[SunoAI]歌モノをしっかり作って分かった苦労話(作詞編+歌モノで役立ちそうな知識)
前回に続いて歌モノでのお話です。
こちらを読んでいただいてからの方がしっくりくると思うので、
よろしければどうぞ~
今回は作詞編ということで、初めて作詞して初心者なりに
気をつけた点について書いていきます。
と言っても何も考えがないないまま書き始めたわけではありません。
ある程度作詞に関する動画なども予習してきたので、
その辺りの知識も踏まえつつ説明していきます。
テーマ
まずは曲のテーマ決めです。
ランダム生成でない限りは基本的に皆頭にある事だと思います。
最初は恋愛などよくある事をテーマにしようと思ったのですが、
せっかく画像や音楽生成AIを使っているので、
「生成AI」を主題にしようと決めました。
勿論このままでも進められますが、正直テーマについて歌詞内容が
全然出てきていないのでもう1つテーマを掛け合わせることにしました。
それが「猫」でした。
生成AIって指示しても思い通りに動かなかったり、思ってたよりも
凄い結果や面白いもの出力してくれたりしてちょっと猫に似てるなぁと。
ちなみに2つのテーマを合わせるというのはキャラクターデザインでも
自由度を広げる為使われている手法だそうです。
確かに1つのテーマでは行き詰まりやすそうですからね・・・
歌詞の土台
さてテーマは決まってちょっと考え込んだところサビに
「wah wahジェネレーション」「wah wahイマジネーション」という歌詞を
盛り込みたいなぁと思うところまでは行きつきました。
ただ歌詞全体を考えるのはあまりに時間がかかり、
そもそもサビ以外全然思いついてませんでした。
ということでここまでのをChatGPTに投げて土台を作ってもらうことに。
歌詞の生成結果は以下です。
これを土台に考えていきます。
歌詞の考え方
先に予習してた内容があるのでそこに合わせて歌詞を調整していきます。
結果歌詞の内容はこんな感じにまとめることにしました。
歌詞の文字数・語感を大事にする
サビの「wah wahジェネレーション」「wah wahイマジネーション」を
同じリズムとメロディーにのせられるように狙っていく可能な限り英語での表現を避ける
無理に生成AIの表現に頼らず、もう一つのテーマである
猫らしい可愛らしさも歌詞に表わす
これらを踏まえてまずはVerseから。
Verse
1行目はそのまま。
2行目で「操る」という表現はちょっと合わないので
「分からない」に変更。
3行目の「キャットのよう」は表現としてフワっとし過ぎていたので
「猫のよう」に変更。
「時には」も語感のリズムをより軽くしたかったので「まるで」に変更。
4行目はそのままです。
後になって気づきましたが4行目は修正の余地がありました。
SunoAI内の機能のRemixをしてくれた方がいたのですが、
歌詞のリズムが合わない趣旨の内容があったからです。
何故そうなるかというと前後の語感が噛み合ってないのが
原因と思いました。
「まるで気まぐれ猫のよう」「自由を求め走り出す」
どちらも合計12文字なのでどちらも同じメロディーやリズムで
代用出来るよう見えますが、実際には異なるはずです。
それぞれ文節で区切ると、
「まるで/気まぐれ/ねこのよう」「じゆうを/もとめて/はしり出す」
となり同じ文字数でも口に出して言うリズムとは変わってしまうからです。
幸い今回はAIくんが強引にそれっぽくしてくれましたが、
これはリズムがよれて全体がずれいき、生成回数が多くなった
原因の1つではありますね・・・。
勿論この考えは人間が作る前提なので無理には考えなくて良い部分は
ありますが、AIがそれっぽくしてくれるという特性上意識しておくと
印象に残りやすくリズムにものりやすい構成になると実感してます。
このお話は特にサビで重要だったりします。
Pre-chorus
土台には存在しないパートですが、欲しかったので考えました。
AIの挙動が生き物っぽいなぁというのをそのまま
Verse2の中に「好奇心の先へ」とあるので
「見つめる先へ」というのも表現としてありかも~と採用。
残る空白部分は「見つめる」のが猫の目からと連想して
キャットラインとする事に。
ちなみにキャットラインは一般的にアイラインやアイシャドウで
猫のような鋭い印象を作る手法の名称だったりします。
面白いのでそのまま採用しました。
Chorus
結構改変したパート。
まずはジェネレーションとイマジネーションは続けたいわけでなく、
同じメロディーとリズムにさせたいので1行分離すことに。
語感を考えて「交わり合う」を「混じり合う」に変更。
そしてVerseの項目と同じ考えで文字の語感を合わせる為
「ふたつの未来を 重ね合う」というのを追加。
「ふたつの/せかいが/まじりあう」「ふたつの/みらいを/かさねあう」と
文節の区切り方も変わらないのでこれでリズムが合うはず。
ただ「ジェネレーション」と「イマジネーション」は文字数が同じですが
微妙に語感は違ったりします。
「ジェ」は音として聞くと1文字としても換算出来るからです。
小さい「っ」や「チャ」なども近い考えで採用出来るかと思います。
実際に口で発音すると同じ文字数でも微妙にノリが変わってしまいます。
ただここは初期案を通したかったのであえてそのままにしました。
難しい説明になったものの、よく歌ってる人や作詞してる人が
「言う韻を踏む」とか「繰り返しの展開」にしたいとかを分解して
言うとこんな感じになるのだと思います。
他に「ジェネレート」や「ハルシネーション」も候補にあったのですが、
歌詞としてごちゃつくので今回は不採用に。
Bridge
あれ、2つ目のVerseはどこに?と思われるかもですが、
曲の時間が2分に収まらない為、最終的には削除しました。
何故2分以内に収めるのかという話は前回の記事をご覧ください。
BridgeなのでCメロにあたる部分です。
修正前も悪くはないのですがちょっと主張が強すぎると思ったので、
ここで猫らしい可愛い表現を入れたいなと思い大分改変しました。
「時にゴロゴロ 懐く声」はそのまま猫が懐いてくる時、
生成で思ってたの出力してくれて機嫌が良いなぁというイメージ。
「稀にイライラ 唸る箱」は生成AIをローカルで使っている人は
分かってくれると思いますが、生成時って結構PCから音がしますよね?
発想ハマって面白かったのでその比喩で入れてみました。
ついでに2つの歌詞の語感も合っているので良さそうです。
Chorus(ラスサビ)
内容自体は殆ど変更していません
初めに[modulation Chorus]があるのは、コーラス時に
転調したら良いなぁという希望でした。これは今回通らず。
ラスサビにあたるのでアウトロの後最後に「woo その未来へと」と
繋がって終わる意図で追加しました。
実際の曲でこんな書き方するかというと微妙ですが、
この曲ではほぼ意図通りの終わり方に出来ました。
出来上がった歌詞と実際の歌詞
最初は2分半以上くらいで曲の長さを想定していたので、
大きく変わりました。
そしてAIの特性上引用を繰り返したり、
聞き取れない別の言葉を入れる事もありました。
その結果こうなりました。
実際の歌詞ではそれまで普通に歌ってくれていた「キャットライン」が
「キャロル」のような発音になっていたり、「AIは不思議ないきもの」を繰り返したり、「woo その明日へ」のwooを飛ばして繰り返したりと
若干異なる流れになりました。
曲の小節数とリズムの都合上そうなったと思われます。
(無理に歌詞通りにするとパートが切り替わるタイミングがおかしくなる)
初めて歌詞を作った感想
思ってたよりも頭をひねって考える大変な作業でした。
普段歌詞考えてない分引き出しのレパートリーが少ないというか、
直球での言い方は思いつくものの歌っぽい別の言い換えが
出てこなかったりしたらこんな感じにGPTへ聞いてました。
クレジットも300近くかかったので作った当初は
やりきったのでもうしばらくやりたくない・・・と思ってましたが、
一回作り方分かればもうちょっと手際よく出来そうなので、
また挑戦してみたくなりました。
同時に世の中の歌の歌詞がどれだけ考えられて、意図をもって
作られていたかというのも感じるようにもなりました。
そもそも世の中にある曲の歌詞を見ても、全部文字数や
語感を揃えているかと言われるとそうは見えませんでした。
今回の歌詞で言うとpre-Chorusの「キャットライン~」や
Chorusの末尾「心を合わせて その明日へ」は意図的1行前の歌詞と
リズム感をずらしましたが、バランス調整の感覚が全然分からない。
ずらし過ぎると覚えづらい曲になり、全体を揃えすぎると
何だか面白味がなくなってしまう作りになりそうで。
この辺りの感覚は回数を重ねて掴んでいくしかなさそうです。
歌詞についての大まかな内容はこれでおしまいです。
最期に「生成AIでここまで考える必要があるのか?」というのを
音楽的に掘り下げるとどうなんだろうという事と、
おまけで音楽ジャンルを知らなくても細分化されて、
実際に音源を聞けるサイトについても置いておきます。
XのポストをRPすれば無料にしておきますので、よかったら
最期まで見ていってください。
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