「打点の実質的な価値」の期待値をまとめました⑤(東3-2本場-超大接戦)

ども、くろっくです。

打点の実質的な価値をまとめるシリーズの第5弾です。


今回は下の状況です。

東風戦・歌舞伎ルール
東3局・24000点持ち+3本場+供託リー棒2本
現在北家(東1南家スタート)
北 24000(自分)・東 24000・南 25000・西 25000

前回以上の超大接戦です。

点数がほぼ真っ平です。
さらに1500点×3本場+リー棒×2本が貯まっています。

この東3で「自分が1000点や8000点をアガった場合の価値」はどの程度なのか?
あるいは「親の12000や子の8000を放銃した時の実質損失」はどんなものなのか?

打点変動の様々なパターンをまとめました。


若干の前置き

表を出す前に「どのように打点の価値を査定したのか?」について言います。

具体的に言うと、打点を祝儀に換算することで打点の実質的な価値を把握するという査定手段です。


フリー麻雀には「打点変動による着順に影響する期待値」と「目の前の祝儀の期待値」の2つがあります。

そしてそれぞれ特徴があります。

打点変動の期待値=曖昧なもの
半荘精算で複雑なうえに、状況によって変動するから
祝儀の期待値=明確なもの
一局精算の即金なので単純だから

今までだと「祝儀を打点に換算して考える」というのが主流でした。(10000点相当の祝儀とか)
しかしこれだと打点の本当の価値が分かりづらいわけです。というか明確な物体を曖昧な物差しで計測しても良くわからないですよね。

そうではなくて「打点を祝儀に換算して考える」のほうが良いのでは?と思ったわけです。
これであれば曖昧な物体を明確な物差しで測れるので分かりやすい。


そして曖昧な打点の価値を明確にさえすれば麻雀の視点を「完全一局精算」で統一することができます。

祝儀を点棒換算する
="半荘精算"の打点期待値と"一局精算"の祝儀期待値を分けて考えないといけない
祝儀を点棒換算する
="一局精算"の打点期待値と"一局精算"の祝儀期待値で「完全一局精算」で統一化できる


視点を「完全一局精算」に統一化することで、押し引きのヒントになるはずです。

東1で満貫放銃のリスクはどこまで背負ってよいのか?
東2東3のトップ目はどこまで引くべきなのか?

など、自分の手牌祝儀のリターンと放銃による打点損失のリスクを天秤にかけやすくなるわけですね。

前置きが長くなりました。それでは表をご覧ください。


東3局・北家24000点持ち(3本場)
北 24000・東 24000
南 25000・西 25000
供託にリー棒2本
半荘開始時の期待枚数=△1.69枚

画像1

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画像3

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シミュレート条件

・東風戦(南入はなし)
・1着=+7000P・2着=+1500P・3着=△3500P・4着=△7500Pと想定
・チップ1枚あたり1000P
・半荘期待値は麻雀順位予想機というツールから
・麻雀順位予想機に100%依存した半荘期待値は「期待値A(左から1番目)」とする
・完全順位制の場合は「期待値B(左から2番目)」を参照に
・完全順位制でない場合は打点補正0.35倍が加わるので「期待値C(左から3番目)」を参照に
今回の数字は麻雀順位予想機に大きく依存しています。
実際の現場ではドラの枚数が違ったりオープンリーチがあるので、表の数字と現場の数字では乖離があるかと思われます。


感想

5500点ロン(+リー棒2本) = +6.52枚
16500点ロン(+リー棒2本) = +8.14枚
子に5500点放銃 = △4.50枚
子に16500点放銃 = △5.66枚
※5500点=1000点+1500点×3本場
16500点=8000点+1500点×3本場

「上がれば連対濃厚&トップ率も高い」という状況です。
なので「1000は5500点をアガるだけで+6.52枚というトップ1回分に匹敵する価値になります。

同時に「放銃したら逆連帯濃厚&ラス率も高い」という状況でもあります。
なので「1000は5500」を放銃するだけで△4.50枚という損失になる。

ちなみに東3の開始時点では24000点持ち。暫定的に3着です。

価値の変動が「アガり>放銃」なのは暫定3着が原因です。(3→34濃厚よりも3→12濃厚のほうが差がある)


一局精算という視点に関しての補足

重要なことを補足します。

まず、東3で5500点をアガれば+6.52枚を実質もらえるということです。

+6.52枚というとトップ1回分の価値ですよね。

「まだ東3が終わっただけなのに+6.52枚という解釈で本当に良いのか?」と思った人もいるでしょう。


この解釈で問題ありません。


というのも、東3で5500をアガるとオーラスは分の悪い一局精算になるからです。

東3で5500+リー棒2本をアガる
・東3の一局精算としてみると+6.52枚の収入になる
・次局開始時点での半荘期待枚数は△4.83枚
・1着のまま終了=+2.17枚
・2着になる放銃or被ツモor横移動=△3.33枚
・3着を確定させる放銃=△8.33枚
・4着を確定させる放銃=△12.33枚

まあ言い換えると「東3でアガったら+6.52枚だけどその代わりに次局オーラスの一局精算は不利になる」ということです。

基本的に順位が上がれば上がるほどに失うものが大きくなりますからね。


逆に、順位が下がれば下がるほどに失うものが少なくなる。

なので東3で放銃した場合は「東3の一局精算の損失は大きいものの次局オーラスの一局精算は有利になる」ということ。

東3で5500を放銃
・東3の一局精算としてみると△4.50枚の損失になる
・次局開始時点での半荘期待枚数は△6.19枚
・1着を確定させるアガリ=+13.19枚
・2着を確定させるアガリ=+7.69枚
・3着を確定させるアガリor横移動=+2.69枚
・4着のまま終了=△1.31枚


この一局精算という視点の考えとしては・・・

・展開次第で次の一局精算のシナリオが変わってくる

・そしてオーラスが終了すると東1シナリオにリセットされる

このように考えてください。



では、ここらへんで。

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