それから

原付で事故を起こしてしまった僕は、相手の方の連絡先の書いた紙を受け取り、阪大病院に運ばれた。後で聞いたが、相手の方は車の後ろのガラスが全て割れてしまった以外は怪我とかはしていないようだったので、そこは良かった。

それからは、ドラマのように緊急治療室らしき所に運ばれ、CTに身体を通し、顔の怪我を縫ってもらった。休日だったので、眼科には当直方しかおらず、手術は翌日することになった。一切回復しない右眼に怯えながら、その日は救急救命センターのベッドで夜を明かした。

次の日、クセの強いが実力はある、といった感じの先生に手術していただいた。

先生によると、僕の目は、水晶体が傷つき、角膜も傷つき中から虹彩が飛び出ていたため、水晶体をとり、角膜を縫合している状態だそうだ。今は視力はないが角膜が閉じれば人工の水晶体をつけることができ、視力が回復する可能性が高いとのことだ。しかし、おそらくそれが半年後のことになるので、それまでは見える左目で生活しなければならない。

春から社会人というのに、とんだ大事になってしまったが、仕方ない。落ち込みだしたらキリがないが、入院中にみた「ブラックジャックによろしく」という漫画の中でバイク事故で脳死になってしまった例を見て、命があるだけでも感謝しなければと思った。

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