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【ギャラリー冬青 写真展】2024年8月期 稲垣徳文

ギャラリー冬青 8月期 写真展
稲垣徳文 写真展
Blue Period

会期:2024年8月2日(金)~ 8月31日(土)
11:00~19:00 日曜・月曜・祝日 休廊
※夏季休暇:8月11日(日・祝)〜 8月16日(金)まで
作家在廊日:毎週木曜・金曜・土曜 15:00〜19:00
※作家は7月末より中国貴州省の省都、貴陽で開催される「2024年多彩貴州・第17回中国原生態国際写真展」に招待作家として参加されます。よって、2日・3日は不在となります。
 
【会期中のイベント】※要予約
*トークショー:8月9日(金)19:00〜20:30 森谷 修(写真家)× 稲垣徳文(写真家)
参加をご希望の方は、下記のいずれかよりお申し込みください。
▼オンラインショップ
https://toseisha.base.ec/items/87108940
▼お電話(03-3380-7123)
▼メール(gallery@tosei-sha.jp)
 

オリジナルプリント
Copyright (c) Norifumi Inagaki All Rights Reserved


<作家の言葉>
世界初の写真集といわれる『自然の鉛筆』の「植物の葉」を見つけたのは昨年の春のこと。探しはじめて2年あまりそれは自宅近くの街路樹の根元に生えていた。早速、枝葉のひとつを持ち帰りフォトジェニックドローイングを始めた。
サイアノタイプのシンプルな青と白の造形。光の作用により物の形が紙の上に定着される過程には期待感と驚きがある。180年前、アナ・アトキンスが海藻の標本をプリントして以来、基本的な作法は変わらない。
白いシルエットに浮かぶ葉脈は幾何学模様のように美しい。
この、サイアノタイプ独特のプルシアンブルーの青は日本語では紺青と表記される。絵画の染料として北斎や広重の浮世絵にも用いられたことからEdo Blueとも表現される。
ゼラチンシルバープリントが発明される以前、サイアノタイプ は19世紀におけるポピュラーな写真技法のひとつだった。鶏卵紙に比べるとコントラストが高く、卵白やゼラチンなどの塗布層を持たないため用紙のテクスチャーそのままにマットにプリントされる。
あらためて大型カメラで撮影したパリの街並みやニセフォール・ニエプスのアトリエの風景をサイアノタイプにプリントした。
英国南西部のレイコックを訪れたのはそれから三ヶ月後のこと。
ヘンリー・フォックス・タルボットが残した「植物の葉」の子孫たちは村を流れるエイボン川沿いに茂っていた。「植物の葉」は白い小さな花を咲かせる。
タルボットは比較的若い枝葉を選んでプリントしていたようだった。
 
稲垣徳文

※ アナ・アトキンス:イギリスの植物学者。1842年にサイアノタイプを使った海藻の標本集を出版。
※「植物の葉」:セリ科シャク属の多年草。和名「芍」シャク。
英名「Wild Chervil」ユーラシア大陸東部からヨーロッパ東部まで広く分布する。山地の谷間から林の中など少し湿った場所に群生する。セリ科特有の香りがあり葉は色鮮やかな緑色。茎は直立し200cmほどに成長する。
 
<作家略歴> 
Photographer 稲垣徳文(Norifumi INAGAKI)
 
1970  東京都生まれ。
             法政大学社会学部卒業。 在学中より宝田久人氏に師事。
             朝日新聞社『AERA』嘱託カメラマンを経てフリー。
 
■Exhibition/写真展
1991 「タシュクルガンへの道」 中国・シルクロード・天山北路 オリンパスギャラリー
1995 「大陸浪人」 ドイフォトプラザ
2000   『PORTRAIT OF TIBET』"Dalai-Lama"  東急港北ニュータウン特設ギャラリー
2007   「In the viewpoint of Asia / Tokyo」 galerie Litfasssaule  ミュンヘン/ドイツ
2011     巡礼「West Tibet Mt.Kailashi」 コニカミノルタプラザ
2011     Habitat そこにある暮らし  フォトギャラリーシリウス
2017   「HOMMAGE」アジェ再訪  ギャラリーバウハウス
2020   「ROOTS」アジェとニエプスを巡る旅  ギャラリーバウハウス
     「巡礼」2010-2020  富士フィルム イメージングプラザ 東京・大阪
2021   「鶏卵紙のパリ」 ギャラリーソラリス 
 
■Collection/収蔵作品
1995 「大陸浪人」清里フォトミュージアム

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