チカラ(B'zライブ記録)

B'zといえば、日本のロックシーンを
走り続けてきた驚異的バンド、という
イメージを持っている。

彼らの曲を耳にした
私の一番古い記憶は小学生の頃だ。

父の運転するクルマの中
「♪今夜ボクは寝な〜いよ〜♪」と、

小学生の自分には少々、アクの強すぎる
稲葉さんの声が聴こえてきた。

姉弟三人でげらげらと笑ったのを
覚えている。
今夜寝ないんかよ、とか何とか言って。


その歌は、とてつもない名曲だった。
私はスタジアムの一観客として
息をのみ、深い感動と共に聴き入った。
「今夜月の見える丘に」。


今回初めて参加したのは
Pleasure(プレジャー)という
五年に一度開催されるライブで、
B'zの定番曲、代表曲を演奏してくれるお祭りのようなライブだ。

B'zを応援し続けているファンはもちろん、私のような「新参者」も足を踏み入れやすい開かれた催しだと思う。

知人にB'zの熱烈なファンがおり、
その応援ヂカラというか熱に影響されて
チケットを手に入れた。

スタジアムでのライブは初めてだったが、
こんなに人のどよめきが深く響くのかと驚いた。
私はスタンドにいたのだけど、
オーディエンス一人一人が発する拍手や歓声が、波のように空間を渡り、押し寄せる感覚は心地よかった。

それに加えて
スタジアムに吹き抜ける風。

ライブ開始から雨と風が強まった。
時折ざあっと降ってくる雨粒。
吹きつけてくる風。
突然とどろく雷鳴、稲光。

それらが舞台装置の一部のように機能し、ライブに不思議な臨場感と一体感を与えていた。これも初めての体験だった。

実は稲葉さんは雨男らしく、
これまでのライブでも天候が荒れることが多々あったそうだ。

今回、途中でライブは中断され
天気が回復してから再開したのだが、
稲葉さんはまるで自分の責任のように
申し訳ないと繰り返していた。笑

中断・再開してからの会場の熱はすさまじかった。
B'zデビュー35周年という記念日の今日を皆で分け合い、特別な興奮を共有しているようだった。
忘れられない一日になった。


ライブを経験して感じたこと。
B'zの音楽は、生でぶち当たってこそ
本領を発揮する!
踊る、歌う、叫ぶ、拳を突き上げる、
その楽しいこと!

もちろんCDも良いのだが、
なんというかB'zの曲達は、
祭りの神輿みたいに、皆でかついで
ワッショイワッショイ楽しむ聴き方が
最高だなと感じた。

稲葉さん、松本さん、バンドの演奏が
全てを受け止めてくれる。

それぐらいの包容力があって、
どんなに後ろの方に居たって
「ようこそ!」と迎えに来てくれるような音楽なのだ。
それがめちゃくちゃステキだと思う。


ライブ序盤の曲は、
バンドのグルーヴを確認するように
若干遅めのテンポ感で
踏みしめるように演奏されていたのが
印象的だった。

何の曲かは忘れたけれど
途中、演奏の足並みがふわっと乱れたのだが、
その後すぐに、固く結ばれた綱のようなしっかりとしたグルーヴにただちに
戻ったのがカッコよかった。

その一瞬の乱れすらも、
抜きというか遊びというような雰囲気。

(素人の耳なので
フワフワとした表現で申し訳ありません。)

松本さんのギター大好き。

稲葉さんのボーカルの強さよ。

B'zの持つチカラ。

B'zのリスナーが持つチカラ。

自分の中にあるチカラ。

それに目を向け、気付かせてくれる。
今日は本当にありがとう。

五年後のお祭りにも、
参加できたらいいなと思いつつ。

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