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〔189〕目に見えない「非対称戦」こそ本当の戦争(最終)

〔189〕目に見えにくい「非対称戦」こそ本当の戦争(最終)
 〔188〕が思いのほか長くなり「非対称戦」までたどり着けなかったので、〔189〕で〔非対称戦〕をまとめます。

 落合が「非対称戦」を説く前に「大東社」を論じ、さらに「タカス」を論じたので、読者諸兄姉は驚かれたと存じますが、之には深い理由があるのです。
 そもそも「非対称戦」とは「戦争の形態の一つ」で「交戦者間の軍事力、あるいは戦略、または戦術が大幅に異なる戦争」とされています(ウィキペディア)。
 交戦様態が「正規軍同士の戦闘でない」のが特徴で、相手と同じ戦術では勝てない交戦集団が、相手が予想できず対抗もできない手段で戦闘に持ち込むのを謂うので、いわゆる「ゲリラ戦」や「テロ」がこれですが、交戦集団の兵力の規模や、戦力の差異とは無関係な概念です。
 ポストWWⅡの世界では国内の民族闘争・宗教対立・政治的対立などが頻発していますが、これらは主権国家間の戦闘でなく交戦者の片方が「武装勢力」で「ゲリラ戦」を挑むため、主権国家の正規軍では対応が困難な場合が多いのです。
 因みに主権国家が国軍の中に「特殊部隊」を設置するのは、反対勢力によるゲリラ戦に対抗するのが目的です。つまり国家の正規軍の方が、戦闘単位のより小さいゲリラ勢力に合わせて編成を行うわけで、石原莞爾の予言(戦闘単位の小集団化)が的中した証拠です。
 以上で観たのは巷間学者のいう「非対称戦」ですが、落合は「非対称戦」の本質は「戦争主体の非対称性」にあると考えています。
 主権国家同士あるいは武装勢力同士の戦闘は戦争主体が対等ですから、その戦闘態様は原則として対称的ですが、主権国家と非主権勢力(武装勢力・宗教勢力・宗教勢力・その他勢力)の間の戦争となると、原則として「非対称性」を帯びるのです(理由は別の処で述べます)。

 ここでの問題は、右に挙げた「非主権勢力」の中の「その他勢力」にあります。そもそも主権国家の舵を取るのは「政体」ですが、当該政体に敵対する勢力は、国内外を問わず悉く「その他勢力」なのです。
 一例を挙げます。現在のアメリカ合衆国において「バイデン政体」と「トランプ陣営」の対立が日に日に進んでいますが、国家制度の根幹たる大統領選挙の不正によって政権を盗んで成立した「バイデン政体」は、政体の正統性を欠くとは言っても、法律的にはすでに主権国家アメリカ合衆国の〝正当な政体”で、これに対抗するトランプ陣営は「非主権勢力」です。
 この両陣営の戦いは、目下アメリカの法制度のもとで選挙戦として進んでいますから「戦闘」と言える段階ではありませんが、この先はつぃてこのまま続くか予断はできません。
 そもそも前回の大統領選挙自体が正当な選挙ではなく「不正選挙を用いた非対称戦」だったのですからね。今回も選挙戦から非対称戦に発展する可能性は相当に大きいのです。
 この論調を以て、落合の謂う「非対称戦」の意義をご理解頂ければ幸甚です。

 
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