2017年5月の短歌

※文章中敬称略

【うたの日に出した歌】

5月10日
本番を想定しての訓練だ悲しみ方がまだ足りないよ (自由詠)


【うたつかい2017年春号掲載歌】

連作「祈らない」
ああこれは祈らねばならぬ出来事と思いつつ打つひたすらに打つ
くり返すこのナルシシズム思い出すあの衝動はまるでゴミだね
十倍に希釈されたるやる気にて正しく眼を開いています
感情を失うことは不可能だ Credoの歌詞をすべて忘れた
そして君が傷つくことのないように僕は点滅し始めたのだ

テーマ詠「お店」
あの店もテナント募集の張り紙に掃き清められまた春が来た


【それ以外の歌】
グッドバイ、グッドバイって今までにいい別れなどなかったけれど (毎日新聞「毎日歌壇」 5月1日掲載 加藤治郎・選)

雨にさらされたまま足の指から桜が生えてさよならを言う (歌会たかまがはら2017年4月号 放送外採用歌 天野うずめ・選。テーマ「ホラーな歌」)
暗がりに立っているから返り血の鮮やかさにも気づかないまま (同上)


【雑記】
短歌研究新人賞と角川短歌賞の〆切がありまして、一応両方応募しました。無事落選したら公開するかもしれません……。

月初めに名古屋で開催された、うたの日10万首記念歌会に参加してきました。最近うたの日にはあまり出していないんですけど。
短歌関係者の間では有名な(多分)中華料理店「平和園」にも初めて行きましたよ。短歌ノートがすごかったですね。私も一首したためてきました。

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