【佐賀さわげFFF二次創作】いわれのない苦しみ

 プロローグ

「どうして私が苦しまないといけないの?
容姿が醜いだけでこの仕打ちって。
ひどい・・・私に力があれば、こんな奴ら・・・」

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「どしたの?また、花人の気配?」
チャラついた研究者が男に問いかける。
「いや、何でもない。」
「まあ、不思議だよな。どうやって花を宿したのか開花するのか。まだまだ分かんないことだらけだ花人ってのは。」
「人も花も環境だ。 環境が悪ければ枯れてしまう。」
「へぇ。もっともらしいことですこと。」
研究者はヘラヘラとしてどこかへ消える。
「・・・一部、 例外もあるが。」

いないモノ

姫野芽里。つぼみを宿しながらも開花せず、何の花かも不明。
学校でも、消極的で「いないもの」にされ、目には入ればバケモノ呼ばわりされる。


「いないもの」なら、何をしてもわからないよね。
そうそう。反応が面白いよね。
今日は何して遊ぼうか。


今日も、下卑た笑いが聞こえてくる。
笑われるのはもう慣れた。今日は何をされるのか。

「ほら、これを食べてみろよ!」
「止めなって、雑草が主食じゃないかもよ」
「・・・。」
今日は雑草か。食べられるのかなこれ。
差し出されるが拒む。すると蹴られ、無理やり口を開かされ、突っ込まれる。

「・・・っ!!」
「ちゃんと噛めよw」
「うわ、食べてるよ!」
「いや~面白いわ。」


「いつまで、こんなことを・・・」

ふと雑草に目をやる。

「はぁ・・・この雑草も、踏まれて、誰にも見つからず、枯れていくのか。まるで私と同じ。」


今、思えばあれがこの子との出会いだったのかもしれない。

花人の可能性

「毒島。花言葉で姿を変えることは可能か?」
 馳地はゴスロリでキセルを吹かす少女に尋ねる。
「完全ではないわ。でも目を欺かせるくらいはできるわ。」
「それでいい。このような奴に変えられるか?」
 ヤンキーと子分の写真を見せ、子分を指さす。
「長時間なら、近くにいないと効果が切れる。それに、本人はどうするの?」
「眠らせておけばいい。それに、自分自身には掛けられるか。」
「出来ないことはない。」
「そうか。ならば試そう。」
「花言葉「夢の中」ダチュラ」
キセルの煙を吹きかけると写真の子分の姿に。
「それで、何をする気?ボス。」
「つぼみでありながら虐げられている者がいる。花人の可能性だ。」
「何でそんなこと分かるんですか。」
「その子の置かれた環境さ。このままでは枯れてしまう。」
「全くわかりませんわ。で、私は何を?」
「目標に近づいてほしい。できれば、環境に影響を与えろ。」
「やれるだけやりますよ。」

馳地は阿古文太と名乗り、ヤンキーに近づくことに。

いつもと違う変化

私はいつも一人。誰も見てくれない。
容姿も、あの人達とは違う。私は努力してもあの人たちのようにはなれない。
居場所なんて…どこにもない。

放課後

 「まだ、学校にいたの⁉ さっさと帰れよ。」
 「つうか、もう学校に来るんじゃねぇよバケモノ。」

 …バケモノって何…? 私は…バケモノじゃ…

 
「おい、お前ら何やってるんだ?寄ってたかって1人をさ。」
 「ちっ、邪魔が入った。行こ。」
 「…えぇ。」

 ヤンキーが入ってきてあいつらは去ったが…。

 「さすが、兄貴!」
 「おい、大丈夫か?」


ヤンキーが声をかけている隙に、子分(馳地)は芽里に触れ、
 バジルの能力で憎しみを増幅させる。

 「…っ! わ、私は…バケモノじゃ…」
 「あぁ?なんだ?」
 「私は…っ!」
私は思わず、2人を突き飛ばした。
すると今までにない怪力で、男子を飛ばせてしまった。

 「わっ!?おっとととと・・・・なんだその力⁉。」
 「待って!兄貴ぃ!」

「うっ・・・、苦しい。何この感じ!?」
頭の中で反芻する悪口、暴力。恐怖よりも、感じるものすべてに
怒りを感じる

―なんで来てる、こっち見てる。気味が悪い。
化物、化け物、バケモノ…―

「…なんで、こんな思いしないといけないの? 私は何もしていない。
 悪いのはあいつらなのに…! 誰も助けてくれない。
            誰も私を見てくれない。 もう、嫌・・・っ! 」

力が欲しい。あいつらを、私を見てくれない人たち全てを見返す…力が!

「もう・・・いいや。私をバケモノ呼ばわりするなら、いっそ・・・
 バケモノになってやろうじゃない!」

咆哮とともに雰囲気が一変し、荒々しい姿に。

「はっ・・・。何だこれ?雑草かぁ? まあいいや。 
               これがありゃ、私は最強だぁぁぁっ!!」


「ボス。あれで良かったんですか?」
先ほどのいじめっ子から変装を解いた毒島と子分から変装を解いた馳地。

「ああ。計画通りバジルの種は仕込めた。」
「憎しみですか。」
「花は環境によって生かされる。悪い環境なら枯れるだろう。」
「じゃあ、あの子は・・・」
「しかし、例外もある。アメリカヒメフウロって知っているか。」
「コンクリートを突き破るほどの繁殖力を持つ草だっけ?」
「迫通…!」
研究者にしてはチャラついた奴が入ってきた。
「いやぁ、物好きもいるもんだ。下手すりゃ死ぬかもしれないのに力を使うなんてさ。」
「壊れてしまえばそれまでだ。ただの雑草だ。」
「・・・怖い。本当にこの人について行って良いのか。」
「まあ、つぼみを憎しみで開花させるなんて流石に、俺でもイカれてると思うね。」

エピローグ


私は、力を得た。これであいつ等を見返せる。そう思っていたのに。
気づけば、いじめていた奴らと同じになっていた。
力でしか衝動を抑えられない花獣になってしまっていた。

その後救われ、恩返しすることになるが、また別の話。

アメリカヒメフウロ
花言葉「誰か私に気づいてください」
コンクリートを砕いて咲くほどの力強い花主に身体強化を促す能力。
厳しいいじめの環境下でも耐える芽里に力を与える。

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おまけ

「兄貴!そのケガどうしたんすか!?」
「昨日、お前も居ただろ! イテテテ・・・」
「何言ってるんすか。オレ、昨日は寝込んで休みっすよ?」
「はあぁぁぁ!??」

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