読解の技術⑲~受動態を見たら~

受動態=目的語が主語になった文

であるので、Oを含まない第1文型・第2文型は受動態にできない。
その他の受動態の形は以下の通りである。

SV →×
SVC →×
SVO →O be Vp.p. by S
SVOO →O be Vp.p. O by S
SVOC →O be Vp.p. C by S

以上を確認した上で、実際に受動態に出会ったときは、下記の2点をしっかり押さえておくこと。

(1)“Vp.p.が出た瞬間に文型完了”が原則

Oを含む文型は全て受動態を作れるが、SVOOとSVOCの文型を取れる動詞の数は限られている。ほとんどがSVOの3文型を取るため、受動態にした場合、

O be Vp.p. by S

の形になるのが原則である。by Sはそもそも表記されないことの方が多く、仮に表記されたとしても“前置詞+名詞”は文の要素にならない。
したがって、受動態は“Vp.p.が出た瞬間に文型完了が原則”と覚えておく。
そうすると、以下の有名な誤文問題も直ちに見抜ける。
ex. I was stolen my bag.
この文はもちろん“I had my bag stolen.”と表記するのが正しいが、“Vp.p.が出た瞬間に文型完了が原則”と覚えておくと、
I was stolen / my bag.
のように、stolenというVp.p.の後ろに、必ずS・O・Cのいずれかになる名詞のmy bagが置かれているので間違っていると認識できる。

“Vp.p.が出た瞬間に文型完了が原則”

という知識は、読解時だけでなく文法問題を解く上でも多大な力を発揮するので、しっかり覚えておくこと。


(2)受動態→能動態への転換

例題;空白に適切な前置詞を入れよ。
Bread was provided (      ) each of the children.

読解をしているとよく受動態が出てくるが、普段暗記をするに当たって常に能動態の形で暗記しているため、受動態にされるとどうしても反応が遅れてしまうか、酷い場合だと意味が取れない場合さえある。こうした事態を避けるために瞬時に能動態に転換できるようにしておくこと。
転換の方法は以下の通り。

(受) O be Vp.p. +α

(能) V O +α
手順①:受動態の主語は能動態のときのOだが、これとVp.p.に注目して“VO”の語順で並べる
手順②:Vp.p.の後ろにあるものを“+α”と定義したとき、その“+α”を“VO”の後ろに補う

以上ができれば、Sを補う必要も時制を考える必要もない。とにかく能動態で基本の形に直ちに戻せるようにすること。

[例題の考え方]
手順①:“Bread”と“provided”に注目して“provide bread”にする。
手順②:“provided”の後ろにある、“(   ) each of the children”が “+α”に当たるので、この部分を後ろに補う。

“provide bread (      ) each of the children”

の形で完成。

こうして能動態にすると答えは簡単になる。
他動詞で使うprovideは、目的語に何を取るかで以下のように使い分ける。

provide 人 with 物
provide 物 for/to 人
=「人に物を供給する/与える」

今回はbreadという「物」を目的語に取っているので、答えはforまたはto

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