【FFF二次創作】因果応報

プロローグ

この物語に主人公はいない。
全ての人物がそれぞれの思惑をもって立ち向かう。
「頼む・・・力を貸してくれっ!」
「私を救ってくれた人の力になりたい・・・っ!」
「ライを救うにはアイツを倒さないと。」
「因果応報ってね。自業自得だ。」

これは、敵も味方もない。
一連の悲劇を終わらせる話だ。

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リーダーと希は殺され、真也は戦いに巻き込まないために出ていってしまった。
私は何をすれば・・・
一人になった愛。

「リーダー・・・希・・・どうすればいいの。
私を一人にしないで・・・。」

「で、一人で来たんだ。わざわざ?」

愛はボスサイドアジトへ。気づけば白衣で派手な研究員と話していた。
「そうよ!アイツを殺さないと浮かばれない!」
「それってさ、アイツと同じじゃないの?目的のために殺すって。」
「それしか、思い付かなかったから!」
「うーん、足りない知恵でここまで来たのは誉めてあげるよ。
でもさ、何で敵の俺に言ってるの?」
「えっ?」
「もしかしたら、あの金髪のねーちゃんみたいに俺から箱に閉じ込められちゃうかもよ。」
「それは・・・」

チューベローズ。花言葉「危険な快楽」
対象を計り、完璧な箱を作り出す能力。
以前、突入した時に希が交戦し、閉じ込められ殺されてしまった。

「・・・いいよ。今日のところは見逃してあげる。帰んな。
それと、忠告。そんな考えだったら殺す所か喰われちゃうよ?」
「・・・。」

言い返せなかった。
憎しみを相手に、怒りで立ち向かえば呑まれてしまう。その通りだ。

「まぁ、こっちも手を打たないといけないな・・・。」
派手な研究員・・・迫通は箱を回しながら闇に消えていく。

意外な味方

「くっそ!どうすれば!」

焦る。仲間が殺された怒りに震える。
どうもできないのに。

「真也は・・・。駄目だ。戦いに巻き込まないために姿を消したんだ。」

仲間はいない。
それに花も切られてしまった。
私にできることはない。

「あの・・・すみません。」
おどおどした少女が入ってくる。
「あんた・・・あの時のバケモノ!?」
「っ、姫野芽里です。あの時はすみませんでした。」

姫野芽里。アメリカヒメフウロの花人。
花言葉「誰か私に気づいてください」花主の身体強化の能力を持つ。
怒りのあまり見境なく襲ってきたことがある。
戦いの後入院したと聞いたが。

「どうして、ここに?」
「あ、安土くんから・・・退院したら、ここに来るようにって。」
「真也から?」
「はい。困ったらここに来るように、居場所になってくれるはずって。」
「すまねぇ。今は私一人になってしまった。力になれるかは・・・」
「・・・もしかして、憎しみに捕らわれてませんか?」
「えっ?分かるのか?」
「何となくですが・・・ 話、聞きましょうか?」

一連の出来事、リーダーと希の死、敵討ちの話を話した。

「愛さん、花人じゃなくなったのに挑もうなんて無茶ですよ。」
「それでも、報われないんだ。」
「落ち着いてください。怒りに任せてしまえば、相手の思う壺です。あの時の私のようになってしまいます。」

不思議と、そいつは落ち着いていた。
花獣だったことが嘘のようだ。

「すまねぇ。取り乱してしまった。」
「私で良ければ、力になります。」
「でも、能力でまた暴走するんじゃ・・・」
「大丈夫です。愛さんが見てくれるなら。」

双子の謀反

一方ボスサイドは
ライレイ姉妹と馳地流が交戦していた。

「レイっ!」
「イテテ・・・大丈夫だ。」
「どうしたんだ。刃向かうなんて。」
「どうして、能力が使える!?確かに花が切られて能力が使えないはず!」
「やめなさい!レイ!」
「花が切られて2人してチャンスと思ったか。バジル。」
「っ!足が!?」
「ライ!!」
「それに、君たちは私には逆らえない。」
「それは分かっています。でも、これは!?」
「・・・姉さんも知っているだろ。ボスの能力。」
「・・・!じゃあこの義足は・・・!」
「君たちは真実を知った。刃向かうなんて愚かなことするんじゃ無い。」
「っ!!」
「姉さん。今は好きにさせよ。 隙ができたら、アタシが。」

ボスサイドにも不穏な空気が。

「へぇ。切られても花が咲くか。やっぱり花人って分からないものだな。」
変わらず、ヘラヘラとする研究者。
「おい迫。あれ何なんだ!?確かに切られたんだよな!?」
「さぁ?何が何だか?」
「…ヤツをぶっ殺したいんだけど。」
「ちょっとレイ。」
「全く・・・お前たちもか。いつからこんなにも殺す殺すって物騒な世の中になったんだ?」
「お前たちって・・・?」
「他にも同じようなヤツがいたのか?」
「おっと。口が滑った。 じゃ、研究があるんで。失礼♪」
「行っちまった。」
「でも、ボスに恨みをもつ同志がいるの?」
「いるんだったら、是非とも会ってみたいもんだ。」

決意


「ま~た来たの?聞いたよ。花、切られたらしいじゃないの。」
「何度だって来るさ!諦めてたまるか!」
「そりゃあ無謀ってもんだ。一応聞くけど策はあるの?」
「それは・・・」

言葉に詰まる。
それはそうだ。花人じゃなくなって能力も使えないし。

「花が再び咲く可能性もあると思いまして。」
「君は?初めて見る顔だなぁ。」
「・・・っ。姫野芽里です。」
「あぁ、噂に聞いているよ。アメリカヒメフウロの花人だっけ。」
「えっ?何で知って?」
「君も大変だったよね。いきなり訳も分からず開花して。」
「ちょっと!話に着いていけないんだけど?」
「この子も馳地の被害者になるのかな?」
「何で?どういうこと?」
愛はますます混乱する。
「ヤツの悪趣味さ。この子を見つけて、能力で暴走させた。」
「何だって!」
「でも、あの時はいなかったはずです。」
「それな。毒島の能力で変装してたんだ。ついでにいじめっ子も変装した毒島だ。」
「いじめ自体が、仕組まれていた?」
「あくまでその時だけさ、他は知らないよ。」

明かされる事実。
しかし、姫野は動じない。

「姫野大丈夫か?」
「はい。私はその件があったから助けられましたから。」
「えー、話は戻すけど「花が再び咲く」って俺はあり得ると思うけどな。」
「本当かよ!?」
分かりやすく驚く愛。

「あくまで仮説だよ。雑草ってさ、根から抜かないと、また生えてくるだろ?」
「確かに・・・」
「それに馳地のやつ、さっき見た限りバジルを使えていたぞ。」
「はあ!?確かに真也からミセバヤで切られたはずじゃ!?」

リーダー=三瀬翔子から受け取ったミセバヤの力の刀で
花を切り落とされたと聞いていた。

「あのどうして、敵のあなたがそこまで教えてくれるんですか?」

さすがに疑念を抱く姫野。
罠の可能性も捨てきれない。

「別に?ここに執着してないからね。研究さえできれば、
 なんでもいいからね♪」

本当にそうだ。ここにいるが別にヤツに固執する必要もない。
機会を見計らってトンズラすることだって出来る。
それをしないのは・・・

「それに、ヤツが花を切られたって聞いてさ、うちの双子姉妹が謀反を起こしたし。」
「あいつらが!?」

以前、戦ったカラスウリの双子の花人。一方を倒そうとすると消えてしまい、苦戦した。もう一つの花言葉でも相討ちにしかできなかった。

「あいつらでも、奴には勝てなかったぞ。」
「マジかよ。あんなに強い能力を持つ奴らでもかよ・・・」
「まあ、事情もあるからな。」

そう。脅されてなければ、レイだけで十分に戦えたかもな。

「それで?どうする?諦めるかい?」
「・・・ダメもとだ。協力してくれないか。」
「また、面白いこと言うね。俺に裏切れと。」
「分かってる!でも、今の私じゃ、アイツに太刀打ちできないっ!」
「どうしてそこまでする?死んだお仲間が望んでいるとは思えないけど。」

リーダーや真也には呆れられるかもしれない。
敵の前で見苦しいかも知れない。でも!

「最初は、自分のためだった。けど、姫野の話やあんたの話を聞いて思った。 止めないといけない。今の馳地流を。」
「ほぉ。実に主人公・・・ヒロイン的な考えですこと。」
「だから、頼む。この通りだ。力を貸してくれっ!」

頭を下げ、敵に懇願する。

「分かった。そこまで言うなら考えてやるよ。」
「本当か!?」
「対価さえ払ってくれれば、手を貸してやるよ。」
「対価?」
「前々から気になっていたんだ。薔薇の花言葉の力。」
「っ!?な、何だよ?」
「身体の隅々まで調べさせてくれたらいいよ。」
「私はもう花は無いぞ!」
「その時はその時だ。サイズだけ測らせて貰うよ。」

迫は、愛の体を調べる仕草をする。

「愛さん。無理しないでいいです。嫌なら嫌で・・・」
「奴を倒せるなら安いもんだ。好きにしろ。」
「交渉成立だな。」

対価さえ払ってくれれば、
誰にでもつく。こっちの方が自由でいいからね♪

「じゃあ、準備があるからお先にどうぞ。」
「きっとだぞ!来いよ!」
「全く、呆れるほど君はまっすぐだなぁ。」
「本当に良かったんですか?」
「少なくとも利害は一致しているからね。それよりも、俺が来るまで持ち堪えておいてよ。君にしか出来ないからね。」
「・・・私は、愛さんみたいにそこまで信用はしてませんからね。」
「はいはい。ほら先に行っちゃうよ、じゃあ後よろしく。」

愛と姫野は先を急ぐ。

「土くれぐらいなら、能力を使わなくとも!」

気づかれたか、土くれが襲いかかってくる。

「姫野!大丈夫か!」
「はい!やっ!」

「こいつはキリないや。」
「こうなったら、 一気に片付けます。」
「どうやって!?」
「愛さん・・・ ちょっと離れててください。」
「まさかっ! 駄目だって!」
花言葉「誰か私をに気づいてください」アメリカヒメフウロっ!」

すると、姫野の雰囲気が変わり荒々しい容貌に。

コロス・・・ ち、違う・・・! 以前の私とは違うんだっ!」

そのまま土くれごと地面を叩き割り、土くれたちが穴の中へ落ちていく。
「す、すげぇ姫野・・・!」
「愛さん、行きますよ!」
「おうっ!」

再戦・双子の花人

一方、ライとレイは…
「何?何か騒がしいんだけど?」
「また誰か侵入してきた?」

「あっ、双子の!」
「あんた、何しに来たの?」
「あんたらのボス・・・馳地流はどこ!?」
「質問聞いてないでしょ。」
「ボスに何の用?」
「決まっているだろ! 敵討ちだ!」
「…はぁ?」
「それ、マジで言っているの?」
「私たち2人にも勝てないのに?」

ストレートな言い分に呆れる二人。

「お前、冗談言うなよ。」
「それに居所なんて言うと思う?」

確かに、あの人が特殊で基本こちらに敵意向けているもんな。自分も人の事言えないけど。

花言葉「二面性」カラスウリ。」

ライが消え、レイのみに。
「そこまで言うなら力づくで言わせてみな!」
「やっぱり、そうだよな! これでしか答えてくれないよな。」
「相手は花人です。愛さん花もないのにどうやって!?」
「少しずつ体力を奪うしかない。」
「どうした!そんなもんかよ!」

花が使えないと、分が悪い。
思うように動けない。

「じゃあね。諦めなさい。」
「やぁっ!」
姫野が2人に割って入る。
「…あなたも花人だったのね。」
「愛さん! 下がってください!」
「姫野!」
「面倒ね。」
「先にお前から片付ける!」

ライからレイに変わった、その時だ。
急に動きが鈍くなり、
二人に分離した。

「・・・っ!?」
「おい!何が起きた!?」
「ライ!」
「ゴメン。レイ・・・時間切れかも。」
「おい!どうしたんだ!?」
「うるさい!お前らには関係ない!」
「愛さん。見てくださいライさんの足が・・・」

義足から、草が伸びてきていた。

「これって、バジルの侵食・・・!」
「姉さん、今取り除くから・・・」

ちぎっても増殖し、キリがない。

「おい!レイ!花言葉で引き離せないのか!?」
「あぁん!? 二面性を使ったら、私までバジルに侵食されるだろうが!」
「他に方法は!?」
「っ! 馳地の野郎をぶっ殺せば止まるかもしんねぇ!」
「場所は!?」
「この先の広場に居るはずだ!」
「分かった。待ってろ!」

不覚だ。
アイツらに頼るしかねえとは。

「・・・姉さん。待ってろ。今、アイツらが助けてくれるはずだ。」

決戦 馳地流

「馳地流・・・!」
「この人が、全ての元凶・・・!」
「なぜ、仲間に手を掛けた!」
「計画に必要ないからな。」
「それで、ライに手を掛けたのか!」
「勘違いするな。元々、限界だったのだ。足も支配も。」
「お前っ!!」
「それに、花を切られたのにノコノコ来るとは死にに来たのか。」
「・・・!」
「相手の口車に乗らないでください!」
「すぐに、仲間の元に送ってやる。」

土くれが現れ、二人に襲いかかる。
「くそっ!早く止めないといけないのによ!」

連戦で体力も落ち、動きが鈍くなっている。

「トドメだ。」
「っ!? しまった!このままじゃ・・・もろに・・・!」

当たらなかった。
なぜなら・・・

「姫野・・・!?」
「約束しましたから。愛さんを守って・・・って。」
「えっ・・・?」
花言葉・・・「誰か私に気づいてください」アメリカヒメフウロ」

雰囲気がさらに変わる。
「雑草の花人に私が止められるとでも?」
倒せなくていい・・・ ただ、愛さんを・・・
     私を救ってくれた人がくれた居場所を・・・!
        これ以上傷つけさせてたまるかぁぁぁっ!!」

「その程度で倒せるとでも思ったか。行け。」

草花と土くれが、姫野に向かう。しかし、傷つきながら力技でねじ防いでいく。
「こんなものっ!!」

姫野も能力に適合しているとはいえ病み上がり。
限界が近づく。

「そろそろ、限界だろう。」
「っぁ!!」
「姫野っ!!」
「良くもったものだ。終わりだ。」
「っ!!」

特大の一撃を食らい姫野の身体が吹き飛ぶ。

「ひ、姫野・・・っ!」
「愛さん・・・お役に立てたでしょうか・・・?」
「や、やめろ・・・死ぬな・・・!」
「もっと近くに…来てください・・・」
愛は姫野に近づく。
花言葉「誰か私に気づいてください」アメリカヒメフウロ・・・」
「何を・・・?」
「私の能力は花人に効果があるんです・・・だから、愛さん元気出してください。」
「おいっ!嘘だろ!せっかく仲良くなったのに!これで終わりかよ!」
「もう終わりだ。こいつも死ぬ。」
「いいえっ・・・まだ、死ねません・・・あの人が来るまでは・・・っ!」

力を振り絞り、再び立ち上がる。

「死に損ないが・・・!」
「全くだ。ま~た派手にやってるね。」
「迫・・・っ!」
ヘラヘラしながら入ってくる研究者。

「ああ言っていた割に、俺のことしっかり信じてるじゃん雑草ちゃん。約束守ってくれてありがとね。」
「何しに来た。」
「んっ?実験をしに来たんだよ。そこの子と。」
すると愛を指差す。
「やっぱりお前!はなっから協力する気なかったんだろ!」
「まあまあ、押さえて押さえて。」
「お前っ!」

ビシッ!
迫に向けて茨が伸びる。

「おっと。」
「えっ?」
「何…!?」
「花が咲いている・・・?」
「やっぱり、花が咲いてるじゃん。」
「花が再び咲くなど・・・!認めない・・・!」
「何言ってんだか。自分だってそうだろ。」

「迫。改めて言う。あいつを倒すために協力してくれ。」
「全く、君、興味深いね。気に入ったよ。」
「迫・・・裏切る気か。」
「そうだね。 てか、そもそもお前の部下になったつもりはねぇよ。
「っ!!まとめて始末してくれる。」

閉鎖空間の共闘

何だコイツ。
急に態度を変えやがった。

「何か策はあるのか!」
「一度見てみたかったんだよね。双子を追いつめたヤツ。あれだよ。」
「・・・っ!時間は掛かるが、しかたねぇ!」

本当出すのに時間がかかるし、
恥ずかしいし!

「愛さん!時間稼ぎは任せてください!」

「後悔させてやる・・・行けっ!」
しかし、何も起きない。
「な、なぜだ!なぜ土くれが出ない!? まさか、ミセバヤか!?」
「残念。さすがに俺でもそんなチート使えないよ。」
「花言葉「二人だけの世界」薔薇!」
「なんと、今回はそこにもう一人入れちゃった。おっとくー」
「なに、土くれがなくとも負けはしない。 バジル!」

草花が延びて2人に襲いかかる。
「おっと、手が滑った。」

手から箱が転がり落ち、光弾が飛び出る。

「っ!?」
「えっ、それって!」
「キバナアマっ! なんてね〜」

仲間のポーズを決めて、ふざけて来る迫。

「はぁ!?何でお前キバナアマが使えるんだよ!」
「前に金髪のねーちゃんと戦った時にさ、箱に入れといたんだ。 特製キバナアマ爆弾だ。」

こういうこともあろうかと、
箱には弾はストックしてある。どこまで使えるか。

「ほら、一応持ってな。」
「おっ!とっとと…」

「花言葉「危険な快楽」チューベローズ」
「花言葉「情熱」薔薇!」
「さあ楽しい実験の時間だ。」
「馳地流!あんたを止めてみせる!」

決して、組むことはないであろう2人が並び立ち
最大の憎しみの権化に立ち向かう。

「くっ!ちょこまかと…!」
「おー。君すごいね。疲れが見えない。」
「お前も戦えよ!」
「俺の能力は戦闘向きじゃないの。」

薔薇で拘束しては、バジルで反撃され決定打が与えられない。

「どうすれば…!」

― 落ち着いて。深呼吸だ。 ―

「あっ!迫! さっきの箱だ!箱を使え!」
「そうか…。考えるね。」
「小細工など無駄だ。」
「それはどうかな?」

迫は、攻撃を避けながら、箱をいくつも作り出し、馳地の周りに置いていく。
「箱を置いて何になる。」
「そうだね。ただの箱ならね。」
「っ!?」
「足元にある箱には、キバナアマ入りとただの箱がある。
どれが地雷か、箱の中身は何だろね〜♪」

ヤツなら躊躇いなく、壊せるだろう。
しかし、本命はそこじゃないんだなぁ。

「こんな物!」
「隙だらけだぜ!」
「これだけ箱があると気をとられる。 地雷があると思うと周りに気が回らない…!」
「まったく、中身が分からないってのは面白いよな。有るか無いか。2択なのに。あるかもしれないと思ってしまえば、ドツボにハマってしまう。」
「迫…!」
因果応報」ってね。お前は、やり過ぎたんだ。
毒島を始末し、憎しみで人格を崩壊させ花獣にし、言葉で唆した上に侵食で姉妹を脅迫した。憎しみの行く末は自分に帰ってくる。そうは思わないか?

「何が言いたい…!」
「まだ、分かんないの?どうしてわざわざ箱を置いたのか。」
「…っ!?」
「俺の能力はご存知っしょ?サイズさえ分かればどんなものも箱に入れられるわけ。」
「まさか。サイズを測るためにこの箱を・・・!」
「ご名答。正解者には箱の中へとご案内♪」
「箱を出すまでにはタイムラグがある。言い切る前に侵食すれば…!」
「そうはさせない!」
「くっ!光を目眩しに使ったか。」
「ナイスアシストっ!終わりだ。バケモノ。」

静寂。箱が転がり落ちる。

「箱は完全密封。永遠に自らの憎しみで苦しむといいよ。」
「終わ・・・ったのか?」

決着。

2人だけの世界も解け、元の世界へ。

「姫野!しっかりしろ!」
「まだ息はあるみたい。早く病院に連れて行ってやんな。」
「迫…ありがとな。」
「あ~ヤダヤダ。そういうのいいって、人助けってガラじゃないから。」

とりあえず、姫野を病院へ連れて行く。
迫との対価はそれからだ。

「さて、あの子も退院してすぐ病院送りとは。可哀想に。」
「ちっ、一足遅かったか。迫!馳地は!?」
レイと浸食から解放されたライが合流する。
「これの中だよ。ほれ。」
「ここの中にヤツが…」
「どうする?何もしなくとも、ヤツは息絶えるけど。」
「姉さん。杖貸して。」
「何をするの?」
杖を振り上げ、箱に貫通させる。
「あぁ!何してんの。完璧な箱だったのに。」
「一発蹴りを入れられないのが、残念だがこれくらいにしといてやる。」
穴を開けた箱を投げ捨てるレイ。
「これから2人はどうするの?」
「姉さんと暮らせるところを探す。次は迷惑かけないために。」
「じゃ、俺も旅に出るかな。あっ、まだあの子から対価もらってないや。しばらくはこの街にいるかな。」

ボス=馳地流が消えたことで、こちらも解散することになった。

エピローグ・花人としての最期


「・・・。バケモノか、言ってくれる。」
穴を開けたことで箱から脱出することに成功する馳地流。

「やっぱり、一筋縄では行きませんか。」
目の前に刀を携えた人影が。
「安土くんか・・・」
「やはり、一度切っただけではまた生えてきますか。」
「安土くん・・・花人はバケモノなのだろうか?」
「そうですね・・・少なくとも、人生を狂わせるような人は。」
「・・・!何をするつもりだ。」
「雑草は根から対処しないと根絶できない。 花も掘り返されてされてしまえば、咲くことはできませんね。」

ミセバヤを宿した刀を抜く。
「おめでとう。おじさん。 これで、ただの人間だ。」


一連の憎しみによる悲劇は終わった。
しかし、必ずしも、いつも花人が加害者とは限らない。


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