新歓は好きだが美容院はあんま好かん

 僕は、大学のサークルとかでよくある新歓とかの、あんまり関係性のない人同士がする、ふわっとした掴みどころのないトークがけっこう好きだったりする。その人のことを引き出したり、こっからどう展開しよっかなとか考えながら話したりするのが、自分の力を試されてるようでワクワクする。もちろん上手くいかないことの方が多いのだが、その帰り道にどうしたらもっと盛り上がったかなーとか考えながら帰る夜道もけっこう嫌いじゃなかったりする。

 その一方で、美容院で繰り広げられる、間を持たすためだけみたいなトークが苦手で、ほっといてくれとか思ってしまう。自分が美容院を固定せず、毎回直前に美容院を決めているのも良くないのだが、毎回リラックスしきれない気持ちを、精悍になった自分を見ることで抑えている。美容師さんの中でも、自分の話をし続けてくれる人はまだ適当に相槌を打っていればいいのでラクだが、たまにこちらの話を気を遣ったように聞いてくる人は、なんか気の利いた返しをしなくてはいけない気がして、自分の求むリラックスが出来ない。そもそも美容院にある暇つぶしコンテンツにあまり魅力を感じない自分は、マンガの置いてある美容院に出会うだけで少しテンションが上がるのだが、それはまた別のお話。

 とにかく、初対面の人と喋るという似たような筋肉を使いそうな場でも、新歓は好きだが美容院はあまり好かん。これってなんでなんだろうと少し考えると、これは、僕が大学生の時に思ったコミュ力の話に結びつく。

 ところで、全然自慢とかじゃないんだけど、自分はたまにコミュ力高いよね、と言われる。光栄である。かと思えばたまに、人見知り?とも聞かれる。きっと両方正解で、僕は人とコミュニケーションを取るのが少しだけ上手だが、人見知りでもあると思う。

 じゃコミュニケーション力って何か。コミュ力が高い人って、うぇ〜い!って誰にでも明るく話しかけにいける人、みたいなイメージが世の中的にはあると思うが、真にコミュ力が高い人というのは、話してて相手に (あ、この人自分のこと好きでいてくれてるんだろうな、) と思わせることの出来る人なんだろうなーとなんとなく気づいた。だからそれを普段から意識するようにしている。しかし、誰にでも明るく話しかけるのはどうにも得意ではない。だから自分は、人とコミュニケーションをとるのがそこそこ自信があるが、人見知りであるんだろうなと思う。それが、インスタのフォロワーの倍の数、ラインの友達がいることにもつながっているのかもしれない。もっとも、100人くらい新歓で交換した顔も覚えていない人だが。

 長くなってしまったが最初の話に戻すと、自分は、相手が自分をどう思ってるか気にする場では頑張れるが、最初から自分のキャラ作りをして話しかけなきゃいけない場は苦手な人間なんだろうと思う。

 ウダウダ言ったが、ここまで書いて普通に自分が優位な場で話すのが好きなだけの可能性を考えて、少し虚しくなった。そんなことないと信じたい。

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