押し麻雀は守備麻雀よりはるかに難しい【歌舞伎麻雀】
ども、くろっくです。
この話はフィクションです。
前回のnoteでは4547半荘-△2,093,600円の収支を細分化しました。
歌舞伎東風(通常)×押し重視・1266G
= △760,200
G代&T賞 = △799,200
懸賞 = +212,500
対人 = △173,500
平着 = 2.515(283-350-331-302)
歌舞伎東風(通常)×守り重視・2183G
= △515,100
G代&T賞 = △1,359,400
懸賞 = +541,600
対人 = +302,700
平着 = 2.476(534-578-568-503)
歌舞伎東風(イベ日)×押し重視・337G = △106,900
歌舞伎東風(イベ日)×守り重視・366G = △544,800
ソフト東風×押し重視・84G = △109,700
ソフト東風×守り重視・311G = △56,900
フタを開けてみると「歌舞伎ルール(通常時)では守り重視のほうが成績が良い」という実践結果となりました。
それでも僕は「歌舞伎では通常時でも押さないと勝てない」という仮説を捨てきれずにいます。
「いやいや、押し時の成績が悪いとデータで出てるでしょ」
「潔く自分の仮説は間違ってると認めろよ」
こう思う人もいるでしょう。
しかし僕としては「守り重視のほうが押し重視よりも収支が良かったのは押し引き以外の要素が働いているから」と考えています。
その要素とは主に2つです。
要素1→
押し麻雀は守備麻雀よりも難易度が高い。
ゆえにミスの契機が増えるので熟達するまでに必ず大流血する。
要素2→
押し麻雀と守備麻雀には押し引き以外に「副次的な性質」が発生する。
その「副次的な性質」こそが収支に影響しているのでは?
今回は、要素1について。
要素2については次回noteに書いてます。
押し麻雀は守備麻雀よりも難しい。理由としては2つ。
・押すか引くか問題に遭遇する頻度が違うから
・押し麻雀にはセオリーやマニュアルが確立されてないので判断基準がフィーリング頼みになりがちだから
(詳細は後で説明します)
福地誠さんは「麻雀は減点式の試験のようなもの」とブログで言ってましたが、押し麻雀だと減点式試験の問題数が増える上に問題の難易度も上がるということです。
となると押し麻雀に精通していないと試験での減点ポイントが増える。そして収支も大流血することになる。
ただし押し麻雀の正答率を上げて行って極めることができれば。
その時は守備麻雀よりも収支が向上するはずだと考えています。
難しいなら最初から守備麻雀で打てば良いでしょ。
そう思った人もいるでしょう。
確かに短期的に見れば守備麻雀だけやっていれば収支は良くなります。
しかしそれでは「負け額が緩和される」という成果は出るものの「純黒になる」という成果は出ません。
純黒になるには押し麻雀を極めないといけない。
ただし押し麻雀を極めるには収支に痛手をくらう長いトンネルを通過する必要がある。しかも通過しきれるのかも分からない。
それでも「短期的には収支に悪影響が出るけど長期的にはプラスになる」と考えています。
僕の実践データを振り返ってみると....守備麻雀より押し麻雀のほうが悪かったです。
しかしその原因は「守備麻雀のほうが戦術として優れているから」ではなくて「単に僕の押し麻雀が未熟でヘタクソだったから」だと思っているわけですね。
ベタオリは単純で簡単
そもそもなぜ押し麻雀は難しいのか?
最初の理由は、押すか引くか問題に遭遇する頻度が違うから。
具体的に言うと、守備麻雀はオリれば基本的に何も考える必要はないが、押し麻雀ではテンパイorオリまで押す引く問題がずっと続くからです。
ぶっちゃけ「ベタオリ後って頭を使わない」じゃないですか。
リーチ者の安牌を並べるだけなので簡単です。
安牌がなくなれば最も安全度の高い牌or安全度の高い対子暗刻を切ってれば良いので。たとえそれで当たったとしても仕方ないで済むし。
もちろん最低限の思考は必要ですよ。
「2軒目に備えて現物はどの順で切るか?」「そもそも最も安全度の高い牌はどれだ?」「△が通れば✕を通すことで押し返せるのでは?」「流局のテンパイをとりにいくか?」とか。
けどね、押し麻雀だと難易度がもっと上がるわけです。
というか「押す引く問題」へのエンカウント率が格段に増えるのです。それに比例してミスの機会が増えるわけです。
下は平澤元気さんの祝儀麻雀で騙されている初中級者が多すぎると思うの動画内から拝借した牌姿です。
東1局。ここからリーチに押すのか?オリるのか?
リャンシャンテンの赤2。動ける形。9mと9sが無筋とします。
手牌に安牌が何枚あるか?とか他の細かい状況設定はなしで。
押し重視の周期時の僕であれば「とりあえず9m(9s)は1枚押す」という選択をするでしょう。
ここでの注意は「全ツするぞ」という押しではなくて「オリる選択をギリギリまで保留する」という押しなんですね。
(ただし歌舞伎麻雀での話であって祝儀500Pのソフト麻雀ならばベタオリします)
重要なのは「1枚押す」という選択をすると数巡後に再び「もう1枚押すのか?オリるのか?」という問題にエンカウントすることです。
その時に「さらにもう1枚押す」という選択をしたら、数巡後に再び「もう1枚押すのか?オリるのか?」の問題に遭遇するのです。
1問目(例の牌姿)で"1枚押し"選択
→数巡後に2問目の押す引く問題に遭遇する
1問目で"1枚押し"選択
→数巡後の2問目も"1枚押し"選択
→数巡後に3問目の押す引く問題に遭遇する
....
1問目で"オリ"選択
→以降は単にオリるだけなので押す引く問題には遭遇しない
押したときに生じる「押す引く問題への遭遇ループ」。
これはテンパイするかオリるか他家がアガるかしない限りずっと続くわけです。
これが守備麻雀で「1問目=オリ」なら簡単ですからね。
押す引く問題をたった1問で終えることができる。これ以降に押す引く問題に遭遇する可能性は低いですから。
もちろん押し麻雀でも「何が来ても全ツ」ならば簡単なんですけどね。
何でも押す状況であればオリる選択そのものが存在しなくなるので。
こういう何でも全ツできる状況って金3赤3などのイベント日であれば多いです。
しかし通常営業の歌舞伎ルールであればさほど多くないですね。
もしかするとイベント日の押し麻雀の成績が良いのは「何でも押す状況が多い→問題への遭遇率が下がる→ミスの契機が減って収支が良くなる」というのもあるのかも。
押す引く問題そのものが難しい
そして「押す引く問題へのエンカウント率が違う」と言いましたが・・・
その押す引く問題の1つ1つが難しいのが厄介なのです。
なぜ難しいかと言うと押し麻雀にはセオリーやマニュアルが確立されてないのでフィーリング頼みになりがちだから。
守備麻雀ではセオリーやマニュアルが完全に確率されています。
「基本はシャンテン押しをしない」というのがベースなので基準が明確ですよね。
そして迷う場面に遭遇しても「迷ったらオリてさえいれば基準ラインから大きな逸脱はしない」という印象です。
とはいえ「迷うライン」が下がっていってオリすぎ病になってしまうことはありますが。
(ここで言うラインとは「守備麻雀基準のライン(≒天鳳打ちの押し引きライン)」です。「歌舞伎麻雀において本来正解であるライン」ではありません。)
一方で押し麻雀は境界線となるセオリーやマニュアルが確立されていない。それゆえに「どこまで押すか?」「どこからオリるか?」の基準ラインが曖昧なのです。
受け〇〇枚シャンテン。動ける動けない。打点が●●点。祝儀△枚。放銃率✕✕%。
これらを総合的に見て「押し引きをフィーリングで判断するしかない」というのが現状です。
もちろんフィーリングで判断するのは守備麻雀でも同じですが「フィーリング頼みの押し引き問題の数が圧倒的に多いのは押し麻雀である」ということなんです。
というか牌理や牌効率とは違って「そもそも押し引き選択はフィーリング頼みである」ということなのかもしれないですね。
黄金ラインという秘宝
歌舞伎麻雀の押し引きラインに正解があるとしてそれを「黄金ライン」とでも呼びましょう。
この黄金ラインを探し当てないと歌舞伎ルールで純黒になることはできないと思うんですよね。
そして「黄金ライン」は押し麻雀の内部にあって、守備麻雀の内部には絶対に存在しない。
だから純黒になるためには「押し麻雀の森」で黄金ラインを探し当てる必要がある。
ただし「押し麻雀の森」では危険が潜んでいる。
一歩間違えると崖から落ちたりする。方向感覚もおかしくなって自分がどこにいるのか分からなくなる。
そういう意味では「守備麻雀の村」に留まっていたほうが短期的な期待値は高い。
問題なのは「守備麻雀の村」に留まっていても場代負けしてしまうこと。もしも純黒のプラスならばむしろ村に居座るほうが良いのだが。
となると村を出て森に向かい、流血覚悟で黄金ラインという秘宝を探し当てないといけない。
こんなイメージです。
次回にも続きます。
では、ここらへんで。
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