おい!コロ！

ワタシの身辺は皆だいたいコロナに罹患した

ワタシは未だにない

コロナ禍初期

罹患した子供がクラスメイトからイジメに遭ったというニュースを観た

それはそれはとても痛ましい気持ちになった

そんなの誰がいつどこでどのようにかかってもおかしくないじゃないかとワタシは痛烈に感じていた

あれから間もなく3年

恐ろしいことに見事に周りはかかっていった

ワタシの仕事にも支障をきたしだしたが明日は我が身だと皆の無事をおもんばかり職を代行した

がワタシにはコロナから一向にお呼びがかからない

いやかからないに越したことはない

ないはずだがあまりにもかからない

周囲はますますかかっていく

職場だけではない

家族までも皆かかっていく

ワタシは気を引き締めた

皆が気を引き締めたはずだがかかっていったからだ

潔癖症と言われていた嫌いな上司もかかった

ガサツなワタシはそこそこ気を引き締めた

そろそろワタシにもその番が回ってくるに違いない

嫌な掃除当番が必ず回ってくるのと同じだ

否応なしにコロナはやってくるのだ

もう逃げも隠れもしない

覚悟を決めていた

しかしかからない

そのうち周囲が皆ワタシを強靭な身体の持ち主だと崇め始めた

いやいやそのうちくるさとワタシは照れながら謙遜した

にしてもかからない

なぜだ

あまりにもかからな過ぎる

ついには皆がワタシを変態な身体だと揶揄し始める

もはやここまでくると一度くらいかかりたくなり始めるワタシ

だめだ

そんなはずはない

嘘だ

そのうち2度目の感染をした者まで現れた

それみたことか

ただでさえ姿かたちの見えないコロナ

専門家に言わせれば姿かたちを変えているらしいコロナはなおもしつこく猛威を振るう

なんならインフルと併せて罹患した輩まで出始めた

ある部下がワタシにこう言った

「○○さん、インフルエンザウイルスってあるの知ってますか」

うん知ってます

かかったことはあるのだがあれは大学生の時にでもはや30年前の話だ

スゴい馬鹿にされた気がして心外だった

そんなことは今はどうでもいい

だけどなぜだ

なぜなんだ

なぜワタシはかからないんだ

一様に症状は聞き知るがわからない

もはやかかった者は成功体験のようにワタシにコロナ自慢してくる

おい!コロ!

神妙にして出てきやがれ!!