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「海の雪」 安房直子 32歳       受け入れ難い現実の中に見た美しい幻

 安房直子さんの物語を 自分なりに分類しようと思っています 
 好きな表現 と 分類する時のヒントになるワード
 を書き出しています   ネタバレを含みます

① *張りつめた一枚の布のような海が 
  もどかしいほど 無表情な灰色をしてひろがっているばかり
  
  *うっすらと白い丘 *うなじの白い人 
  *祖母のところにとどけられた白い手紙 
  *白いかさがふわりとさしかけられた 
  *まつげには白い花があとからあとからにじんで咲きました
  *少年の肩は まっ白になり
  *白い手紙のさしだし人の住所(そらでおぼえていたつもり)
  *線がきの白い花 白いもくれん 
  *ぼくの母の手もあんなにかったろうかと
  *ひと張りの白いテント
  
  *ふうわりと やさしい りんごの花のような
  *首にまいた毛糸のマフラーだけが ゆらゆらとの中におどっている
  *うねうねとつづくの道
  *ばかりがほとほととふりつもり
  *海の
  *のなぎさ
  
  *大きなをした美しい女の人が かいがいしくはたらいているはず
  *少女 大きなすずしい(彼の胸の中の母のと似ていた)
  *きびしい(しっ。そんな大きな声をだして鳥がにげるじゃないの)
  *彼の母とおなじをしてわらっていました
  
② *小さいときにわかれた少年の母 
   みなと屋(旅館) おかみさん
   子どもも何人かいる 子どもが大勢 女の子ばかり 妹がたくさん
  *祖母 
  *髪の長い少女 
  *父 記載なし

③ *そぼくな人びと 親切に案内してくれるはず
   道をたずねる人などだれひとり見あたらない
 
  *海岸通り四丁目
   海岸通りは三丁目で終わり

  *肩の
   春の陽
がゆらゆらとふたりの肩にこぼれてくる
  
  *花(何だかいいにおい)⇔鳥(かもめ)

④ *母にふいにあいたくなって 
  *まったく音のない世界にとじこめられていくような気がしました

⑤ 「もくれんは みんな 上をむいて咲くんだねえ 
   まるで お祈りをしている人のみたいにさ」
  「どのもどのも 空をむいて 清らかに祈っているのでした」

  「雪のなぎさには ふたすじの足跡がついていました  
  それは少年のものと そしてもうひとつは かすかな鳥の足跡でした」

⑥ *マフラーの色 指定なし
  *死に誘われたのか 望んでいた死 引きとめられたのか

絵 味戸ケイコ 松永禎郎 吉田尚令

1975年5月 「白いかさの下で」 ジュノン童話館 JUNON 主婦と生活社1975年11月 「夢の果て」 サンリオ 
1980年9月 「きつねの窓」 ポプラ社 
2005年10月  「きつねの窓」 ポプラ社

秋元紀子ひとり語りCD安房直子シリーズvol5」収録作品


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