ニンジャスレイヤーTRPG第2版シナリオ『オイランドロイド・オブ・マイン』
◆始めに
◆シナリオサマリー
このシナリオは、オムラ・インダストリのエージェントニンジャをメインとして、暗黒メガコーポのビズを受けることになったストリートニンジャ、中立的な傭兵ニンジャ、あるいはソウカイヤやザイバツ・シャドーギルド所属のニンジャまで、オムラ・インダストリと敵対関係でなければ、幅広いニンジャPC用に使える。
PCは依頼人の状況について聞き、ターゲットを探してストリートを歩き回り、シナリオが進むにつれ道徳的なジレンマの状況に陥ることになる。 その中で行われる様々な意思決定過程を楽しむことがシナリオの目標であり設計である。 マスターはより幅広い変数に備えることが必要なので、ある程度セッション進行の経験があったほうが良い。
◆ダンゴウ
◇知性マグロ「エミリー」
知性マグロとは、オムラ・メディテックから進めたプロジェクトの結果物で、人間のニューロンをマグロに移植した存在である(原作エピソード例:【レプリカ・ミッシング・リンク】)。「エミリー」は今回のシナリオのために用意された架空の人物で、精神医学と生物学を専攻した研究員である。彼女はバイオニューロンチップに入っている人間の意識をオイランドの素体に移植して蘇生させるプロジェクトを主導している。
このシナリオは、ルールブック8章の「ユンコ・スズキ」項目で説明されたAoS設定を参考にしている。 すなわち、バイオニューロンチップ移植の基盤となる「スズキ・マトリックス理論」はフリーソースとして公開された状態であり、エミリーはその理論を基にして蘇生技術を商用化しようとする努力を傾けるのだ。 NMは関連背景を説明する前に、該当項目を参考しておると良いだろう。
エミリーは以下のようにブリーフィングする。 エミリーのロールプレイを通じて説明してもいいし、ハンドアウトの形として情報を一度に提供してもいい。 ここでNMが重点すべきことは、現在このプロジェクト自体と依頼人の「コノヒト・クワヤマ」がいかに切迫した状態にあるかをPCに十分理解あるいは共感させることである。
重要な情報はボールド処理されているので、PCにその内容だけ記憶すれば問題ないという事を知らせると遥かに良い。情報の量が多いので、不要だと感じた内容はNMがプレイグループの性向に合わせてコスト・カットしよう。 ナラティブを重点するプレイグループなら、ソノコのやられた事故について詳しく悲劇的な話を加えるのもいい。基本的な事件経緯は「◆隠された背景」を参照。
PCたちがソノコを無事に回収できなければ、プロジェクトは終わりであり、クワヤマ氏も二度と娘を生かせないことを確実に理解したか、NMは確認しよう。これはシナリオの進行において最も重要な情報である。
◆予備調査
NMはエミリーを通じて、事前調査を遂行できるようする方が良い。予備調査は、代表者が【ニューロン】による『事前調査判定(HARD)』をすること。失敗しても基本情報は提供されるが、ペナルティを受けることになる。
提供される情報は大したことはないが、ヤミ区画内の行動作戦を樹立する際に、役立つ内容が書かれており、即応ダイスを獲得することも可能だ。
◆シナリオ本編
シナリオ本編はグリッドマップを使用せずに進行することがデフォで、戦闘が発生するとグリッドマップ上で戦闘シーケンスを遂行することになる。
◆シーン1:ヤミ・区画
夜味の区画でPCたちは、無法のストリートのアトモスフィアを感じながら、手がかりになるものを探し始めるだろう。NMは以下の選択肢を提示して、PCが決定できる大まかな指針を提示してあげよう。もしPCがの創意的な提案をしたら、その意見を尊重して、即興で進めてもいいだろう。 また、選択肢の<1>や<2>も、具体的な実行に入れば非常に幅広く創意的な意見が出てくるので、進行に支障を与えない程度で、NMはPCの意見を最大限受け入れながら、意見の相違を健全に調整していこう。意見の隔たりを縮めることができず場合は、ダイスで公正に決定するよう提案するのも良い方法だ。
◇プラン・A:静かなやり方
PC達が大きな騒ぎを起こさず、静かに探すことを選択したなら、以下の方式で進めるようにしよう。
A-1:ヨタモノとの遭遇
PCたちが雑談や作戦の話をしながら道を歩いている時、適切なタイミングでヨタモノを3~5人ほど登場させよう。ヨタモノが登場するテンプレート例の2つを以下に記載する。 その他、多様なシチュエーションを準備してPCがスラム街を冒険する気分を感じられるように助けるのも良いだろう。
NMは、あえて彼らと戦闘シーケンスを発生させる必要はない。 PCたちはニンジャなので、このようなモータルを殺すには蚊を殴るほどの努力も入らないからだ。 PCのスムーズな決定を支援するためには、適当な選択肢を用意して提供するのも良い。
PCたちがヨタモノを制圧する場合、ヨタモノとのインタビューが始まる。 ヨタモノたちはインタビューに積極的に応じて、特に拷問などをしなくても情報を話すの方がスムーズになるはずだ。プレイグループによっては『交渉判定』のような判定を求めるのも面白いだろう。
いずれにせよ、インタビューを通じて得られる情報は以下の通りである。 これをハンドアウトで提供するか、ヨタモノの口から情報を伝えるようにしよう。 ボールド処理された部分が最も重要な情報であり、これだけを提供しても大きな問題はない。 情報を分けて2~3回ぐらいの遭遇を必要とさせるのもいいが、プレイタイム上一度にすべて提供することを勧める。
PCたちがヨタモノに対して、3人組に捕まえられた女の子は人間ではなくオイランドロイドだと言うと、彼らは信じなかったり、驚愕したりする。彼らがソノコを完全に人間だと信じたという所で、PCたちは一種の疑いを抱き始めるだろう。
A-2:グレーターヤクザとのインタビュー
PCたちがヨタモノから情報を聞いて、グレーターヤクザの「クヨシ」に辿ると、彼とのインタビューが始まる。
◆ボス級◆グレーターヤクザの『クヨシ』 (種別:モータル/重サイバネ)
カラテ 6 体力 9
ニューロン 4 精神力 3
ワザマエ 4 脚力 4
ジツ – 万札 8
攻撃/射撃/機先/電脳 8/6/5/6
回避/精密/側転/発動 8/6/-/-
ボス級モータル: 回避判定の難易度+1
◇装備や特記事項
▶︎生体LAN端子LV1 ▶︎サイバネアイLV1 ▶︎クロームハートLV1 ▶︎ヒキャクLv1 ▶︎テッコLV1
▷ブースターカラテ・ユニット
オートマチック・ヤクザガン: 1ダメージ、NORMAL、連射3、バースト5x5、時間差可
ヒートカタナ: 近接武器、ダメージ2(1+火炎1)
『◉突撃』『◉滅多斬り』
『◉狂気:異常性癖』『◉狂気:薬物依存症』『◉知識:ストリートの流儀』『◉交渉:駆け引き』
クヨシは基本的にPCたちを敵対しない。PCたちが敵対行為をしなければ、むしろ協調的な態度を見せる。もしここでクヨシを攻撃したり、対抗するしかないような何かをした場合、彼は「ここはソウカイシンジケートも自治を認めた距離であり、PCがむやみに攻撃すればソウカイヤの制裁を受ける」事を知らせて警告する。それでも攻撃してくる場合、すぐに「◇プランB、騒ぐやり方」に移行し、評価ランクを1ランク下げてもよい。
(その時、ボース級のモータルはムコチではなくクヨシにする。)
クヨシはPCたちに実際好意的に下記の情報を教えてくれるが、3人組が連れて行ったソノコがオイランドロイドだという言葉は信じない。オイランドロイドと改めて説明しても、「それがオムラの公式的意見か」だと勝手に誤解する。PCたちの疑問はさらに大きくなるだろう。
インタビューの後、クヨシはPCに3人組のアジトを知らせ、門番などの邪魔者は全部、他の所に片付けてあげるから、3人組の処理を頼んで、立ち去る。
A-3:ボース戦:3人組のアジト
茶色の横3間は机で、バリケード効果(シナリオ2:横浜御縄談合参照)を有しているが、移動などには制約がない。
黒はソファーで、効果は机と同じだ。
真ん中の水色はクリスタルテーブルで、特別な地形効果はない。
右側の灰色は引き出しで、視線を遮り、通過できない。
アジトの内側には倉庫があり、ドアは戦闘が終わった後、特別な判定なしに開けることができる。
奥のトレジャー4個は以下の通りである。
「▷*ネコネコカワイイのトルソー*」
ネコネコカワイイのトルソーだ。 実際ユニックな性遺物。
胴体(クロームハート)用カスタムパーツとみなす。
・『●交渉:誘惑』獲得。
・何らかの『交渉判定』への難易度増加ペナルティを持つ場合、それを1だけ軽減する。
・【精神力】+1。
※(オップション:『◉狂気:カワイイ覚醒』を所有時、【精神力】は+1ではなく+2になる。
PCが直ちにアンブッシュする場合、最初の1ターンは一方的にPCの手番だけが来る。盗み聞きをする場合、情報を聞くことができるが、3人組が気づく可能性が発生し、その場合、アンブッシュは出来なくなる。いずれにせよ、戦闘開始時にPCはカチコミ配置を行うこと。盗み聞きの間にPCが聞ける会話のテンプレートを以下に記述する。
◇ボースのデータ
スウィートスリップ
クールな印象の女性。髪はバイオ染色のピンクヘア。三人構成のパーティーのリーダーであり、高いインテリジェントの所有者。ハック・アンド・スラッシュでは交渉やソーシャル・ハックを含めた意思決定全般を担う。油断ならぬカラテの持ち主であり、相手を寝かせたり、眠気を誘発し、弱化させる特殊なジツが得意。
◆スウィートスリップ(種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 7
ニューロン 7 精神力 7
ワザマエ 6 脚力 3/N
ジツ 4 万札 15
緊急回避ダイス 4
攻撃/射撃/機先/電脳 6/6/7/7
回避/精密/側転/発動 8/6/6/12
◇装備や特記事項
ニンジャ存在感のオーラ(【体力】+2、回避+1、発動+1、緊急回避+4、反映済み)
オノミチ・カスタムハンドガン(ダムダム無制限):
・2ダメージ(1+痛打1)、NORMAL、連射2、マルチ可、時間差可
※『ダメージ軽減』を持つ敵には『痛打』無効
『●マルチターゲット』『●時間差』
『◉魅了』『☆◉ニンジャ存在感のオーラ(魔術的な)』
『◉交渉:誘惑』『◉交渉:欺き』『◉交渉:威圧』『◉知識:犯罪』『◉知識:高級嗜好品』
『☆カナシバリ・ジツLV3』『★コブラ・ゲン・ジツ』
※ランダム・レアドロップ:このニンジャに止めを刺したPCはD6を振り、出目【5】以上なら、
「オノミチ・カスタムハンドガン」を獲得できる。
スラッシュハッピー
背が高く、やせ細った男。どこか危なげなアートモスフィア。耐酸性ジャケットの装束、カタナとワキザシで武装している。普段はカタナ一本を持ってむやみに振り回すが、頭に血がのぼると左手でワキザシも構え、二刀流で乱切りにする。深く考えるのが面倒で、意思決定はボスに任せ、自分は荒仕事の役割りだけをする。怪我をするのが嫌いで、自分をきずつけた相手はネギトロにに変わるまでり続ける。
◆スラッシュハッピー(種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 10
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 4 脚力 5/H(二刀流:UH)
ジツ 0 万札 15
攻撃/射撃/機先/電脳 10/6/2/2
回避/精密/側転/発動 8/6/4/4
初めは「カタナ」で戦うが、【体力】にダメージを受けた場合、「狂戦士化」し、二刀流で攻撃してくる。
◇装備や特記事項
カタナx2(カタナとワキザシ)
『●連続攻撃2』
『◉ニンジャソウルの闇』x2,『◉邪悪なサディスト』『◉黒い復讐心(狂戦士化2)』
『◉◉狂気:暗黒カラテ衝動』
※ランダム・レアドロップ:このニンジャに止めを刺したPCはD6を振り、出目【4】以上なら「カタナ」、
【6】なら「カタナx2」を獲得できる。
ダイレクトコネクション
太った体型の重サイバネ者。元ハッカー・カルトの危険な者だ。 ハッキングだけはテンサイであるが、他のことに対してはかなり鈍く、LAN端子移植者を見つければ直ぐに直結しようとするが、普通は他の2人に制止される。
◆ダイレクトコネクション(種別:ニンジャ/重サイバネ)
カラテ 4 体力 6
ニューロン 6 精神力 4
ワザマエ 4 脚力 2/N
ジツ 0 万札 15
攻撃/射撃/機先/電脳 4/4/8/14
回避/精密/側転/発動 6/4/4/6
◇装備や特記事項
▶︎▶︎生体LAN端子LV2 ▷電脳戦用デッキx2
『●脆弱性:電磁(1)』
『◉重サイバネ化』『◉タツジン:ハッカー』『◉kill-9』『◉トラップ処理技術』
『◉知識:セキュリティー』『◉知識:ハッカーの法式』『◉狂気:LAN直結衝動』
※アイテムドロップ:このニンジャに止めを刺したPCは「トロ粉末」を獲得。
3人組は役割分けがはっきりしている典型的なハック・アンド・スラッシュ・パーティーであり、3人で連携してPCたちを攻撃してくる。 スウィートスリップの『★コブラ・ゲン・ジツ』、ダイレクトコネクションの『◉爆発物スキャン』など、シナジーが重点されたスキルを多数持っているので、PCがまともに作戦を立てなければ、危機に直面することもありうる。
戦闘は「乱戦」ルールを使って進められるので、各2人ずつどのニンジャを先に攻略するか、範囲などの便法を使って真っ先に排除する敵を誰にするかなどをPCはよく考えなければならないだろう。
NMは乱戦のルールについてよく説明し、プレイグループの熟練度に合わせて3人組の連携の度合いを加減しよう。 例えば、熟練者4人のプレイグループなら『★コブラ・ゲン・ジツ』を常に維持し、『◉爆発物スキャン』とスイートスリップの射撃を連動して攻撃し、スイートスリップとスラッシュハッピーが一人の敵を狙う戦術などだ(合計4~5回の攻撃なので、この二人がPC一人を狙うと非常に危険になる)。
◇3人組をインタビューする
3人組に勝つ場合、インタビューによって以下の情報を得る。 スウィートスリップが死んでしまって、代わりに部下にインタビューしても、獲得できる情報の内容は同じだ。情報はNPCの対話を通じて提供するか、ハンドアウトで一括的に提供するようにしよう。基本的にはハンドアウトの形で一括提供することを進める(対話の形で情報を提供していると、漏れる情報が生じやすいので)。
ここまでたどり着いたPCは、ソノコが「アシナガ」というところに売られていったことを知り、すぐにそこへ向こうとするだろう。PCが望むなら、帰り道にクヨシに会って、会話するシンを用意しても良い。
◇プラン B:騒がしいやり方
PCが大規模破壊で、ヤミ・区画の全体の注意を引いた場合、最初からハードな戦闘が始まる事になる。このルートを選ぶ場合、PCたちはヤミ・区画の事情などは全く考慮せず、区画のアウトローたちと正面対決する構図になるので、些細な話や事情はすべて省略して、直ちに戦闘に入る。この場合にはプランAで述べたソウカイヤの抗議の件は無しとみなし、評価の下落は起きないようにしよう(戦闘だけでも相当サツバツになるので、過度のペナルティとなるからだ)。
ただし、このシーケンスに入る前に、NMはこの選択が危険であることをPCに告知しておこう。
濃い灰色のマスは建物で、移動不可である。緑、濃い黄、青、紫のマスはゴミで、バリケード効果(シナリオ2:横浜捕縛談合参照)があり、通過するには『連続側転』あるいは『飛行移動』が必要だ。薄い黄色の領域は初期配置エリア、右側の「出」は脱出マスである。
◆ヨタモノ (種別:モータル)
カラテ 2 体力 1
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 2 脚力 2
ジツ – 万礼 1
攻撃/射撃/機先/電脳 2/2/1/1
◇装備や特記事項
・バットや 鉄パイプ:
・チャカガン : 銃器, 連射 1, ダメージ1
◆レッサーヤクザ(種別:モータル)
カラテ 2 体力 1
ニューロン 2 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ – 万礼 1
攻撃/射撃/機先/電脳 2/3/2/2
◇装備や特記事項
・チャカガン: 銃器, 連射 1, ダメージ 1
・ドスダガー: 近接武器, ダメージ1
◆アサシン・テンプラー(種別:モータル)
カラテ 3 体力 2
ニューロン 2 精神力 1
ワザマエ 4 脚力 2
ジツ – 万礼 2
攻撃/射撃/機先/電脳 3/4/2/2
◇装備や特記事項
・スローイング・ナイフ: 「スリケン」と同様。
・アサシンダガー
・『◉突撃』駆』『◉滅多突き』
◆ボス級◆重サイバネ・オイランアサシンの 「ムコチ」 (種別:モータル/重サイバネ)
カラテ 7 体力 10
ニューロン 4 精神力 3
ワザマエ 5 脚力 5
ジツ – 万礼 8
攻撃/射撃/機先/電脳 8/6/5/6
回避/精密/側転/発動 9/6/-/-
◇装備や特記事項
ボス級モータル: 回避判定の難易度+1
・オノミチ・カスタム: 銃器, 連射2, ダメージ1
・電磁クロー内蔵型テッコ: 近接武器, ダメージ2(1+電磁1), 攻撃難易度:EASY
・▶生体LAN端子LV1, ▶サイバネアイLV1, ▶テッコLV1, ▷電磁クローアーム, ▶クロームハートLV1,
▶ヒキャクLV1
・『●連続攻撃2』『◉突撃』『◉まとめて全弾回避』『◉連続側転』
・『◉狂気:強化肉体への過信』『◉交渉:威圧』
PCがこれらすべてを倒した時、3人組を適当な位置にPOPさせ、直ちにボス戦へ移行する。 この時、アートモスフィアは直ちにHARD化して戦闘のテンポを上げるようにしよう。3人組のうち近接戦の専門は1人だけなので、PCにあまり不利な環境にはならないだろう。
◇3人組をインタビューする(プランB版)
インタビューから得られる内容は、プランAのものと同じだ。PCたちはソノコが「アシナガ」というところに売られていったことを知り、すぐそこに向かうことになるだろう。
帰り路に、クヨシに遭遇し、プランAと同じ脈絡の話を交わすのも奥ゆかしいだろう。 クヨシはPCたちが暗黒メガコーポからのニンジャだということをヤクザの直感で解り、同調者たちを急いで避難させ、今回のことを教訓に今後このような悲劇が起きるのを防ぐために、住民たちをさらに取り締まる。
◆シーン2:非営利団体「アシナガ」
ハンバートは今回のシナリオのための仮想人物で、同様の仮想非営利団体の「アシナガ」の代表である。ここは表面的には社会福祉法人の形態をしていて、子供たちを養子縁組して保護し教育し、上流層後援者たちとのコミュニケーションを仲介して子供たちに教養と奥ゆかしいことを学ばせたりもし、養子縁組を斡旋したりもする。 ネオサイタマ社会では非常に善良な法人として知られており、アークボンズの「タダオ・ビョウドウイン」もここを後援し、数人を集めて保護したエピソードが知られている。
もちろんその実状は、最高級の違法営業施設として、後援とコミュニケーションに偽装した非道行為が行われているところだ。
ハンバートはPCたちの険しいアトモスフィアを見て, すぐに尻尾を巻いて協力的に出始める。しかし、質問には言葉を巧みに回し、うまく答えようとしない。 人相着衣を具体的に見せたり、威圧したりすると、ようやくソノコがここにいることを認めるが、彼はここはあくまで社会福祉法人なのです、だと強調する立場を取る。純真なPCニンジャなら、この極限のメタファーと胃腸にだまされることがあるかもしれない。
PCの誰かがハンバートにカラテを振ろうとしたり、暴力的に振る舞ったりする場合、ハンバートはここはソウカイ・シンジケートの保護を受ける場所であり、自分が怪我をしたりするとソウカイヤへのアガリを適時に渡すことが出来ないようになって、困るだとPCたちに婉曲に警告する(もちろん卑屈な口調で丁寧に言い聞かせるように話す)。 これを聞いてもハンバートに暴力を振るったり殺したりした場合、後にオムラ・メディテック社がソウカイヤの「抗議」を受けることになり、PCへの任務評価が-1される。更に、PCがハンバートを殺した場合には、特定エンディングへの分岐で大きなペナルティを受けることになる。
とにかく、ハンバートからは下記の情報が得られる。 今回伝達される情報はPCの意思決定に重要な内容であるため、以下の整理された内容をハンドアウトで伝えることをお勧めする。
話が終わると,ハンバートはPCたちをそのこの部屋に案内する.
◇ソノコの部屋
PCは自由に配置する。
もちろん、ハンバートはPCが訪ねてくるやいなやIRCタイピングで素早くクローンヤクザたちに命令し、部屋中の後援者を抜き取り、ソノコを洗って、着替え、部屋も掃除させわけだ。PCのようなメガコーポからのエージェントが訪れるほどのモノはそれだけだと事前に認知し、備えていたのだ。 ソノコには父親が送った人々が救助に来たことを伝え、ここであったことの実体については一切言わないことをクローンヤクザを通じて約束させた。
PCは別にマスターから話さなくても自らロールプレイを進めるだろう。ここで何をしたのか感覚的に調べようとするPCがあれば【ワザマエ】による『調査判定:U-HARD』を行わせること。 判定に成功したPCは、部屋内で非道行為の残響がかすかに残っていることや、ソノコが特にハンバートの顔色を伺いながら怖がっていることを感知するようになる。
PCの中で誰かがソノコに直接何があったかを尋ねると、以下のように答える。
ここでPC中の誰かがハンバートに怒りを抑えられず、暴力を振るわせる事態が起こるかもしれない。 NMはハンバートを攻撃すると評価下落の危険があるという所は明確に言っておこう。
PCがハンバートに抗議する場合、彼は最初に自分がソノコに「多少のいたずら」をしたとか、後援者と「コミュニケーション」をしたのは事実だが、それでも他の所に比べればマシだと弁解する。 むしろ、いわゆる善良な人々が拾って違法感情モジュール入りアンドロイドの持ち主を探したくてうるさく振舞えば、持ち主側はさらに困惑しになるはずだった所を指摘する。そして、オムラ側から賠償しろって言うなら、積極的に応じるという約束をする。
それで、シナリオは最も重要な場面で進行される。
◆ソノコとの会話、そして初期化
こうして、PCはソノコの様子が尋常ではないことを感じたのだろう。 しかし、ピグマリオン社側で特別なAIを移植したというので、ただAIが高性能だと誤解するPCもあるかもしれない。
ソノコを安心させてもう少し対話を進めようとするPCがあれば、ソノコは泣きながら安堵したり、なだめるPCの胸に抱かれたりして人間めいた行動をさらに見せてくれる。
とにかくPCたちは、それが任務だから、ソノコに初期化装置を直結させようとするだろう。 ソノコはそれの正体を知ると直ちに拒否し抵抗し始める(抵抗はカラテを意味するのではなく、それこそ子供たちのように、しかし必死にもがくことを言う)。もしソノコを騙して装置を連結する場合も、直結した直後に装置のプロセスをソノコが認知し、驚いて線を引いてしまう。
NMはここでソノコに自分には自我があり、消えたくないことを言わせる。
もちろんPC(あるいは仲間のNPC)の中にウキヨが実際存在するまでは、この主張は前代未聞のものとして、検証できないものとなる(AoS 次元ではまだ浮世は検証されていない現象だ)。PCの中で誰かが自我を持ったオイランドロイドが実在することを知っているとしても、むしろジレンマが深まるだろう。
PCはこれに対して非常に多様な態度を示してくれるだろう。 自我があることを信じるなら、一人を生かすために一人を殺さなければならない状況であり、信じなくても、無力で罪のない哀れな相手が不条理に死ぬことを頑なに拒否することに対して、人間的な迷いを感じるだろう。
あるいは、そんなことは気にせずプロ精神でしっかり武装したまま、事務的にソノコを初期化しようとしたり、甚だしくはソノコが泣いて怖がるのを楽しむ邪悪なニンジャもいるかもしれない。
そんな中、NMはハンバートにあれを消すのはもったいないし、本人がソノコを買うと言わせる。
(この発言でハンバートに怒り、カラテを振り回すPCが出てくるかもしれない)
PCから多様な意見が出てくるだろうが、選択する措置は大きく分けて4つだ。 そして、これに合わせた分岐が発生するようになる。
(この四半期はPCに公開するものではなく、PCが決定する方向によってマスターが話を進める非公開の基準である)
PCの誰かが「ソノコのAIを他のデバイスに移せばいいんじゃない?」という意見を提示する時は、ソノコのAIは現在オイランドロイド素体に最適化されたカスタムであり、同じ素体をもう一つ作る前には移すことも不可能で、事実上現在素体に帰属していることを知らせる。
◇分岐A:ハンバートにソノコを売る。
結局、ソノコの蘇生がお金の問題なら、目の前に答えがある。 PCがハンバートにソノコを売るよう決定すると、ハンバートは価格に驚きながらも、結局ソノコを適正価格で買うようになる。 こうなればソノコは「アシナガ」でハンバートの所有物として生きていくことになるだろうが、少なくとも消えることはないだろうし、PCは確保した財源で新しい素体を求めてソノコ(人間の方)の蘇生も問題なく可能になるだろう。
ソノコをハンバートに売ると、反対した人を除いたPC全員は【DKK】5を獲得してエンディングAに進むこと。
(Wasshoi!判定は発生しない)
◇分岐B:ソノコの事はかわいそうだが、仕方なく初期化を強行する。
PCたちは結局、依頼を遂行しなければならない立場にある。ソノコの事がかわいそうで仕方がないが、同じようにPCたちも任務を遂行しなければならない立場だ。 感情に流されて仕事を間違えると、依頼人のすべてをかけた願いが水の泡になるのだ。
PCがソノコに同情しながらもやむを得ず初期化を進めるようになった場合、ソノコは「助けて」や「消えたくない」と言いながら無駄な抵抗を続けるが、PCはニンジャなので簡単に制圧され、結局初期化される。以後は標準的なオイランドロイドとして再起動し、自らPCと一緒に研究所に戻る。
◇分岐C:ソノコの初期化を見送り、そのまま回収する。
PCたちはソノコを人間的な迷いで、あるいは責任を負うのが嫌だと考え、あるいは好奇心で初期化を留保することができる。初期化を決めずに復帰する場合、エンディングBに進む。
◇分岐D:ソノコを虐待したり無慈悲に処刑しようとする場合
PCの中には邪悪なニンジャがいて、ソノコの事情などには構わず、マシンめいた態度で任務を果たそうとしたり、ソノコが怖がるのをかえって楽しむことすらもあり得る。甚しくはソノコがどうせ初期化すれば記憶も飛んでいくだろうから、くちにするのも出来ないような非道行為を試みる者がいるかもしれない。
PCたちがソノコに無慈悲または可虐的な態度を持って初期化を進めようとする場合には、反対したPCを除いて全員【DKK】を3ずつ獲得した後、ニンジャスレイヤーが現れる。
(ただし、NMは雰囲気によってニンジャスレイヤーを登場しなくても構わない)
以下にエントリーの例(エントリー判定はなし)
◇「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」
PCたちが分岐Dという罠を踏んでしまった場合、ニンジャスレイヤーの確定的な乱入イベントが発生してしまう。 ニンジャスレイヤーは他の女子高生を探しにアシナガへ来たが、偶然PCたちと遭遇することになったのだ(PCには青天の霹靂だが)。
以下はプラグイン環境に合わせたニンジャスレイヤーのデータである。
◆LV2ボス◆ニンジャスレイヤー (種別:ニンジャ)
カラテ 16 体力 18+PC人数
ニューロン 10 精神力 13+PC人数
ワザマエ 12 脚力 8/N
ジツ 0 万礼 10
攻撃/射撃/機先/電脳 18/12/10/10
回避/精密/側転/発動 20/14/12/10
即応ダイス:6+PC人数
緊急回避ダイス:7+(PC人数x2)
◇装備や特記事項
家族の写真、*伝統的ニンジャ装束一式*
(体力+2, 精神力+3, 回避+3, 緊急回避+7, 即応ダイス+1, 脚力ダメージ軽減1, 攻撃+2, 反映済み)
『●連続攻撃3』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、
『◉◉タツジン:ジュージツ』、『◉スリケンの見切り』、『◉鉄拳』、『◉ランスキック』、
『◉ヒサツ:ワザ・ポン・パンチ』、『◉ヒサツ・ワザ:サマーソルトキック』、
『◉チャドー呼吸』、『◉ヒサツ・ワザ:タツマキケン』、
『◉◉憎悪:ニンジャソウルの闇』、『◉憎悪:ソウカイヤ』、『◉憎悪:ザイバツ』、『◉憎悪:アマクダリ』、
『◉ヘルタツマキ』、『◉ツヨイ・スリケン』、『◉ナラク・ウィズイン』、『◉即死耐性』
『◉防具習熟』
ニンジャスレイヤーが乱入してしまった場合、直ちに戦闘シーケンスが開始され、PCの目標は直ちに脱出に決まる。ニンジャスレイヤーを倒した場合には、規定通りD3ターン後にナラク・ニンジャが目覚め、ナラクはLV3ボスの強化オプションを適用するようになる。ナラク・ニンジャまで倒した場合、ニンジャスレイヤーは退却し、完全勝利でPC全員の【名声】を+1してもよい。 その後、ソノコは血も涙もないダーク・カラテのPCたちの前で、絶望と消滅という悲劇的な結末を迎えることになるのだ。
(こうなるとエンディングAに進む)
とにかく、この時からはソノコも体力を持っているような重要NPCの「モブ」として扱われ、戦闘は下記のルールが適用される。
◆シナリオのエンディング
このシナリオはマルチエンディング構造になっており、大きく3つに分けられる。
◇エンディング A: プロジェクトの成功
PCたちはソノコ(オイランドロイドの方)を無事に回収し、バイオニューロンチップの再生は成功する。クワヤマ氏は一生の願いを叶えるようになり、エミリーのプロジェクトチームもこれによって、もっと多くの人々を救うことができるようになるだろう。
エミリーとの対話を通じて、PCたちはオイランドロイドのソノコにインストールされたAIはそれほど大げさなものではなく、泣きながら父親を探したり、命を乞ったりするような高度の情動は不可能だということを知ることになる。
もしPCたちがオイランドロイドのソノコをやむを得ない心情で初期化したり、ハンバートに売ったとすれば、この事実は非常に重く感じられるかもしれない。いずれにせよ、任務は果たされたし、クワヤマ親子は幸せに暮らせるだろう。
もしPCたちがオイランドロイドのソノコを救うために、2番目の素体のための財源を確保することに成功した場合は、NMはソノコが目覚めた時にオイランドロイドのソノコがそばにいることや、オイランドロイドのソノコはクワヤマ家の二女として、3人で幸せに暮らせるようになったことを話してあげよう。
◇エンディング B: 厳しい決定
結局、クワヤマ氏は自分の娘を生させるため、オイランドロイドのソノコを見限ろうとする。NMはPCたちに情報として、クワヤマ氏はもはやバイオニューロンチップの維持管理に必要な資産さえ残っておらず、オイランドロイドのソノコを救うか、見限って娘の蘇生を行うかのどちらかを選択するしかなく、他に方法がないことを知らせる。
これに反発するPCが現れるかもしれない。もしPCが「オイランドロイドのソノコも救って、ソノコちゃんも蘇生させたい」と言った場合、結局必要なのはお金だけだということを、NMは知らせる。 そして、数日内に確実に製作費用である17億3千万円を確保する手段を語ることができれば、誰も見限らない事が出来ることを知らせる。 これにはダイスによう判定は必要なく、PCが「どれだけ現実的で具体的で実現可能な案を話す」かが問題になる。単に可能性や抽象的な対策を語るだけでは受け入れられないことを明確にする。しかし、勘が鋭いPCなら、解決方法はすでにシナリオ中言われていたことが分かるだろう。
もしハンバートが生きていて、PCは彼の賠償を約束したことを思い出し、ハンバートに賠償金で17億3千万を取りに行くと言うPCがあれば、NMはその提案を直ちに受け入れる。ハンバートは価格に目が回るようになるが、自分で言った事であるし、ニンジャの恨みを買うのも怖いので、17億3千万円を賠償するようになる(PCがこの機会にピンハネをしたいと思って17億3千万を超える金額を要求した場合でも、特に判定がなくてもハンバートは仕方なく受け入れる。この場合、PCは【万礼】プール20を獲得する。インガオホー!
その他には、17億3千万の財源が出来るようなNPCと親交があったり、PC自身が億万長者だったりするように、状況に合った実質的な提案が提示されれば、NMはこれを受け入れ、後はエンディングAと同じだが、ソノコが目覚めた時にオイランドロイドのソノコが傍にいる結末に進むようにする。
しかし、PCが代案の提示に失敗した場合、初期化が強行される。オイランドロイドのそのこは泣きながら研究員たちに命を乞うが、社内武装警備員たちに引きずられ、その声を聞いたクワヤマ氏は嗚咽し始める。 その後はそのこの初期化と蘇生手続きが進み、エンディングAに進む。
◇エンディングC:帰ってきたオイランドロイド
オイランドロイドのソノコを無慈悲に処刑、あるいは個人的な楽しみを得ようとしたが、ニンジャスレイヤーに遭遇してしまい、結局彼女を逃してしまったPCは以下の結末を迎えることになる。
以後はエミリーを通じて、オイランドロイドソノコが自分の足でクワヤマ氏の家に訪ねてきて、クワヤマ氏はオイランドロイドのソノコを次女として考え、彼女を救いたいと社則に言ったことを知らせる。オイランドロイドの自我の覚醒という、前代未聞のイベントのおかげで、研究参加などでソノコのバイオニューロンチップは維持するほどの生活だけは可能になった。多少予想の外の成果ではあるが、プロジェクトは部分的な成功でごまかされて、PCは評価Bを受けることになる。
もしここでPCが邪悪なニンジャ記憶力を発揮してハンバートの賠償の約束を思い出しハンバートからオイランドロイドの再生産費用を引き出すことに成功したり、その他斬新な方法で17億3千万円を確保することに成功すれば、評価はAに調整され、エンディングAに進むことになる。
◆評価と報酬
◆隠された背景
本来ソノコ・クワヤマは明るくて社交的で、活発で情に厚い性格の女子中学生だ。 彼女は従姉が埋め込みしたサイバネアイを見て、自分もサイバネアイを埋め込みしたいとクワヤマし氏にせがんだが、一気に断られた。 彼女は駄々こねるのをあきらめ、静かに小遣いを貯めて(カチグミの子供の小遣いは中産層の思っているモノとは単位が違う)暗黒医師にサイバネ手術を受けた。 しかし、暗黒手術のミスで多発性臓器不全が訪れ、結局バイオニューロンチップに移植されたまま蘇生を待つ事になった。
シナリオの時点(AoS時系列)ではまだ公式に確認された現象ではないが、オイランドロイドのソノコはクワヤマ氏と過ごした1ヶ月の間に、自我を覚醒したウキヨだ。標準の従順的なオイランドロイドAIセッティングに、幼い娘と思って手厚く大切にしたクワヤマの態度が重なり、おとなしくて優しい、いい子の気質が形成された。人間のソノコとは明確に区分される性格を持っている。クワヤマ氏は彼女と一緒に暮らして2週間ほど経った頃、何か振る舞いがオイランドらしくないような気がしたが、自分が寂しくて勘違いしていると思い、特に誰にも話していなかったのだ。
ハック・アンド・スラッシュの三人組は、このせいで最初はオイランドロイドのソノコを人間の女の子と勘違いし、スイートスリップがジツでソノコを気絶させようとしたが、オイランドイドのソノコは通じなかったため、怪しく思いながらも、一応抑留しておいた(オイランドロイドのソノコはウキヨで覚醒した後、性格がいい子像に形成されたため、本来のオイランドロイドの戦闘能力を全く発揮できず、まともな抵抗もできなかったのだ)。その中、ダイレクトコネクションがソノコにLAN端子があり、オイランドロイドであることを気づいて、ソノコを襲ってLAN直結しようとした。 他の2人は彼を剥がしてその事実を聞き、ソノコを持って帰って、分解販売することに決めた。 ヤミ・区画でソノコを連れて行っていた事を、ヨタモノの何人と、グレーターヤクザたちがその姿を見たが、彼らはそれを人身売買や誘拐のような何かと考えた。
3人組はオイランドロイドの部品商に確認した。そしてソノコは99パーセントがカスタム部品で、それも小さく他機種と互換の不能なものだらけの不思議な付属でいっぱいになっていることを分かった、今回の件は家の中の動産もまぁまぁで、オイランドロイドもハズレだったことに、啞然とした。 しかし、スウィートスリップがソノコのとても人間のように振る舞うことに着目し、最高級の非合法営業施設に売ってはどうかというアイデアを思いついた。 スウィートスリップは部下たちに「アレをお金に換えてくる」だと言って、一人でソノコをキャリアバッグに入れた後、裏社会の噂で知り合ったマルノウチの非営利団体「アシナガ」に向かった。
そこでハンバートはソノコを見るやいなや一目で気に入り、その場でソノコをスイートスリップが予想した金額よりも遥かに高いお金を払って、ソノコを買った(購買価格については3人組の証言が事実だったのだ)。 本来ハンバートの団体は一応社会福祉法人だったので、保護中の児童に対して最高級の衣食住を提供し、後援者が子供たちにむやみにすることは厳格に禁じていた。しかし、ソノコはオイランドロイドであるため、多少の「スポーツ」を許容した。 ソノコは睡眠のいらないオイランドロイドだったので、24時間体制で「コミュニケーション」させ、わずか数日でハンバートは本戦以上を引き出した。
ハンバートは、ソノコのオイランドロイドとは何か違うことを認知しており、追い手が来る可能性も常に念頭に置いていた。それでニンジャが活動する時間帯には自分が直接客を迎えており、尋常でないPCを見るやいなや事前に計画されたプロセスを実行し、ソノコをきれいに洗っておいたのだ。もちろんソノコに聞いてみればあっという間に明らかになる欺瞞だったが、あまりにもいい子のように振る舞ったので、黙とうと約束さえすれば何とかなりそうで、もし事実がバレても、「相手は人ではなくオイランドロイドだからちゃんと賠償すると問題ないはず」だと考えていた。
(勿論オイランドロイドのソノコの価格が想像を絶するとは夢にも知らなかったし、PCの選択によってはインガオホーを受ける。)
以上がシナリオの基本的な隠された背景である。NMはこのシナリオの内容全般を自分の好みやプレイグループの性向に合わせてフレーバーを追加したり、外したりしながら、さらに興味深いシナリオで構成することができるだろう。
◆難易度の調整
もしシナリオを16スクラッチやスターターレベルに調整したい場合、以下の指針に従えば簡単だろう。