本当にあった不思議な話?金神様と地鎮祭。
これは男性の患者、Nさんから聞いた話の続きである。
『俺は不思議な話とかあんまり信じないんだけどさ、これは家族が体験した話だからね…』
今から25年ほど前にNさんが家を建てた。Nさん、奥さん、幼い息子さんと三人で住み始めた。住み始めて、しばらく経つと息子さんが発熱した。
病院に連れて行って、薬を飲むが熱が下がらない。原因不明で発熱した状態が続き、だんだんと衰弱していく。
これは、いかんと思い始めた時にNさんのお父さんが、『あの親戚の女性が元気になった一件があるから、一回お祓いする人に聞いてみるか』と言われた。
Nさん自身はそういうことを信じないので、半信半疑だったが、親戚の女性が病気から元気になった話を聞いていたのと、幼い息子さんがぐったりとしているのを見ると一か八か行ってみるかと思ったそうだ。
早速Nさん、Nさんのお父さんと二人でそのお祓いする人の家へと出かけた。お祓い師さんはNさんの話を静かに聞くと『うーん、金神様が怒っとるなあ』と告げた。
『金神様?』Nさんが聞いたことない神様だなと思い聞いてみると、
『あなたが新築した家の土地一帯におる神様で金神様と呼ばれとる。あなた多分地鎮祭した時に母家じゃない一角は地鎮祭してないだろ?』と、まるで見てきた様に言われた。
『えっ。あ、確かにそこはしてないです』思い出してみると確かに母家じゃない一角は地鎮祭をしていなかった。
『それを金神様が怒っとるから、地鎮祭を改めてさやった方が良い』
NさんとNさんのお父さんはお礼を述べて、お祓い師の家から出ると、さて地鎮祭をまた頼むかと相談し始めた。
するとお祓い師さんが家から出てきて二人を呼び止めた。
『待った待った。金神様がわざとじゃないのなら、今回は許そうと言われとる。このお札を家の玄関に貼っときなさい』とお札を一枚持ってきた。
えっ。地鎮祭しなくて良いの?とNさんは思ったそうだ。家に帰って、早速玄関にもらったお札を貼り付けた。
するとその日の内に息子さんの熱は下がって、平熱に戻った。数日経つと息子さんは元気を取り戻した。
『本当にその日の内に熱下がったからなー。偶然かもしれんけど、あれは不思議だったわ』とNさん。
『地鎮祭大事ですね』と記憶に残る話になった。
終わり。
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