川べりの道

 ここ最近気候が安定しない。先日は晴れていたかと思ったら、急に空が曇り、遠くに稲光が見えた。そしてバケツをひっくり返したような強い雨が降ってきて、しばらくすると雹も落ちてきた。

 今日は打って変わって青空が広がり、気温は25℃以上、日差しが強い。
天候は初夏を通り越してしまっている。しかし、せっかくの青空と日差しだ。なので、午前中はベッドのシーツ、毛布を洗濯機で洗い、外に干した。
1時間もたたないうちに洗濯物は乾いた。お日様のよい香りがする。それだけでなんだか幸せな気持ちになる。洗濯は終わったものの、強い日差しに気が滅入ってしまい、外に出る気にはなれず、ビーズのブレスレット作りに霧中になっていた。午前中はこんな風に過ぎていった。
 
 昼食を食べた後、玄関から外に出てみる。最近、ツバメのつがいがやってきて玄関先の街灯の上に居着くようになった。この場所には去年別なツバメがやってきて巣を作ったものの、卵を産むことなく、空にしてどこかへ行ってしまったとのこと。今年やってきたツバメのつがいは一から巣を作ることなくして、去年のツバメが作った空の巣を再利用して、住み着いて卵を温めているようだ。なんて合理的なツバメなんだろう。なんだかほっこりした気持ちになった。後どのくらいで卵がふ化して、かわいい雛たちが顔を出してくれるか、とても楽しみだ。
 田んぼで、今年初めてハクセキレイを見つけた。田んぼで餌探しをしていた。こちらも2羽で一緒に行動していたのでつがいだろう。私は鳥が大好きなので思いがけず観察できて楽しかった。
 
 少し、日か傾いてきた3時頃、風も出てきたので、また近くの河川敷を散歩することにする。河辺の花はすっかり変わっていた。あれだけ咲いていたカラスノエンドウはまばらになっていた。その代わり、名前はわからないが
茎が長い黄色いキク科の植物を見つける。持参したスケッチブックにこの花を描いてみる。鮮やかな黄色い色。夏の色だ。まだ咲き始めたばかりのようで、これからの河川敷は生命力に満ちた黄色いの花でいっぱいになるのはもう少しだ。
 更に河辺の道を歩いてみる。ついに見つけた。ずっと見ることを楽しみにしていた野バラがそっと咲いていた。わずか3輪しか開花していなかったものの、初めて見るその白いかわいらしい花に見とれてしまった。早速、スケッチせずにはいられなかった。私が知っているバラはどれも大輪である。野バラの花はそれよりも小さく、白色で、梅の花くらいの大きさであった。
花は小さいが、ちゃんとトゲもある。まだ蕾がたくさんついていたので満開になるのはこれからだろう。

 河川敷を離れ、帰路に着く。道中、赤いつるバラを見つけた。この花もこの時期に開花する。この赤いバラは先ほど見たかわいらしい野バラの形にそっくりであった。川べりの野バラは野生種である。言い換えれば、バラの原種ともいえる。それを人間が改良を重ね、多くの園芸種が誕生したのである。しかし、野生種であれ、園芸種であれ、開花時期は似ていることに気がついた。
 
 今日は花数は少なかったものの、白くて可憐な野バラを実際、自分の目で見ることができて大変嬉しかった。また川べりに行って満開に咲く野バラを
見に行こう。

 これから日差しが強くなり、季節は夏に向かう。繁殖期を迎える鳥たち、
生命力を増す植物たちに、私は今日も生命力をたくさんもらった。

 なかなか前に進めずに焦る自分だが、焦らずに一歩一歩確実に歩んでいこう。自然からそうメッセージをもらった気がした。





、一羽が巣に入ったままなので、どうやら卵を温めているようである。



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