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〔89〕エントロピー極大状態に到達した現世界

〔89〕白頭狸の時務随想 飽和状態に達した現世界
 このところ夜は比較的涼しいので、エアコンを弱冷にもせずに寝入ってしまった白頭狸は、夜半に左脚の坐骨神経が痛み出したので鎮痛剤を呑み、温湿布を貼って凌ぎウトウトとしながら朝を迎えました。
 易経に「積悪の家に必ず余殃あり」とありますが、白頭狸の永年の不摂生がここへきて顕現したわけです。尤も積年の不善が形をとって現れたのは白頭狸だけではありません。世界各所で天変地異が相続き、諸国で事変動乱が勃発するのは、政体積年の悪行の結果で、今や人類が三千世界同時に揺れる大変動の直中にいることは否定すべくもありません。

 人類史は、啓典一神教が説くように一方的に進行するものでなく、それぞれの文明の社会相が起・承・転・結のサイクルを描きながら時間軸を進行することで形成される「時代」の連続であります。このゆえに「起」の時期に始動した「時代」は「結」で完了し、次の「時代」の始動を待ちます。
 それぞれの「時代」の栄枯盛衰を規定する「起承転結」があたかも内燃機関に似た普遍的メカニズムをなすのは、それぞれの「時代」を構成する事象の根底にカルノー・サイクルがあるからです。
 カルノー・サイクルは、俗に「吸入・圧縮・爆発・排気」の四つの過程で説明されますが、温度の異なる二つの熱源の間で作動する可逆的な熱力学サイクルですが、詳細はネットで検索してください。
 桐蔭高校で理科コースだった白頭狸は相対性原理と遭遇した際、「光速不変の法則」にぶつかり、理解不能に陥ったため早々に物理学をあきら、大学は東大文Ⅰを選びましたから、詳しいことは知りませんが、直観としてカルノー・サイクルは「エントロピー増大の法則」と奥底では連なるものがあるように思います。
 そればかりでなく「エントロピー増大の法則」は化学で言う「飽和状態」にも深く関係しているようで、これらに関しては昨日(七月七日)に収録した洞察帝王学で述べましたが、公開は八月ですから、それを御覧になってください。

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