つい前職(小学校教員)が恋しくなる時

 私の前職は公立の小学校教員です。県内でも1番のマンモス校(児童数の多い学校)の上に手の焼ける子が本当に多い。他の学校に勤める教員友達の充実している話を聞くのが嫌で仕方なかった。あんなに辛くて毎日「辞めたい!」と帰りの運転中に泣きながら彼氏に電話したりしていたのに, 辞めてみるとなんだか恋しくなる時があります。

 オーストラリアに渡航する前, 3月の年度末で辞めてから1ヶ月半ほどは無職でした。そしてオーストラリアに来てから約1ヶ月も, 仕事を探してはいたものの面接やトライアル(お試し雇用みたいなもの)のチャンスすらもらえない所もあったり, なんとか辿り着けても結局採用されなかったりしてモヤモヤする日々でした。


 そういう時, 夜寝ていると担任をした子供たちの夢を見ることが結構ありました。
「先生!」「先生!」と色々な子から同時にあちこちから呼ばれて朝起きてもまだ聞こえているような気がする, という目覚めをするのです。実際そういう夢は勤めている時からあったのですが, 辞めてから見るとなんだかその日々に戻りたいような気すらしてきます。

 やっぱり多くの職業は人との関わりが仕事みたいなところがあるけれど, 小学校の担任の先生ほど, 決められた人の人生の一部に長く深く濃く関わる仕事はないのではないかと私は個人的に思います。私自身も小学校から高校までの担任の先生を全員覚えているし, だんだん記憶は遠くなっていったとしても何かしらのエピソードはやっぱり未だに覚えているものです。
 ふとした瞬間に私も3年間で担任をした何十人の子供たちにとっては, そういう人になるのかな…と感慨深くなったり, 単純に, 元気かなー, とか, 中学校でちゃんとやれているかなー, とか思い出したりしています。
 子供との信頼関係を築けなければその一年間はその子の人生の中の嫌な記憶として残ってしまいます。お客さんではないので嫌だから先生を変えてくださいとか, 子供を変えてくださいとかはできない職業です。だからこその重圧や日々のストレスは相当なものでした。勤めていた時はついそういうところばかり見てしまっていたのだと思います。

 しかし辞めた後になって思い返してみると, 子供と一緒になって大笑いしたことや, 子供が遊びに一生懸命誘ってくれたこと, 「先生, 先生」と絶え間なく呼ばれるほど頼られていたこと, 大袈裟に演技をして子供を笑わせたり喜ばせたり, 逆に子供たちから笑わせられたりサプライズをしてもらったり, 終業式に日にはクラスみんなで泣いたり等全て書き切ろうとしたら終わらないほどの楽しい, 幸せを感じる瞬間もたくさんありました。次の仕事が見つからない不安もあってか, 教員ほど自分に向いている職業はない, 私には教員しかできないのではないか, とまで感じ始める始末。あんなにきつかったのに不思議なものです。

 やはり人は何かを失ってから記憶が美化されるものなのでしょうか。笑 
失う, というか自分から辞めてしまったのですが。子供たち, 元気でいることを願って私も前に進んでいきたいと思います。

 ちなみにワーホリビザで渡航して初の仕事も無事決まりました。アパートメントから徒歩2分(部屋を出てからの計算なので実質1分)のローカルカフェのオールラウンダーです。住んでいる場所自体が全然アジア人のいない地域なのですが, 働いている人もお客さんもほぼみんなオージーです。英語の名前のスペルが分からなくてテイクアウェイのカップに書くのに苦戦しています。笑
 もう少し仕事に慣れてきたら, この仕事についての話もしていきたいと思います。

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