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日本を対米依存から解き放て 10/2

〔62〕日本を対米依存症から解き放て!
 第七章を「ストック経済の再生に向けて」と切り出したが、途中で、「竹下登先生の晩年の動向と薨去の真相」に切り替えたのは、平成大停滞の主原因たる「日本経済の支那シフト」の口火を切った竹下先生を鎮魂するために禊ぎ祓えしたのである。
 竹下先生晩年の大事業は、実に「支那人の図体を借りた日本が頭脳力を支那に注ぎ込む」ことであった。この計画に身命を賭した竹下先生が胸に秘めておられた経綸は、当時は口にするのも憚られることだったからわたしも口外を避けてきたが、爾来三十年国内の風向きはようやく変化してきたので、思い切って口を開こうと思う。
 竹下先生の心願は日本を対米依存症から解き放つことであった。植民地解放の大願を果たすべく東南アジアの植民地軍と戦ったわが将兵が大東亜戦争で勝利したものの太平洋戦争で核兵器に屈し、以来七十余年、国内に占領軍の基地を置かれたまま、巧妙な文化侵略による全思想改造を全国民が受けてきた。
 大東亜戦争を侵略戦争とする捏造された史観をそのまま擦り込まれた国民は、戦前日本(大日本帝国)を好戦的・侵略的な帝国主義国と誣いられたまま、これを学校教育・社会教育で昼夜の別なく擦り込まれてきた。
 その例外であるべき家庭教育において、子女に伝統精神を説くべきプレ団塊世代の父兄は、あるいは外国で捕虜として洗脳され、あるいは戦後の民主化宣伝を受けて民族の伝統に自信を失い、ひたすら敗戦史観に流されていった。
 戦後の日本はさながら武家社会の再来で、横田基地の在日米軍司令官を「征倭大将軍」とする「横田幕府」が実質的に統治し、日本人が選挙で選んだ議会と議会が択んだ政府が、往古の「武家伝奏」のごとく、GHQ指令を法律・政令・省令政令に置き換えて発布するという有様で、これを「日米合同委員会」というシステムが運営してきたのである。
 日本を占領する勢力は表向き国際連合軍と称するが、実態はペンタゴンおよび、これと結託した国際金融連合で、背後勢力は国際共産主義(トロツキズム)である。
 この勢力の正体は、スターリンによってソ連を追われてアメリカに渡ったトロツキストで、ウオール街に蟠踞して証券資本主義化したアメリカ社会を情報で操り、国家権力と議会を乗っ取って世界制覇にひたすら邁進しているのである。
 彼らの目指すところはいわゆるグローバリズムで、国家権力の象徴たる国境を撤廃して全世界の人員をコスモポリタン(世界市民)とすることを目標とするが、実のところは、全人口を上級市民(奴隷主階級)と労働者(産業奴隷)の二階級に分割固定して今日的奴隷制による永久支配を完成したいのである。
 彼らの依拠する支配手段は「金融的信用」で、道具は「信用通貨」である。具体的には米ドルで、その発行権こそ世界支配力の源泉とみている彼らが、何をがな暴力装置を用いてこれを確保せんとするのも道理であろう。
 ところが「信用」とはほんらい人間心理を根底とするもので、ここが国際共産主義、別名グローバリズムのアキレス腱なのである。
 そこで彼らは、覇権(暴力)通貨たる米ドルの「信用力」を裏付けるための恰好の材料を捜すこととなった。
 そもそも通貨とは本来貴金属を本位とする金銀本位制であったが、地球資源としての貴金属は早くも近代に入って早くも底を打ったので、これを節約利用した管理通貨制を発案したが、これでは信用力が不足する。
 実は金銀本位制時代にも間接的に通貨信用を支えていたものが在った。社会に必須なる物資が、「隠れ本位財」として金銀貨の信用を相互保証的に補完していたことをすでに述べたが、江戸時代は金銀貨の信用力をコメが支えていたのである。
 一九七二(昭和四十七)年に金本位の限界を露呈した米ドルは人為的に起こした石油ショックにより希少財化した石油を社会に必須なる物資とし「隠れ本位財」とすることで一時を凌いだが、偽りの価格がいつまでも保てるものではない。
 そこで本当に社会に必須なものを探究した所、それが工業生産力であることを悟ったのである。食糧が全人口に行き渡る目途が付いた
現代社会が何よりも欲するものは工業製品である。工業製品は常時生産されるものであるが、その本質は工場の製造設備に在るわけではない。
 工業生産力はいずこに存在するか? それは個人とその集団たる社会が保有するのであるが、どこにでも存在するものではない。
 工業生産力が地球上に遍在すること、その地域が日本であることを見抜いたのが、悪いことにトロツキストであった。彼らは「米ドルの信用力を裏付けるものとして、特有の工業力に支えられ日本円を利用すべきである」との結論に達したのである。
 彼らがこれを悟ったのはおそらくWW1の前ではないかと思う。戦争のために半ば崩壊した日本経済を復興させる目的で彼らが企んだのが朝鮮戦争である。この戦争の最大の目的は日本経済の復興にあったのだ。その計画を進めるためにドル円をを意図的に割安な三六〇円に固定して日本製品の輸出を支援した。
 このことが潜在心理に浸透して急速に親米感情が育った日本人は、その後に拡大していく東西冷戦の流れの中で、しだいに在日米軍に対する軍事的依存感情を固めつつ今に至ったのである。
 かかる経過により、今日の日本は外見的にも実質的にも米国の軍事保護国であって、その対価を米国に永久的に支払わねばならぬ状況を脱することが出来ないのである。軍事保護の対価が何であるか諸兄姉の洞察に俟ちたいが、一つだけ明言すれば「日本円による米ドル価値の維持支援」である。
 ここまで言えば、竹下登の規模が理解できるのではないか。

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