読解の技術⑫~疑問詞そのものの品詞~

疑問詞にも名詞・形容詞・副詞がある。

名詞のはたらきをする(文中のS・O・Cになる)疑問詞を、疑問名詞
形容詞のはたらきをする(名詞を修飾するorCになる)疑問詞を、疑問形容詞
副詞の働きをする(文の要素にならない)疑問詞を、疑問副詞と呼ぶ。

疑問詞そのものの品詞もしっかりと認識しておかなければ、文構造を取れなくなったり文法問題でミスを頻発したりすることになるので注意。

内訳は以下の通り。

(1)疑問名詞=S・O・Cになる
→what/which/who/whose/whom

これら疑問名詞は、そのものがS・O・Cになるので、後ろに従える文は必ずSかOかCが抜けた不完全文になる。

ex1. [Who] broke the window? 
→whoがSのはたらきをするので、後ろの文はSがない文。
ex2. [What] do you like? 
→whatがOのはたらきをするので、後ろの文はlikeのOが抜けている。
ex3. [Whose] is this bag? 
→whoseがCのはたらきをするので、後ろの文はCがない文。

(2)疑問形容詞(限定)=名詞を修飾する。
→what/which/whose

これらは形容詞(限定)のはたらきをして名詞を修飾するので、実際は
 what 名詞(何の名詞)
 which 名詞(どの名詞・どちらの名詞)
 whose 名詞(誰の名詞)

の形で一つの疑問詞となる。
したがって、後ろの文は名詞が抜けてしまうので、不完全文になる。

ex1. [Which color] looks brighter?
→which colorという名詞のかたまりがSのはたらきをしているので、後ろはSがない不完全文。
ex2. [What color] do you like?
→what colorという名詞のかたまりがOのはたらきをしているので、後ろはlikeのOが抜けた不完全文。
ex3. [Whose bag] is this?
→whose bagという名詞のかたまりがCのはたらきをしているので、後ろはCがない不完全文。

(3)疑問形容詞(叙述)…Cになる。
→how

howそのものがCになるので、後ろにはCがない文を従える。

ex1. (How) are you? ―I’m (fine).
→howの答えとなっているのはfine(Cになっている形容詞)。したがって、howはCのはたらきをする形容詞で、後ろにはCがない文を従える。
ex2. (How) did they look? ―They looked (sad).
→howの答えとなっているのはsad(Cになっている形容詞)。したがって、howはCのはたらきをする形容詞で、後ろにはCがない文を従える。

(4)副詞…文の要素にならない。
→when/where/why/how

これら自体は文の要素にならないので、後ろには完全文を従える。

ex1. <When> did you finished dinner?
ex2. <Where> does he live?
ex3. <Why> did you tell a lie?
ex4. <How> do you go to school?

[まとめ]
疑問名詞…what/which/who/whose/whom + 不完全文(S・O・Cのいずれかが抜けた文)
疑問形容詞(限定)…what 名詞/which 名詞/whose 名詞 + 不完全文(S・O・Cのいずれかが抜けた文)
疑問形容詞(叙述)…how + 不完全文(Cが抜けた文)
疑問副詞…when/where/why/how + 完全文

howは形容詞(叙述)と副詞があるので、後ろの文の構造の違いに注目。
これらの観点は、間接疑問文(文中に埋め込まれた疑問文)の文構造分析にとって不可欠。
また、関係詞節を考える場合と同じ観点。


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