見出し画像

ジオパークに ハマってしまった!     §3 第2回ジオパーク講座から       sono1 そうなの!「地すべり」

▢「ジオパーク」は「動く公園」だ!

 ジオパークは「動く公園」だ!
 ただそこにあるだけではない!
 地域おこしの拠点になったり、「THE地域」を学ぶ学校になったり、自然を楽しむフィールドになったりする。

 第2回の講座は、「岩手・宮城内陸地震」の「荒砥沢地すべり」の仕組みについて知る講座。なんと栗駒山の山腹には,大地の「スベリ台」が存在した!
 軽石の地層と、その上にのっていた溶結凝灰岩という硬くて重い岩が、スベリ台の上を滑ったのだ!「かるいし君」が「ようけつ君」をおんぶしてすべった「すべり台」の名前は「シルト君」!

 「シルト」は細かい粒の「砂や土」のようなもの。「砂より小さくて粘土より大きい粒」がシルトの粒だ。
 砂や粘土は「サラサラ」or「柔らかい」というイメージ。
 しかし、重たい「ようけつ君」や、軽くても層が厚くて結果としては重たくなった「かるいし君」など、さまざまな岩や石が層をなした「地層」という中で下敷きになっていると、砂や粘土も「固い岩(固い地層)」になる
 そこに、地下水も力を貸す粘土って水をつけると「ツルツル」になるよね。ほら「すべり台」ができちゃった!

 栗駒山(1626m)、虚空蔵山(1409m)、大地森(1155m)、と南に降りてきて、世界谷地原生花園(700m前後)、荒砥沢ダム(280m弱)とつながっている。地すべりが起きた地域は標高510mから615m位の山が囲んでいる

 この地域は、おおむかし火山活動が繰り返されていて、「凝灰岩」や「溶結凝灰岩」の他、「安山岩」などの重い岩も多い。地すべり危険地域ともいえる。

 さて、山々に囲まれた地域の底に下敷きにされていたのが「シルト」の「すべり台」だった。「すべり台」は、緩い傾斜(3~10度くらいといわれる)で、「荒砥沢ダム」の北から南東方向へと向かっていたのだ。
 地すべりは、直接、南の「ダム」に向かったのではなく、少し東に向かってズレたため、ダム湖の北部を少し埋めた程度で収まった。それでも、ダム湖はかなり埋め立てられ、その時は津波も起きて、危うくダムを超えるところだった。

 このような地すべりは、一か所ならず(荒砥沢以外の場所でも)起きていた。さらに、各所で液状化現象もおこり、僕が、たまに「ヤマメ釣り」に出かけていた温泉を飲み込んでしまった。あれ以来、僕は「渓流釣り」に出かけていない。余談になるが、その後に起きた「東日本大震災」は、僕を「海釣り」からも遠ざけた。

※第2回ジオパーク講座(栗駒山麓ジオパーク)は、2023/08/19に実施され、荒砥沢の地すべり跡と荒砥沢ダムを歩きながら説明を受けました。
 今回の記事は、その時の講座の内容をきっかけに、「栗駒山麓ジオパークビジターセンター」に展示されている資料や、センターにある図書室の資料、その他、いくつかの書籍などを参考にして、僕が書き直したものです。

※参考にした書籍は、以下のとおりです。
〇「栗駒山麓ジオパークガイドブック」栗駒山麓ジオパーク推進協議会
〇「三つの石で地球がわかる」藤岡換太郎 講談社(BLUE BACKS)
〇「おもしろサイエンス 地層の科学」西川有司 日刊工業新聞社
〇「地層のきほん」目代邦康・笹岡美穂 誠文堂新光社

※次回は、第3回ジオパーク講座(実際には、台風で延期されたため、内容は、第4回講座になります。要するに「第○回」の数字は、実際と違うという事です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?