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それでも日々は過ぎて行く〜乳がんになりました④

みなさん、こんにちは!
先日、手術と入院が無事に終了しました。
まず【手術編】からです。
お付き合いの程、よろしくお願い致します。

入院できないかも!

入院の日は自分でも感じていない緊張があったのか、入院前に外来で体温を測ると37.1℃。
受付の職員さんに「後で1度測りましょうか」と笑顔で言われ、15分後ぐらいに再度測ると今度は37.2℃。
PCRは2日前に受けて陰性なのですが、体温が基準より高いので「まあ、いっか」という訳にはいかず、さらに15分後ぐらいにもう1度。
わざわざエアコンの風が直撃する席に陣取り体を冷やします。が…
『37.5℃』
え?なんで?この体温だったら、明らかに体調悪いはずなのにその様子もなく、ただただ測る度に体温が上がる一方…
職員さんも困惑気味。
このままでは、入院すらさせてもらえない状況かも!

結局、最後は看護師さんが来て脇の下をアルコールで拭かれて再度測ると、36.7℃。
無事に入院できました。
看護師さん、凄い!
どうも脇の下が汗などで濡れていると、高めに測れてしまうらしいのですが、それでもちょっと体温高すぎだよ。なんで?


入院できました

大部屋に入院したのですが、真ん中のベッドだったので当たり前ですが右も左もカーテン。一緒に入院した人が窓際だったので、ちょっと羨ましい。
まあでも、住めば都のはず。
流石に急性期の病棟なので、すれ違う他の患者さんや漏れ聞こえる話の内容はみんなヘビー。みんな戦っている人たちなんだね。

夕食は普通に食べられるのですが、なんせ食欲なんて殆どありません。
でも明日は手術で1日絶食・水も駄目なので、体力つけるためにも頑張って完食。
以前も入院したことがあるのですが、その時の病院食があまりにも美味しくなかった記憶があるので、今回も半分諦めていたのですが…あ、想像よりずっと美味しかった!良かったぁ。これから一週間程、お世話になります。

消灯は21時。
部屋の明かりは消えますが、ナースステーションが割と近かった事と廊下もやんわり明るいので、そんなに暗い印象はありません。
正直、病院の夜にドキドキしていたので、こちらも安心。
と言うより、夜中中頻繁なナースコールで看護師さんが行ったり来たり、救急車のサイレンはもはやBGMぐらいに途切れる事なく聞こえて来ます。
そして…お隣と斜め向こうのベッドのおばあちゃん2人によるイビキの二重奏!笑
耳栓持参していたので、すかさず装着!
何とか眠りましたが、夜中何回も覚醒してしまう。
環境も変わり、明日は手術で、おばあちゃん達の二重奏だったら、もう仕方がない!
どうせ明日は強制的に寝るんだし…なんて考えながら途切れ途切れの睡眠を取れたのか、取れなかったのか…


手術当日

もう緊張もピーク。
ここまで来ると『早く始まって早く終わってくれ!』状態。
手術着に着替え血栓防止の着圧ソックスを履き車椅子に乗せられ、手術室へ。
手術室って、独特の雰囲気ですよね。印象としては、銀色と水色だけで構成されたひんやりとした世界。あの無慈悲な巨大な銀色のドアが開いた瞬間、たくさんの機器と先生や看護師さん方の視線が一斉にこちらに注がれ、否応なしに緊張感が増すばかり。
本人は何も出来ずにまな板の上の鯉状態な訳ですので、「よろしくお願い致します」を言えるだけ言いまくり、手術台の上へ。

もうここから麻酔で意識を失うまでに耳に入ってくるのは、戦場並みの激しさ。
『皆の者、かかれ‼︎』
みたいな勢いで声が飛び交い、あらゆる所に管が付けられ、体に傷が無いか等の確認が怒涛の勢いで進められて行きます。
もうテキパキとか、そんな言葉のはるか先を行くスピード感。
まあわたしはと言うと、直ぐに意識を無くすのですが…

ゆらゆらと浅い夢を見続けていたら…急に水の中に手を突っ込まれて襟首引っ掴まれて一気に水面まで引き上げられた…そんな感じで目が覚めました。
瞬時に「あ、手術、終わったんだ」と気がつきました。
これがご高齢者になると、全身麻酔からの目覚めた時状況が把握できずに暴れてしまったりするパターンがあるそうです。
体力の差、とかなんでしょうかね?
ぼんやりする意識の中、横から先生の声が聞こえて来ました。
多分夫宛の電話だと思われます。病院はまだ面会が原則禁止なので、手術が終了すると先生から家族に電話が行くシステムです。
夫は午後休を取って、電話待ちのはず。
「何で?電話掛かってくるだけなんだから、利用者さん抱えたままパパッと取れば良いじゃん!」と軽く言っていたわたしに「落ち着いて電話に出たいの!全身麻酔なんだよ?」とさすが医療系らしい返答。

「脇の下も大丈夫でした」確かにこの言葉が聞こえました。
(ああ、良かったリンパへの転移もなかったんだ)
心から安心したのですが…今度は自分が猛烈に寒いのに気が付きました。
勝手に歯が鳴る、という状態を初体験。
抑えようとしても歯がカチカチと鳴る。
あっという間に体温計を挟まれ「35.2℃」と聞こえる。
そう言えば、全身麻酔の副作用に低体温って書いてあったなと、こんな感じになるのね、と朦朧とした意識で納得しました。

ここからはまた怒涛の勢いで、手術室から病棟へと移動して行きます。
自分の病室のスペースに到着すると、ベッドにポーン!みたいな勢いで動かされて電気毛布で簀巻きにされて『強』にセット。
そして手術室チームは嵐の様に去って行きました。
本当に戦場そのものでしたね。

どうも痛み止めを点滴されている様なのですが、まだ効いてこない。
痛ーい!とは思うのですが、体が言うことを聞かずに胸を押さえたり丸まったりが出来ずにそのままひたすら耐えます。
その内痛み止めが効いたのか、再び意識がなくなりました。

長い夜の始まり

再び目が覚めると、多分夕方?だったでしょうか。(ここら辺はあまり定かではありません)薄い眠りの合間に痛みとか暑さとか不快感が極まると目が覚め、というのを繰り返していたと思います。
ああいう時でも、ナースコールを押すのって躊躇われますよね。
もうちょっと我慢すれば、看護師さんが通りかかるかも、とか思ってしまう。手にはナースコールを握らせられているのですが、何か申し訳なくて押せない。
結局、様子を確認しに来てくれた看護師さんに「暑いんです」と訴えて電気毛布を取ってもらう。今度は体温はちょっと行き過ぎて37.2℃ぐらいだったかと。

この日は点滴と尿の管も付けていて、絶食+寝たままの状態。ベッドの上の起き上がりも水も指定された時間まで不可。(結講夜だったかと)
夕方看護師さんと話した時は「まだ後3個点滴あるからね!」なんて言われ…
以前、ほぼわたしと同じ病状の知り合いが同じ手術を他の病院で受けて、その日の夕方には点滴押してトイレに行って夕食も食べられた、と言っていたので、自分が入院する病院は慎重なんだなぁーなんて思っていましたが…実際には「彼女、よく夕食なんて食べられたな…わたしはそんな元気ないよ…」でした。
病院によって、結講対応が異なるのですね。麻酔の種類の差、とか何でしょうか?
しかし、点滴って凄いですね。この日は点滴だけで生きていました。

しかしこの晩、1番わたしを悩ました事と言うと…運悪く生理3日目だったのです。あー、何でこのタイミング!
手術用の専用のパンツを履いているのですが、着用した事のある方なら分かると思いますが、紙製のぶっかぶかのとにかく心もとないったらありゃしないパンツです。一応ナプキンを付けてはいるのですが、そもそも体にフィットしていないぶかぶかなので、心配しかない。
意識が戻るにつれ、今度はその心配で頭がいっぱい。たとえ排出の感覚があっても、自分では動けない!おまけに3日目。どんどんと排出の感覚が続く。女性ならこの状況がどれだけ恐怖かは、想像に難くはないでしょう…
夜中のラウンドに来た看護師さんに「下着の状態が気になるので確認したい」と訴えます。
看護師さんに驚かれ、「何日目?」と聞かれ「3日目」と答えます。
「えー!引き継ぎなかった!それは気になるよね。知っていたら、もっと前に確認していたのに」と言われ、ギリギリの所で何とかなりました…
引き継ぎ…とっても忙しいのでしょうがこの件は忘れて欲しくなかったです…
せめて軽い状態の日だったら、ただただ痛みに耐えながら寝てれば良いだけだったのに!

この時お世話になった看護師さん、とても素敵な方でした。
看護師さん、みなさん本当に忙しい中(緊急入院とかバンバン来る)怒涛の勢いで働きながらも明るくて素晴らしかったのですが、特に感動するぐらい明るく優秀な方でした。
同室のおばあちゃんからも熱烈ラブコールを受けていましたが、分かる!わたしもとっても元気づけられました。
1番辛い夜に担当して頂けて、本当に良かったです。

なんとかかんとか夜も明け、少し落ち着き入院生活が続きます。





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