物流現場の「日報」でできること
物流現場には多くの日報や管理票、点検表などがある。
上手に活用すると、日報を書いている本人だけでなく、職場にとっても多くのメリットがある。
振り返りの習慣ができ、次の仕事へ活かすことが出来る。
工夫をすれば素敵なツールになるということだ。
ただ、残念なことに多くの物流現場では作業開始前の確認と作業終了時の確認に使われていることが多い。
つまり、仕事を始める前の状態確認がされ、確認という行為をすれば○印を付ける。そして、仕事が終わり片付けがされると「やりました」という報告の○印がつく。
1ヶ月分を通して見返すと、きれいに○印が並び、コメント欄には「問題なし」と書かれている場合が多い。
これは昨日の仕事が終わって、きれいに片付けられている現場を今日の仕事が始まる前に確認して○印をつけているのだから、よほどのことがない限り、数時間の間に大きな変化が現れることは少なく、「問題なし」が続くことになるでしょう。
作業になってしまっている。
確かに現場の安全日誌としてエビデンスとしての役目は果たしているのかもしれない。しかし、それが本来の目的でしょうか?
始業前に確認すべきことと、作業中に確認すべきこと、作業終了後に確認すべきことを分けて考えていくと姿が変わってくるのではないでしょうか。
安全日誌、作業日報、設備点検表、4S実施確認表、現場巡回日報…などなど会社によって様々なフォーマットで多くの日報があると思います。
例えば、人材育成日報などをうまく活用すると、書いている育成担当者は、計画に対して成果を振り返る良い機会になったり、上司は人材育成の進捗状況の把握ができ、コミュニケーションが活性化したり必要に応じて助言やサポートをすることもできます。
設備・機器点検表などでは、フォークリフトの始業前点検は比較的しっかりやられている印象です。しかし、バーチレーターや駆動コンベアなどの確認は、業者任せであったり1ヶ月に1回だったりする。
動くものは「動かす力」があるということ。
コンベア上に異物が落ちたり、エリアセンサーが振動でずれることも少なくない。
管理監督者は予定数と実績を確認して報告書に記帳するなどがあるでしょう。しかし、WMSが整備されていれば、目視だけで終わっているかもしれない。
知りたいことは予実だけではないですよね。
物流現場でデジタル化は遅れており、まだまだ手書き中心のアナログな世界である。
アナログな世界のうちに、「日報」に工夫を凝らし、職場を活性化するツールとして運用できるようにしておくことをお勧めする。
活用しているとデジタルに対する要求が生まれてくる。
「日報」から何を見たいか?どんな活用がしたいか?
ただ、○を選択するだけのものより、集約し、分析し、傾向を探れるものの方が良い。
与えられるDXより、活用できるDXにしていくことが大切だと思います。
「日報」にも糸口は多くあると思います。
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