舞台女優が ドロドロのルネッサンスの恋物語を アナウンサーのような美しいナレーションではなく 感情を剥き出しにして、原稿にぶつけるように演じきった作品 p.s. 作家の商社城も一言だけ小さく声をいれました(笑)
1559年2月某日 パリの夜はしんしんと冷える 馬車が物々しく、しかし静かに、郊外のとあるシャトーに到着した。 先頭に立って入っていくのは 小柄で小太りな中年女性。 白黒のモノトーンと地味であるが、 その所作から一般庶民では決してない事が分かる。 彼女は部下を引き連れ、シャトーの地下に進んだ。 シャトーの地下に降りる階段途上 女性は部下に確かめる 「ぬかりはないか?」 「はい、王妃様」 ・・ 彼女は仏王妃カトリーヌ・ド・メディシス。 部下は実家メディッチ家から付き従って
これは皆様が良く知るパスタの国イタリアの物語です そのイタリアはつい最近まで統一国家は存在せず 小国に分かれ、小国のどの国も軍が脆弱で ルネッサンス文化・芸術が発展していたが故に 何百年もドイツ、フランス、スペインによる略奪の餌食でした。 そんな1533年8月 イタリアの小国の一つ トスカーナ公国フィレンツェで テーブルに狭しと並べられた宝石を数える少女がいました。 「・・・、大きいルビーの首飾りが1つ、ダイヤモンドが埋込まれた金の装身具2つに、平に広がったダイヤモン
フランス領ナバラを水源に ピレネー山脈から北に流れるビダソア河はスペイン領バスクに到達すると 船も往来可能な立派な河川となり、ゆったりと大西洋、いや、ビスケー湾に 流れていく スペインと国境を接するフランスの街 サン=ジャン=ド=リュズ。 5月の早朝は少し肌寒い。 そんなビダソア河の岸辺で2人の少年が静まり返った向こう岸を見つめている。 兄は8歳。 まだ子供なのに大人の事情を飲み込み、これから何が待ち受けているのか?しっかり理解している。 もちろん7歳の弟くんも。