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手仕事が普通にあった、贅沢な時代  ー作ったもので愛する人を包むー


断捨離中に出会ったステキなもの

仕事を辞めて家を整理し始めました。ずっとずっとずーっと前からやりたかったことです。在職中は、やり始めると仕事にいけなくなりそうだったので手つかずのままでした、、。案の定、物を捨てる、必要な物の所定の位置を決めることに、すごい労力と時間がかかりました。やっぱり、仕事を辞めてからでないとできないことでした。2階の私の仕事関係ゾーンに約2週間。台所ゾーンに約1週間。そして最近、衣服の整理にとりかかったのです。

衣服の整理中、とてもすてきな物に出会いました。出会ったというか、しまってあったんだけどその存在を忘れていました。写真にある2着のコート。私が着ていたものです!小学校低学年の頃のもの。雪が降る寒い冬の時期、このコートを着て学校へ通っていたことを今でも覚えています。冷たい風がピューピュー吹くたびに、黄色いコートのフードのファーが揺れて、額やほほを撫でてくれた感触、覚えています。五感を通した経験は体が覚えているもんなんですねー。おもしろいなー。

手仕事があった贅沢な時代


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これ、手作りなんです!!親戚のお姉さんが裁縫教室に通っていて、私のコートを作ってくれたんです。約半世紀前。これ、このデザイン、今でも遜色ないですよね。後ろのベルトもかわいい!2着とも既製品では感じられないかわいさというか上品さが感じられませんか?生地も硬くなっていません。言いたくないけど、昔の物は質がよかったな、とつぶやいてしまいます。

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2着とも、胸とバックに飾りステッチがほどこされていて、アクセントになっています。黄色いコートにはシックな色のお花が胸にちりばめられ、それがなんともかわいくないですか。このお花たち、親戚のお姉さんが(今はおばあちゃんになっておられますが)一つ一つ縫い付けてくれたんだなあ、とその場面を想像すると、なんと贅沢な時間、なんと贅沢な物を身に付けていたんだろう、と今になってため息が出てしまいます。

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これは、私の宝物です。もし、私の娘が子供を産んで女の子だったら、このコートを着せてみたいな、と思います。娘が小さい頃は、このコートの存在も忘れていたし、このコートの良さを感じられない未熟な私でした。ごめんなさい、コートさん。娘にも惜しいことをしました。

断捨離中にこのコートに出会ったとき、ちょうど雑誌に歌手の白井貴子さんの記事を目にしました。小さい頃にお母様が作ってくれたコートを取り上げ、手仕事の温かさを話しておられました。「あっ、私と同じだ」 白井貴子さんほどではありませんが、私もこのコート以外に何着か手作りの服を着せてもらっていました。その頃は、なにも思わず着ていましたが、なんて贅沢な衣生活をしていたのだろう、と今、小さかった頃に思いをはせています。

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「手仕事ってなんて尊い行為なんでしょう」

人を包む衣服

久しぶりに服を作ってみたくなりました。自分で作ったもので自分を包んでみたくなりました。私が作ったもので、愛する人を包んでみたくなりました。

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