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夕日の国 安房直子 28歳 

安房直子さんの物語を 自分なりに分類しようと思っています 
好きな表現 と 分類する時のヒントになるワード を書き出しています  ネタバレを含みます


*ぼく
*お父さん おまえにまかせるよ なかなか才能があるぞ 
      いまに 美術の勉強をするといい
*お母さん 記載なし
*おばさん(おそば屋)

*咲子 ちぢれた 長い髪 ほおが赤くて つやつや
    赤いスカート ばら色の目

*ひとこぶラクダ    ジプシーのラクダ うるんだ目 長いまつげ 
            首に大きな鈴 背中に山のような荷物 
            ひとりぼっち ラクダが一匹 
            重い荷物をおろしてやりたくなりました
            友だちになりたい
            たった一度 
            あのかわいいこぶをさすってやりたい

*あたしのお母さん   背が高くて カンナの花みたいな人
白い服を着た女の人たち *美容師さんを 五人もつれて
*ビルのそうじのおばさん


オレンジ色の紙
まっ白い運動靴
*遠いオレンジ色の国
オレンジ色の水が とろりとはいっているのです
*あたりはいちめんオレンジ色の砂漠
オレンジ色の世界
*なんだかオレンジ色のものにつつまれるような気がするよ

*血のように赤い地平線
ひなげし色の空

白い三角テント


五十とんだら 夕日の国が見えてくる
 六十九 七十 どこもかしこも オレンジ色
 七十で 夕日の国へ行ける
 八十七 八十八 ほら むこうから ラクダがくる
 八十いくつかでラクダの姿
 それから百で またもどってこられる
 百までいったら なにもかも おしまい
 百二十 ラクダのそばまで行かれるのに

*一生夕日の国でくらすことになる
*夕日の国の人
*夕日の国の音

*ショーウインドウ
 大きい窓 表通りに面している 蛍光灯が三本
 
 小さいほうの窓  横丁の路地に面している 人目をひくわけがない
 さびついた画びよう ふたつ三つ とまっているだけ

*クレオパトラ美容院
 ほそ長いびん スマートな六角形のびん すてきな薬
 通りのむこう あたらしいビル 十五階 エレベーター 表通り
 大きな湯わかし器
 ドライヤーはみんな 大きなつりがねの草のかたち
 パーマネントの機械
 この広い美容院は ぼくたちのへや
 はりめぐらされた鏡の中に ぼくと咲子の顔が 白いふしぎな花ように


とてもこわい顔で 「しーっ」
*なわとびブーム 

*そうさけんだとき ぼくの頭は くらんとなって

*ちょうど 厚いガラスで仕切られた
 むこうとこっちとでは 手をふれることも 
 音を聞くこともできないように

*店じゅうの音がー 
 お客のさざめきも 音楽も 水の音も電気の音も ピタリと止まりました そして 店じゅうの人が こちらをむきました

その顔は ぎょっとするほど 咲子にそっくりでした


「そんなの ないや!」
きゅうに ぼくは 泣きたくなりました 
なわとびといい ドライヤーといい みんな途中はんぱじゃありませんか もうすこしで ラクダのそばへ行けると思うとき 消えてしまうじゃありませんか まるで 朝の夢のように・・・・・・
「どうしてなんだよー どうして おしまいまでつづかないんだよー」
ぼくは だだっ子のように いつまでも泣いていました

「いま ぼくは思います
もしかしたら 
咲子は はじめから 夕日の国の子どもだったんじゃないかと
ぼくたちが 夏休みに 遠くへ旅行するように あの子もちょっと 
ぼくたちの世界をのぞきにきたんじゃないかと
そうじゃなくてどうして ぼくの目にあんなにありありと 
夕日の国を見せてくれることができたでしょうか」

*一時的な登校拒否(不登校)←母の蒸発?再婚?死?  父子家庭
 喪失感をうめてくれる イマジナリーフレンド 
 理不尽でもなく 自然な別れ 納得感

味戸ケイコ 司修 杉田豊 渡辺則子 北見葉胡

1971年8月 海賊 22
1972年5月 風と木の歌 実業之日本社
1975年1月 きつねの窓 角川文庫
1980年6月 南の島の魔法の話 講談社文庫
1980年9月 きつねの窓 ポプラ社文庫
1981年4月 風と木の歌 実業之日本社
1985年4月 風と木の歌 大活字本シリーズ 埼玉福祉会
1992年3月 うそをついた日に読む本 偕成社
2004年3月 安房直子コレクション① 偕成社
2006年7月 風と木の歌 偕成社文庫

2020年3月 光と窓 カシワイ リイド社


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