないから(笑)。
宇佐美 でも落ちサビでソロ歌ってても「へえ…」みたいな。

――それはツイッターとかで言った方がよいのでは…。
宇佐美 そう!言わなきゃ…。他の推しの人がケチャしてくれたりしてます。最後なんだから頑張って!って自分のヲタちゃんには思います。

――そういえばもえち推しでライブ中に暴れる人が、「ベルハーのステージを全然見ていなかったことに気がついた」って言ってた(笑)。
宇佐美 そう、見てないんですよ暴れてる人は(笑)。そういう人多いですよね。
――もえち卒業しちゃうって考えると…はぁぁ…落ち込む…。
宇佐美 卒業したくないんですよ。やれるんだったらもうちょっとベルハーやりたいんですけど、幸せになれるなれないじゃなくて、ベルハーを嫌いになっちゃうのが嫌で、〈仕事〉っていう風になって、追い詰められる前に辞めよう、と。

――歌とかダンスとかは好きでやってる?
宇佐美 ただ歌うのとか踊るのとかは好きじゃないんですけど、それをやってヲタちゃんが応えてくれるのが好き。だから今後ろでおとなしく見られてる状態だと、返ってこないからさみしいなって思います(笑)。もっと沸いてほしい。楽しいのか心配になっちゃう。たまには後ろで見てるのもいいけどね。

――今まではしゃぎすぎてたし、いい機会だしおとなしく見るのもアリかなって思ってそう(笑)。
宇佐美 もう好きなようにみてください(笑)。いま、Zepp(2016年1月2日開催のZepp Tokyoでのワンマンライブ)が埋まるか心配です。
――新年会を抜けて行きますね…。
宇佐美 はい!あっ、Zeppきてくださいって書いといてください(笑)。

(2015年11月20日 新宿にて)

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