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ポートランドのプロテスト(抗議運動)のプロセスが10年前と明らかに違う

アメリカが各地で大変なことになっている...

ミネアポリスで黒人のGeorge Floydさんが、白人の警官に手錠をかけられて無抵抗であるのに、首を膝で数分間押さえつけられて窒息死した事件を発端に抗議活動が起こり、ミネアポリスでは一晩で街の一部が廃墟になるほどの暴動が起こった。

やがて、アメリカの各地に飛び火し、ポートランドでも信じられないくらいの破壊行動や略奪が起こっている。

10年前くらいに僕がポートランドに住んでいる時は、市民がこんな破壊的で暴力的なことをするなんて考えられなかった。

2011年にニューヨークから始まったOccupy Wall Street(ウォール街占拠運動)もポートランドに飛び火して、多分アメリカで最大規模の抗議運動が起こったけど、それは驚くほど平和的で秩序があり、周辺のお店からも差し入れなどの応援をもらいながら、市長とも警察とも一定の信頼関係のもとで行われていた。

これが僕が抗議運動のキャンプサイトに潜入して残したブログ記事たち。

僕がポートランドに住み始めた2008年はちょうどオバマ政権が始まったタイミングで、この頃のポートランドがやっぱり一番良かったと思う。

そして、ポートランドのプロテスト(抗議活動)の性質の明らかな変化が表面化したのは、恐らく去年の8月に起きた極左と極右の暴力的な衝突だと思う。

たまたまちょうどこの頃に5年ぶりくらいにポートランドを訪れていて、この衝突の日に帰国便に乗って日本に帰る予定だった。

事前にこのプロテストが起こることは予告されており、市民にはこの日ダウンタウンには近寄らないように警告され、ダウンタウン内の商店も事前に休業されることになっていた。そんな日にダウンタウンを経由して空港に向かうのはリスクだったけど(プロテストが始まる前の早朝だったから特に影響はなかった)、この時に明らかな異変を感じていた。ポートランドでも明らかに市民の分断が起こっていた...

今回のプロテストの発端となったミネアポリスで放火などの破壊行動に加わっていた逮捕者の中に、白人至上主義や無政府主義グループとつながっている人が含まれていたらしい。それも、金曜日の逮捕者の中に白人至上主義や無政府主義グループとつながっている人が含まれていたらしい。それも、金曜日の逮捕者の80%は州外の人という...

ミネソタ州知事も呼びかけているように、平和的にプロテストを行っている人と、破壊行動を繰り返している人とは区別しないといけない。純粋に人種差別に反対して平和的にプロテストを行っているのに、人種差別を肯定する人たちがどさくさに紛れてプロテストのイメージを著しく悪くしているとしたら全くフェアじゃないから...

ポートランドでも同様のことが起こっている可能性があり、同じように適切に問題の切り分けを行う必要があるけど、明らかな市民の分断があり、極端な政治的思想を持って極端な行動を起こす人たちが存在するというのは事実。それを放っておくと命の危険に及ばなくても、実態とは全く違うイメージを意図的に植え付けられてしまう可能性がある。

昨日(土曜)も夜間外出禁止令が出ているにも関わらず、プロテストは行われ、48人が逮捕されたとのこと。

どんな意図でプロテストに参加したのかは不明だけど、年齢層が19歳〜24歳の逮捕者が大多数だったのが気になった。

ポートランドを第二の故郷だと思っている僕にとっては胸が痛い出来事であり、事実をもとに動向を追っていきたいと思っている。


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