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  ブランクーシーの曲線

 イサム・ノグチが影響を受けた彫刻家というので『ブランクーシー 本質を象る』(アーティゾン美術館 2024.3.30~7.7)へ行ってみた。ブランクーシーの作品は『眠れるミューズ』という白い卵形の頭部のみの作品を写真で見たことがある程度だ。
 
 残念ながら今回の展覧会での『眠れるミューズ』の展示期間は終わっていたが、曲線の美しさや彫刻を撮した写真の面白さに出会うことができた。

 それぞれの作品の曲線が、どれも全方位、そこでなくてはならない位置に置かれ、心地良い。ふと、電車の先頭から眺める線路のカーブを思い浮かべる。じっと見ていると「そこだ」と思えるカーブに出会う瞬間がある。

 彫刻家が「ここだ」と定める曲線は、その感覚が外の世界と呼応して成り立つ。イサム・ノグチの作品のダイナミックな曲線の中に感じる優美さ、穏やかさはブランクーシーの曲線に通じるものがあるように思えた。

 ところで、人はなぜ曲線を見て心地良さを感じるのだろうか。類人猿も曲線が好きなのだろうか。



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