読解の技術⑰~as if節について~

“as if”は“as if SV”の形をとって、「まるでSがVするかのように」と訳す。
仮定法の範囲で出てくるので、後ろのSVは必ず仮定法でなければいけないと勘違いしがちであるが、実は直説法も置くことができる

どういう違いかと言うと、それは直説法と仮定法の違いに起因する。

直説法→事実を述べる
仮定法→事実の反対を述べる

ex1. If it rains tomorrow, I will stay at home. (明日雨が降れば家に居よう)
ex2. If it rained now, I would stay at home. (今雨が降っていれば、家に居るだろう)
→ex2の仮定法は、実際は「雨が降っていないので家に居ない」という意味が含まれる。

さて、こうした違いがas if節にも表れてくる。
次の文を見てほしい。

ex1. He looks as if he is sick. (直説法)
ex2. He looks as if he were sick. (仮定法)

ex1の方は直説法なので、事実を述べている。つまり話者自身が“事実として”「彼は病気だ」と思っている場合である。

それに対してex2の方は仮定法なので、事実の反対を述べている。つまり話者自身は本心のところは「彼は病気だ」とは思っていないが、見た目だけは病気のように見えるなあ、と考えているときに成立する。

「まるで~のように」という表現は通常“事実の反対”を述べることが多いため仮定法がよく用いられるが、必ずしも仮定法でなければならないという訳ではない、ということに注意しておきたい。

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