読解の技術⑬~howが導く節について~

まずは問題。空所に適切な動詞は?
Harvard University economist W. Kip Viscusi recently asked a group of smokers to guess how many years of life, on average, smoking from the age of twenty-one onward would 【① cost ② earn ③ make ④ spend 】 them. (愛知医科大2015年第3問一部抜粋)

この問題は英文の意味を考えても答えは選べない。
howの性質を知って、文構造をしっかり分析することが必要不可欠。

howは大きく分けると2種、細かく分けると5種の形が存在する。

まず大きく2種。

how [方法・手段・様子]
  =どのように、どうやって
how 形容詞/how 副詞 [程度]
  =どれくらい形容詞or副詞/どれほど形容詞or副詞

ex1. How do you go to school?
 あなたはどうやって学校に行きますか?
how1語のみで“疑問詞”となっている。この場合は方法・手段を聞いている。
ex2. How early do you go to school?
 あなたはどれくらい早く学校に行きますか?
how earlyで1つの“疑問詞”となっている。この場合はearlyの程度を聞いている。

大きく分けると上記2種だが、細かく見ていくと更に分岐していく。
内訳は以下の通り。

(1)how=どのように、どうやって

①how=副詞→<how>+完全文
ex. <How> do you go to school?―By bus.
→howの答えとなるのは、"By bus"という副詞。
つまりhowそのものが副詞(文の要素にならない)のはたらきをしている。
したがって、後ろに従えるのは完全文

②how=形容詞(叙述)→(how)+Cがない不完全文
ex. (How) did they look?―They looked sad.
→howの答えとなるのは、"sad"という形容詞(叙述)。
つまりhowそのものが形容詞(叙述;Cになる)のはたらきをしている。
したがって、後ろに従えるのはCがない不完全文

(2)how 形容詞/副詞=どれくらい形容詞/副詞

①形容詞(限定)
 →[how 形容詞 名詞]+不完全文(S・O・Cのいずれかがない文)

ex. [How many pens] do you have?
→howに従う形容詞が限定(名詞を修飾する)用法である場合、名詞も含めた、“how 形 名”のかたまりで一つの“疑問詞”を形成する。
したがって、後ろに従えるのはS・O・Cのいずれかが抜けた不完全文

②形容詞(叙述) →(how 形容詞)+Cがない不完全文
ex. (How difficult) did you find the problem?
(あなたはその問題をどれほど難しいと思いましたか)
→howに従う形容詞が叙述(Cになる)用法で、“how 形”で一つの“疑問詞”を形成している。
したがって、後ろに従えるのはCが抜けた不完全文
今回の場合は、“find O C=OがCだと思う”のCが抜けてhowと共に文頭に出ている。

③副詞 →<how 副>+完全文
ex. <How early> do you go to school?
→howに従うものが副詞である場合、“how 副”で一つの“疑問詞”を形成しているが、副詞は文の要素にならないので、後ろに従えるのは完全文

[まとめ]

(1)how [方法・手段・様子]=どうやって・どのように
 ①<how>+完全文
 ②(how)+Cがない不完全文

(2)how 形/副 [程度]=どれくらい形/副
 ①[how 形(限) 名]+不完全文(S・O・Cのいずれかがない)
 ②(how 形(叙))+Cがない不完全文
 ③<how 副>+完全文


【冒頭問題の解答と解説】
Harvard University economist W. Kip Viscusi recently asked a group of smokers to guess how many years of life, on average, smoking from the age of twenty-one onward would 【① cost ② earn ③ make ④ spend 】 them.

答えは①cost。

how以降に注目。“how many years of life”という、“how 形(限) 名”が疑問詞で使われているので、後ろに従える節は必ずS・O・Cのいずれかが欠けた不完全文になるはずである。

how以下で文の要素にならない“前置詞+名詞”や副詞をカッコで括っていくと、以下の通り。
how many years (of life), <on average>, smoking (from the age) (of twenty-one) <onward> would 【 】them.

文の要素にならないものを外すと、
[how many years] smoking would 【 】them.
後ろの節はS・O・Cのいずれかが抜けた不完全文になるはずだが、SもOもある。
ということは、空所に入れるべきはOを2つ取る第4文型を作る動詞だと決まる。
したがって答えはcost。

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