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『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re :』を見た~「誰が為にギターを奏でる」
私は「ぼっち・ざ・ろっく!」が結構好きで何度か周回している。
私がトップクラスで好きなアニメだ。
楽曲が良い。
笑わせてくれる。
ライブシーンが凄い。
理由は色々あるが、
「見ると絶対にギターを弾きたくなる。」
これが一番の好きな理由だ。
このアニメを見るとギターを弾きたくなる。
”バンドを組みたくなる”ではなくて、ギターを弾きたくなる。
不思議なアニメだ。
ちなみに、私のギターの腕前はミジンコ以下だ。
(その昔、「BECK」と言う漫画がありまして、その漫画を読んだ若かりし頃の私は、速攻で街の楽器屋さんに行ってギターを購入した過去があり、ポロンポロンとギターの練習をしていたのですが、その内出くわした「スケール」。
この意味がどうしても分からず(当時はインターネットで検察なんて便利機能が無かった)、嫌気が差した私はギターを実家の押し入れに追いやっていたのです。)
しかし、他に色々と音楽に接する機会があったにも関わらず、ギターを再び手に取ろうと決意させてくれたのが「ぼっち・ざ・ろっく!」なのだ。
「ぼざろ」を見た私は例に漏れずポロローンとギターを再び弾き出した。
偉大なアニメだ。
そんなアニメの劇場総集編を見に行った。
このアニメは何回も見ている。
当初は映画を見る必要はあるのかなあと思っていたが、たまたま休みが取れたので、たまには外出してみようってな感じで見に行った。
それに何となく今見ておかないと後悔しそうな気がしたので。
映画は退屈しなかった。
何回も見ているシーンだが、面白かった。
新曲も購入しようと心に決めていた。
だけど、一番心に残ったのはそこじゃなかった。
何度も何度も聞いていたはずの虹夏の台詞が心に突き刺さった。
「上手くて話題の人もね、私達が見ていないところで、たっくさんたっくさんギターを弾いてきたんだろうなって」
嗚呼。
私が人生で最もやってこなかった事だ。
憧れるだけ憧れて、だけどその高みには絶対に辿り着けないと決めつけて、何かを成さんと決意もせず、日々流され、諦める事に慣れすぎた日々。
嗚呼。
帰ってギターが弾きたい。
誰も見てないところで、ただ黙々とギターを弾き続けたい。
それがたとえ誰かに聴かせるためでなくとも、決して人前で演奏する事がなくとも、ただ黙々とギターを弾きたい。
ギターを初めて手に取った時からやめることなく続けていれば、或いは人に聴かせる事もあったかもしれない。
だが私は続けなかった。
ギターを弾かない選択をしたのだ。
けれども虹夏の言葉で気付いた。
私に足りなかったのは”たっくさん弾くこと”
無駄な練習とかもう関係ない。
プロとかバンドを組むとか、そう言う話じゃない。
ただ、黙々と何かに打ち込みたい。
それがギターになっただけだ。
世に沢山のきっかけが溢れかえっているなかで、たまたま「ぼっち・ざ・ろっく!」に出会い、たまたまギターが押し入れに眠っていただけだ。
「何かに夢中になって”たっくさんたっくさん”打ち込んでみたい。」
「ぼっち・ざ・ろっく!」は不思議な作品だ。
何十年と止まっていた私の歯車を動かしてしまった。
それは遅すぎた出来事だったのかもしれない。
けれど回り道をした生き方も悪くはなかった。
「誰も見ていないところで、たっくさんたっくさんギターを弾いてみよう」
その先の自分の姿はもうイメージ出来ている。
あとはたっくさん弾くだけだ。
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