book「絶対泣かない」山本文緒
昨年お亡くなりになった山本文緒さんの本について書いていた短い紹介文が出てきたので、記録として投稿しておきます。
「絶対泣かない」
15種類の職業の女性たちが主人公の短編集。
仕事をしながら生きていく中でのいろんなしんどさを、いかにもありそうな小さなエピソードの積み重ねで示しながら、ふとしたきっかけで起こる思いがけないできごとが、それぞれの主人公に「いろいろあるけど、この仕事も悪いことばかりじゃないじゃない」と思わせたり、あるいは「ちょっと生き方見直さなくちゃいけないのかも」と立ち止まらせたりします。
そしてそれは読んでいる自分自身や自分の周囲の人に対しても、こういうことってあるかもしれない」「あれってそういうことだったのか」と考えを巡らせるきっかけになったりします。
一貫してるのは、「働いて生きていくって、しんどいことも多いよね。そうやって生きている自分の生き方まるごとを、まずは認めようよ」というメッセージ。
それをビジネス書にあるような正論で説得するのではなく、「物語の力」で伝えてくれます。
あなたのお気に入りは、どの話になるでしょう。
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