認可 電力会社 値上げ

先月末、電気料金値上げの記事が続々と出てきていました?

日経新聞の記事の見出しは下記など
・1/27、北海道電、34%上げ申請
・1/28、家庭電気代 広がる地域差

例えば北電の記事
「北電が、国の認可が必要な家庭向け電気料金の値上げ・・・そのため電力の安定供給を理由に値上げする方針を決めています。」

この認可について下記解説します。

1.内容

 電力会社が電気料金の規制料金の値上げの「認可」申請を経済産業大臣に行った。

 ※電気料金には価格を変えるのに国の審査
  が必要な「規制料金」と、
  電力会社が自由に値段を決められる
 「自由料金」がある。

2.詳細

 ①内容 行政行為の1つである認可
  ・行政行為とは
    国または公共団体の行政庁が、
    法律(法令)に基づき、優越的な意思の発動または
    公権力の行使として、国民に対し、
    具体的事実に関し法的規制をする行為。

    命令的行為と形成的行為に分かれる。

  ・認可とは
    当事者間の法律行為を補充してその
    私法上の効果を完成させる行為

    形成的行為に属する。

 ②行政 本件は経済産業大臣

 ③対象 電力会社が申請

 ④根拠法令 電気事業法19条

 ⑤その他 認可の例

  ・農地の権利移動の許可
  ・銀行合併の認可
  ・公共料金の値上げの認可

  通常、土地の売買契約をしても、
  役所は何ら関わることはない。
  しかし、「農地」については、
  国の食糧安定供給の目的のために、
  役所が関わってくる。農地を売っても、
  所有権は売主から買主に移らない。役所
  が「買主はきちんと農業を行えるか」
  を審査して、OKであれば許可が出る。
  これにより、売買契約の効果が完成。
  農地の所有権が買主に移転する。

3.法令等の詳細
 略

4.類似

 ①許可

5.類似法令等との違い

 ※行政行為の分類

 ①許可

  ・既に法令または行政行為によりされている
   一般的禁止を特定の場合に解除する行為。

   例)自動車の運転免許、飲食店の営業許可

 ②特許

  ・新たに権利や地位等の法律関係を設定し
   特定の者に与える行為

   例)公益法人(公共事業)設立の許可
    (電気ガス供給事業、バス鉄道の運送事業など)、道路の占用許可、
    外国人の帰化の許可

6.関連法令等

 略

7.課題、問題点

 ・東電の値上げ申請は東日本大震災後ぶり。
  申請額は平均29.3%、実施時期は6月。
  幅と時期が経産省の審議会検証される。
 ・22年は資源価格が大きく上昇。
  ロシアによるウクライナ侵攻や円安による。
  22年後半から燃料輸入価格は下落傾向。
  いま電気代が高騰しているのは、3-5カ月前
     の最も高い時期の価格が反映されている。

8.重要判例

行政行為に関する重要判例としては下記。

 ・東京都ゴミ焼却場事件s39.10.29

以上

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