真城最高は何故漫画を描き続けたのか(バクマン。6巻ネタバレ日記)
バクマン。6巻のネタバレ日記です。
急に思い立ってバクマン。を読み始めています。
6巻を読み進めている内に、やや大きめの疑問が生じてしまったので、ここにその気持ちを吐き出してみたいと思います。
では6巻で一体何が起こったのか。
作画担当の真城最高が過労で倒れて入院してしまう話ですね。
入院した真城最高は、連載中の漫画を休載させないために病院のベッドの上でも漫画を描き続けます。それを見た周囲の人間は真城の体を心配し、漫画を描くのを止めて欲しいと訴えますが、それでも真城は止めない。
鬼気迫る表情で漫画を描きます。
そのような状況を危惧した編集長は、真城達が高校を卒業するまで真城達の漫画の休載を決めます。高校生が漫画の週刊連載をするのには無理があったと反省した結果です。但し卒業後に連載は再開すると約束して。それもジャンプが抱える作家が過労死で亡くなってしまわないようにするための配慮です。
その配慮に周囲は猛抗議をします。
「描かせてやって欲しい」と。
結果連載は続く事になりました。
めでたし、めでたし。
大まかにはこんな流れです。
いや?おかしくない?
病気で倒れて入院したんでしょ。
明らかに編集長が正しいでしょ。
バクマン。6巻の第1刷発行は2010年1月。
この頃にはまだブラック企業と言う言葉が無かったのか。
正直私も大好きな仕事に命を捧げてみたい気持ちはありますが、この6巻では何処か違和感があるのです。
「ブラックすぎるでしょ」と言う表面的な事ではないです。
真城最高が病気を押してでも漫画を描き続けた本当の理由の説明がなされてなかったからです。
「休載したくない」「漫画を描きたい」「亜豆との約束」これらは何となく触れられています。しかし若干説得力に欠ける。
編集長は連載再開を約束してくれています。
なら今のご時世ならゆっくり療養して英気を養うべきとの発想に至ります。
しかし真城は描くのを止めません。死んでも構わないぐらいの勢いです。
そして54Pで「(亜豆より)マンガの大切」と言い切ります。
ここで私は思うのです。
”作者は真城が描き続ける本当の理由を隠しているのではないか”
それは何か。
「恐怖」ではないかな。と思うのです。
アンケート結果の恐怖。連載の恐怖。休載の恐怖。読者離れの恐怖。絵が描けなくなる恐怖。編集長の変節の恐怖。等々。
では何故隠すのか。
これらを描いてしまった事による読者の反応が予想できなくて、この段階では敢えて触れなかったのではないかと。
もしくは世間に公表できないおぞましい理由が存在しているのかもしれません。
体調を崩し入院した段階で、今のご時世なら休載になるとは思うのですが、当時はそうもいかなかったのか、ひょっとしたら今でも病院のベッドで漫画を描いている作家もいるのか。
兎に角、周囲の人間が倒れた真城最高を心配しているのをよそに、何がなんでも漫画を描き続けたいと主張する彼の情熱が若干面倒くさく、「素直に休めよ」と思わずにはいられないエピソードで、其処には「真城最高が意地でも描き続けようとした本当の理由」について作者が語りたいけどまだその時ではないと言う秘めた思惑が存在していたのかなと思わずにはいられなかったのであります。
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