版画の種類でよく見かけるリトグラフとは?
版画の技法のひとつにリトグラフというものがあります。
リトグラフは石版画ともいい、18世紀末にドイツで確立された技法です。
石版画と呼ばれるだけあり、昔は版材に石を使用していましたが、近年では石よりも軽量で扱いやすいアルミ版を使用することが多いようです。
リトグラフは版を彫って凹凸をつけるのではなく、平らな版材に油分を含んだ描画材で直接絵を描き、薬品で処理を行うことによって紙に刷りとる版画技法です。
■リトグラフの版制作の工程
① 油性マジックやクレヨンなどの油分の強い描画材を使用し、版材に描画します。
② アラビアゴムという天然樹脂を塗り、安定させるため1日~7日程度放置します。
③ 灯油やシンナーなどを用いて描画材を溶かし、平版用ラッカーとチンクターと呼ばれる液品でコーティングします。
④ アラビアゴム、その上の平版用ラッカーとチンクターを水分で落とします。
⑤ ①~④の作業によりインクを吸着する描画部分と、インクをはじくその他の部分に分けることができます。
⑥製版インク→タルク→ラズン→アラビアガムの順に塗り、放置して安定させると版の完成です。
以上の手順はYouTubeなどに動画が公開されていますので、興味がありましたら探してみてください。
文章で読むよりも動画で実際の工程を目で見た方が解りやすいです。
リトグラフは一般的にイメージされるような版画とは異なるため、版の制作風景を見ているだけでも楽しめますよ。
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