ドキュメンタリー映画の旅:なぜ君は総理大臣になれないのか 9 くろっく 2020年7月23日 14:22 映画「#なぜ君は総理大臣になれないのか」。官僚をやめ、政治の道を選んだ国会議員・小川淳也の、17年に渡る軌跡。題目から政治の話と身構えそうになるが、これは「苦悩する人間の物語、それでも前に進もうとする人間の物語」であり、偶々日本の政治が舞台であるが、内容は普遍的なものだと読めた。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 2016年、監督が本作の企画を、主役の小川さんに持ってくるところから、この映画は始まる。この時に監督と話す小川さんは、明朗で、明晰で、人の話を聴き、口も立つ。小川さんの事を知らずに本作を見に来た自分は、このシーンであっさりと心を掴まれた。ああ、こんな人が、衆議院にいるのか、と。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 「なぜ君は総理大臣になれないのか」という題目に、見る前は大仰さと唐突さを感じていたが、映像が進むにつれてその必然性が見えてくる。2003年、官僚の立場から国を変える事の限界を察し政治の世界に飛び込んだ彼は、一冊の本にまとめる程に政策立案に熱心で、国の変え方について真剣に考えている。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 その頃からカメラを回し始めた監督。当時32歳の小川さんはエネルギーに満ちている。監督が問う「総理大臣になりたいか」という言葉に、「やるからには」と力強く返している。(この内容は予告編で見れます) pic.twitter.com/eoRMR2Zm4T— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 その前に立ちはだかる政治の世界の力学の壁。比例選出だと小選挙区選出よりも立場が低くなるというのは知らなかった。成程、議席増加にダイレクトに貢献できるほうが戦力として重要、筋は通っている。そして彼が戦う選挙区には「地元の新聞社社長が親族にいる自民党候補」がいる。あまりにも分が悪い。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 それでも彼は誠実に政治の世界で前に進もうとするが、その誠実さ、裏を返すと権謀術数を弄さないあり方が、当時の野党である民主党の中でさえも発言力を手にできないという結果につながっていく。そしてカメラの写す先は、かの2017年に時間を進める。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 希望の党の出現により進んでいく野党の再編劇、そしてその渦中に仕掛けられた総選挙。「前原さんほど右じゃないし、枝野さんほど左じゃない」と語る彼は、しかし距離の近かった前原さんや、同じ高校の先輩で同じく元官僚である玉木さんとのしがらみもあり、「退くも地獄、進むも地獄」の中、決断する。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 希望の党の候補として出馬した選挙で、自身の政治信条は変わらない、と叫ぶ声は虚しく、支持者からは不安の声を、道行く人からは罵声を浴びる。それでも持ち前の誠実さで、両親・妻・2人の娘に支えられながら戦い抜いた選挙戦、深夜1時まで当確の出ない接戦で、しかしまたしても敗北を喫してしまう。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 希望の党の比例選出で5選目となった彼。希望の党は解散し、現在は立憲民主党に近い会派に所属(比例選出の議員は所属政党を変えられないというルールがあるらしい)して、今も活動を続けている。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 最後のシーンは今年の5月。「(コロナ禍で)世界のあり方が代わり、新しい統治が求められている」という彼に、監督は改めて「総理大臣になりたいか」と問う。「それは、答えなきゃいけないですよね…」と苦しい表情を見せつつも、「まだ志は捨てていない」と、絞り出すように答える。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 この17年間にいかばかりの苦労があったことか。エネルギーに満ちていた当初の姿との違いに、私自身が2003年に社会人になってから現在にいたるまでの事を重ねて見てしまう。とても他人事ではなかった。最初に彼に惹きつけられたのも、踏み越えた者の出すオーラによるものなのかもしれないと今は思う。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 「なぜ君は総理大臣になれないのか」。この問は誠実すぎる彼に向けたものである。のだけど、それと同時に、彼のような傑物が上に上がっていけない仕組みになぜなってしまっているのか、そうしてしまったのは私達なんじゃないのか、という叫びでもある。そして、本作の続きは、今目の前のここ、だ。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 例えば、彼の傑出ぶりが、全国区でより広く、多くの人々の知るところとなれば、政治の力学が働いた場でも、それを無視できなくなるのではないか。そう思うから、私は、今これを読んでいるあなたに、映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」を見てほしいです。— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 映画館に行けない、行きたくない、近くで上映されていない。そういう人もいるでしょう。見れます。8/1、オンライン配信イベントあります。是非。 https://t.co/STTnHjZlOt— 旅人くろっく (@ClockWorkStudio) July 23, 2020 ダウンロード copy #映画 #なぜ君は総理大臣になれないのか #なぜ君 9 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート